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冒険者登録をしにギルドへGO!

「おぉ、スゲエー」


門の先にあったのはヨーロッパ風の城下町で、沢山の人が右へ左へと行き交っている。


中には腰に剣を挿して、防具とマントを身に付けた冒険者らしき人もちらほら目にする。


道路の両脇には露店が開かれており、食べ物や食器、何かの道具などが並べられ、露天商らしき人が商品を買って貰おうと頑張って客寄せをしている。


更に地球上の何処を探しても見つからないような生物が荷台を引いてたりしている。


その生物はとあるファンタジーゲームで見た事がある黄色い鳥、ぶっちゃけ言うとチョ◯ボに似てる。


黄色だけじゃなく、赤や青など色々な種類があり、中には鎧を着けて、騎士が乗ってるのもいる。


あのチョ◯ボもどきの生物がこの世界での馬みたいなもんなんだろうか。


兎に角こういう、現代社会では見ないような光景を見ると正に異世界という感じがするな。


「結構人が多いんだな。それに賑やかで活気があるじゃん」


「ヘルメリアの方がもっと凄いですよー、この国の倍は賑やかでしたからねー」


「そうなのか、冒険者になったら一度行ってみたいな。さて、冒険者ギルドに行って登録したい所だけど先ずは宿を決めようか。荷物とか置きたいし」


「そうでございますね。ではこの国でお勧めの宿へご案内致します」


「そうかい、じゃあ頼んだ」


「畏まりました。ではこちらです」


そう言ってアンジェは俺の前を歩き始め、俺とウィルは後に付いて行った。





「ここが国内でお勧めの宿、『勇者の宿』でございます」


アンジェに案内された宿は木造の3階建てで、中々の大きさで古ぼけた感じはしなかった。


結構繁盛しているのか、幾つかの窓からは人の気配がする。雨戸を閉め切っている部屋は、たぶん空き部屋か就寝中の部屋だろう。


そして1階の屋根の上ぐらいの高さに『勇者の宿』と書いた看板がぶら下がっていた。


勇者の宿ってなんかのゲームに出てた気がするが、なんだっけ? 思い出せんからいいや。


「中々良さそうじゃないか。うん、ここにしよう」


「では中へ入りましょうか」


「ああ」


両開きの扉をくぐると、中は外に比べると若干薄暗かった。まあ、そういうもんなんだろきっと。


一階は酒場というか食堂みたいな感じになっていて右手にカウンター、左手に階段が見える。


埃やカビの匂いがしないところからすれば、掃除は行き届いているようだ。


「いらっしゃい。食事か? それとも泊まってくのかい?」


カウンターにいる宿主と思われるおっさんに出迎えられた。


「泊まりに来たんだけど一泊幾らだ?」


「ウチは一泊2500エルトだが食事付きだと3000エルトになる。別に頼んでもいいがそれだと別料金になるがどうするね?」


「別料金だと幾らなんだ?」


「ウチは食堂も兼ねてるんでな、一食750エルトだ」


「じゃあ飯付きで頼む。宿泊期間は……取り敢えず4泊で」


「4泊食事付きだな、部屋はどうするのかね?」


「部屋か……お前達はどうする? 俺はどこでもいいんだが」


「私もフカフカのベッドさえあればどこでもいいですよー」


「では3人で1つの部屋に泊まりましょう。その方が何かと好都合でございます」


確かに別々の部屋だと何かあった時とか、一々駆けつけるのも面倒だしな。


それに女性だけだと飢えた男達が襲ってくるかもしれんし、男の俺が一緒に居た方が安心するかもしれないしな。


「そうするか。じゃあ3人共1つの部屋で頼む」


「3人一緒にだな、ベッドはシングルとダブルしかないんだが、お客さん達を見ると2つの方がいいか?」


おっさんはちょっとニヤニヤしながらそう言った。まあ俺の後ろにいる2人を見ればそう思うのは当然だろ。


生憎だが城に居る時、アンジェのお陰で下の息子が大変世話になったので、暫くは賢者モードだ。


「3人一緒だと料金はどうなる? やっぱその分料金が掛かるか?」


「1人1部屋で泊まるならそうなるが、お客さん達は2人分の部屋に泊まって貰うからそうだなぁ、8500エルトでいい」


8500エルトか、まぁいいんじゃないか?


「じゃあそれで頼む」


「あいよ。じゃあ3階の306号室に泊まってくれ、これがその部屋の鍵だ。あと、言い忘れたが夕食は17時から20時まで、朝は7時から9時、昼は11時から13時までだから遅れないでくれ。あと、トイレは廊下の角にある」


「分かった」


金を払っておっさんから部屋の鍵を受け取り、指定された306号室へと向かった。


「ここが俺達の泊まる部屋みたいだ」


「そのようでございますね」


「じゃあ早速入りましょうー」


鍵を開けて部屋に入って左側にクローゼットとベッドが2つ、ベッドの間には貴重品とかを保管しておく為か、金庫みたいなのがあった。


正面には窓、その近くにテーブルと椅子が2つ、右側にはタンスと鏡台とクローゼットが設置されている。


更に鏡台がある右奥の壁には時計が飾られていて、時刻は10時をちょっと過ぎたところだ。


部屋の広さは正確には分からんが、大体8〜9畳と中々の広さだ。


「へぇ~想像してたよりも、ずっと良い部屋だな」


「そうですねー」


そう言ってウィルはベッドへダイブする。


「すごーい、ベッドも結構フカフカですよー!」


そう言うウィルはパンツが丸見えだというのに恥じらってる様子が全く無い。コイツにはそういう感覚がないんだろうか。


溜め息を吐いて荷物をベッドの上に置いて椅子に座る。


ホント、中々良い部屋だな。俺がこの世界に来る前に住んでた夜になると、ゴキブリ達が隊列を組んで、ジェットストリームアタックをかましてくるような風呂なしトイレ共用の安くてボロいアパートと比べればこっちの方がマシである。


「んじゃあ泊まる場所も出来た事だし、ギルドへ登録しに行くか」


「ではギルドへ案内致しましょう」


「頼んだアンジェ。ウィルはどうする? ここで留守番してるか?」


「私も行きますよーここに居ても退屈ですからねー」


「そうかい、まあ好きにしな。んじゃ行こうか」


そう言って部屋を出て鍵を掛けてカウンターへ行く。貴重品は既に金庫に入れた。


「ん? 出かけるのかい?」


カウンターで退屈そうにしてるおっさんに話しかけられた。


「ああ、冒険者の登録をしにちょっとギルドまで行こうかと」


「そうかい。貴重品は金庫に保管したか? 何か盗まれてもウチは一切責任を取らないぞ?」


「大丈夫だ、問題ない」


「そうか、じゃあ鍵は預かろう」


俺達はおっさんに鍵を渡して宿を出た。





アンジェの案内でギルドに到着した俺達。道中、男性達の嫉妬の籠った視線を送られたがそこは俺のスルースキルで凌いだ。


「ここが冒険者ギルドか、結構デカいな」


目の前にあるのは木造3階建ての大きな建物だった。建物を構成する古びた木は歴史を感じさせ、いかにも冒険者ギルドですといった雰囲気が漂う。


西部劇の酒場にありそうなドアを通って中へ入ると、正面に受け付けのカウンター、左側に喫茶店みたいなのがあって右側には依頼の掲示板があった。


酒場も兼ねてるのか、幾つもの平べったいテーブルと椅子が置かれてて、二階にも同じ物が幾つか設置されていた。


多くの人が居ると思ったら意外とがらんとしていた。まぁ昼前だしな、飯食いに行ってるか依頼の最中なんだろう。


受け付けのカウンターへ行くと、受付嬢と思われる女の子が微笑んだ。


「冒険者ギルドへようこそ。ご用件はなんでしょう?」


「冒険者登録をしたいんだが」


「登録の方ですね、畏まりました。登録はそちらの方々を含め3人ですか?」


「いえ、私はこの方の付き添いですので登録をしに来たわけではありません」


「私は既に冒険者なので登録するのはこの人だけですよー」


っと、アンジェは否定してウィルはブレザーの胸ポケットから1枚のカードを取り出して見せた。


「そうでしたか、ではこちらの書類に必要事項を記入してください」


そう言って受付嬢は可愛い笑顔で1枚の羊皮紙を差し出す。


「必要な事だけか、それって全部書けってことじゃないんだよな?」


「そうですがその場合、何故記入しなかったのか軽く質問しますのでご了承ください」


「わかった」


そう言って近くにあった羽ペンを手に取って紙に必要な事を記入していく。


「あ」


紙に色々記入してく内に困った事になってしまって、うっかり声を出してしまった。


「? どうかしましたか?」


その声を聞いた受付嬢が聞いてくる。


「い、いや、なんでもないんだ…」


「?」


受付嬢は首を傾げた。きっと変な人だと思われたに違いない。


「(さてどうしようか…職業なんてどっち書いたら良いんだ?)」


職業を記入する欄に剣士と書けばいいのか、それとも魔術師と書けばいいのか分からなくて困ってたのだ。


「(仮に剣士って書いても魔法使えるのがバレた時の言い訳とか面倒だしなァ…いいや魔法剣士と書いちまえ)」


そう決めた俺は職業に魔法剣士と書いた。どちらか書いても何れバレて面倒臭い事になるだろうから、初めからバラしちゃえば大丈夫な筈…多分。



名前―――――コウタロウ・アサヒナ


年齢―――――25


出身―――――凄く遠い田舎町 ニホン


職業ーーーーー魔法剣士


主な使用武器―――――剣と魔法、稀に格闘。



「これでいいかな?」


紙を受付嬢に渡す。


「確認致します……あの、職業が魔法剣士というのはなんでしょうか?」


「あー魔法剣士というのは剣術と魔法が両方使える人の事かな」


「そうなのですか、珍しいですね。普通は剣士と魔術師のどちらかだけなんですが」


「まあ、剣と魔法が両方使える奴なんて聞いた事無いよな。だから俺の職業に関してはあまり触れないでくれ」


やっぱ魔法剣士って職業はないか。勇者達も剣と魔法が使えるけど、アイツ等は別なのかね? どうでもいいが。


「分かりました。そう言う事にしておきます…ちなみに使える属性をお聞きしても?」


「え…属性まで聞かれるの?」


「はい、魔術師の方で冒険者登録される人には必ず聞いておりますが…」


「……」


どうしよう…基本属性全て使えると言ったら大騒ぎになること間違いない。だが嘘を付くのもなァ…うん、ここは正直に言っておこう。


「あー…驚かないでくれよ? 俺は火・水・風・土全ての属性が使えるんだ」


「えっ?」


受付嬢は呆然としたが暫くすると大声は出さなかったが、かなり驚いた表情をしている。


「基本属性が全て使えるって宮廷魔術師のオリヴィエ様と同じじゃないですか!」


「嘘だと思うだろ? でもホントなんだぜ。なんなら確認してみるか?」


「いいえ、そんなことは致しませんよ。貴方がそうおっしゃるのであればそうなのでしょう」


「あっそう」


「では次にこの規約書を読んで一番下に名前を記入する欄がありますので、規約を読み終わったらサインしてください」


「はいよ」


受付嬢から渡された用紙に目を通した。


規約書には数百くらいの項目が書かれてて、全部読むのは流石にダルいので、覚えておいた方がいいと思った規約だけに目を通した。


その内容はというと



ギルドは、加入者側に一切の過失が無く、ギルドの側にのみ過失がある場合以外では一切の責任を負わない。


冒険者同士のトラブルで起こった損害などに対して一切の責任を負わない。


ギルド内での私闘は禁止。


ということだ。こんなところかな?




名前を記入する欄にサインして受付嬢に渡す。


「はい、確認しました。では次にギルドカードの発行です。この水晶に手を置いて下さい」


そう言いながら受付嬢は水晶玉を取り出した。


「この上に手を置けば良いのか?」


「はい、それで暫く時間が経てばギルドカードが発行されて、登録は完了となります」


「へぇ〜」


感心しながらも水晶の上に手を置くと、水晶が鈍く光り出した。このまま待てばいいんだな。


「……」


「……」


沈黙が空間を支配する。ヤバい、気まずい!


さり気なく後ろを見ると、ウィルとアンジェがいつの間にか消えてたので探してみると、喫茶店みたいな場所でデザートらしき物を食べてるウィルと、本を読んでるアンジェがいた。


顔を受付嬢の方に向けるとビクッとされた。何故に? ホワイ?


暇なので受付嬢の容姿でも説明しようか。


受付嬢は、見た目16、7歳くらいの女の子で、艶のあるオレンジ色の髪で髪型はなんと言えばいいのか、横に大きい2つ結び、後頭部に細くて長いツインテールみたいな感じにしている。


顔は若干幼さが残る顔立ちで整っており、アクアブルーの瞳の眼はパッチリとして大きく10人中9人が美少女と認めるレベルの子だ。胸は…それなりにあるからC〜Dくらいだろうか?


やっぱ異世界だからか、美男美少女率が高い気がする。


それにしても暇だな、まだ発行されないのか?


「あ、あの…」


「あん?」


「ひぃっ!? ご、ごめんなさい!」


「あ、ごめん、怖がらせるつもりはなかったんだ許してくれ」


暇だからぼーっとしてて、声を掛けられたもんだから、つい威圧的な返事をしてしまった。反省反省。


「い、いえこちらこそ、いきなり声をお掛けして申し訳ありません…えっと、もう水晶から手を離していいですよ」


そう言われて水晶を見ると既に鈍い輝きは消えていたので手を離した。


すると水晶から1枚の赤い金属質のカードが現れた。カードの左側には俺の顔写真とプロフィール、右側にランクと思われるアルファベットのFが何かの紋章らしきものの上に大きく刻まれていた。



====================

  氏名:コータロー・アサヒナ

  所属:アースガルド皇国

  性別:男

  年齢:25

  職業:魔法剣士

====================



これがギルドカードなのか。派手だな、でも俺的には気に入った。


しかし俺の名前はコウタロウであって、コータローとウの部分を伸ばさないんだが…まぁ、そういうものなんだろう。


「それがギルドカードとなります。冒険者はそのカードが身分証となりますので、無くさないようにして下さい」


「なんでこれが身分証代わりになるんだ?」


「それはこの水晶に手を触れた者の情報を読み取り、偽りが何1つないようにギルドカードを発行するからです」


「なるほど。発行に時間がかかったのはその為か」


どういう仕組みなんだろうな。


「尚、紛失した際には再発行出来ますがその場合、手数料が掛かりますのでご了承下さい」


「マジか、気をつけないとな」


「これで冒険者登録は終わりです。次に冒険者としてやっていく上での必要事項を説明しますね」


そう言って受付嬢は説明を始めた。





受付嬢の説明を纏めてみると、冒険者というのは簡単に言えば何でも屋みたいな物だ。


ギルドは冒険者の纏め役みたいなもので、冒険者に依頼を紹介する。


この国以外にも大抵の国や町にはギルドの支部が置かれてる。


ギルドは国家に属さず、独立した同業者組合の色合いを持っているらしい。


国家から独立しているということは、政治的にも独立しているのかね?


ギルドでは冒険者の実力を評価する為にFからSまでの7段階のランク付けを行っている。


冒険者として登録したばかりの人は皆Fランクからスタートだとのこと。


依頼にもその難易度によって冒険者と同じくFからSまでランク付けされており、例外を除いて冒険者自身より難易度の高い依頼はギルドとして斡旋してはいない。

 

つまり自分のランクがDランクなら、Dランクまでの仕事しか受けられないということだ。


例外としてはパーティーを組んでCランクの依頼を受ける時、半数以上がCランク、もしくはそれ以上であればEランクの奴がいても依頼は受けれる。まあ、悪く言ってしまえば寄生だな。


ランクを上げるには自分と同じランクの依頼を10件達成すれば1つあがる。その為慌ててランクアップしようと無理をして命を落とす奴が、結構いるらしい。


依頼を受注するには掲示板から受けたい依頼書を持って、カウンターへ出せば受注登録がされ、依頼を達成したらまたここに出せば報酬が支払われる。


もし依頼に失敗した時は特別な理由が無い限り、罰金を支払う事になるので、依頼を受注する際はよく考えないといけない。


罰金が幾らかになるかは依頼の内容や難易度を見てギルドが判断するらしい。


あと、依頼には期限というのがあって、それまでに達成できなかったり、何らかの事情で遂行が不可能になった場合でも依頼失敗と見なされ罰金を払う。


依頼には雑用・採集・討伐・護衛の4種類がある。簡単に言えば雑用は住民の我侭、採集は材料集め、討伐は魔物退治や盗賊等の犯罪を犯した奴を殺すこと、といっても犯罪者は騎士団の方で対処するから基本的に討伐依頼は魔物がメインだ。


で、護衛は国から国へ移動してる間、商人や貴族を魔物や盗賊団から守ることだな。


討伐依頼でドラゴン退治があると思ったらドラゴンは希少生物の為、余程の事がない限り討伐対象にはならないらしい。ファンタジーと言えばやっぱドラゴンが絡むと思ったのに。すごく…残念です…


尚、討伐依頼で討伐の証として魔物の体の一部、盗賊の場合は首を持ってくればいいらしい。討伐しに行く前に職員に聞けば、魔物の情報を教えてくれるとのこと。


そして採集した材料や魔物の素材は買い取りカウンターに持って行けば、査定して相応の金額で買い取ってくれる。また、ある程度の素材は上の階で売ってるみたいだ。


ちなみに個人的に誰かから受けた依頼、つまりギルドを介さない依頼について何らかの問題が起きた場合も冒険者ギルドは関与しない。自分のケツは自分で拭けということだ。


失敗ばかりしてるとランクが下がって、最悪の場合には冒険者登録が抹消されることもある。


そうなったらもう冒険者としてやってけず、再登録することも出来ないらしい。





「以上で説明は終わりです。何か質問はありますか?」


「もし仮にBランク相当の実力がある奴が登録しても、Fランクからということになるのか?」


「そうです。たとえどんなに実力があっても初めはFランクからになります」


「そりゃそうか、最初からAランクとかは出来っこないしな。ランクが上がるとなんか良い事とかあんの?」


「そうですねぇ、冒険者としてはDランク程度で一人前と言われています。Bランクであれば上級者と言われますし、二つ名が付きます」


二つ名なんてもので呼ばれる冒険者が居るのか。何処となく厨二病の香りがする。

 

◯◯殺しのジョーとか、黒剣のジャックとか、絶対そういう恥ずかしい名前に違いない。


「Aランクなら大概の人が尊敬の眼差しを向けてきますし、Sランクにもなれば勇者様方と同じ英雄扱いされますね」


「成る程、凄いな。今はSランクの冒険者は何人いるんだ?」


「現在では3人しかおりません。他に質問は?」


「ギルドカードを無くしたとして、それを第三者が拾って持ち歩いたままの場合はどうなるんだ?」


「それはギルドに申して下されば悪用される前に即座にギルドカードを消滅させ、その後再発行します」


「へぇーそんなことができるのか」


「ええ、その為再発行の手数料は少々高く付きますが」


「成る程。あ、依頼についてだけどもし何らかのイレギュラーが起きたり、討伐する魔物が情報とは違ったりしたらどうすんの?」


「その場合は出来るだけ戦ったりせずに即座に撤退して、ギルドへ報告して頂ければ迷惑料として依頼主から報酬の2倍を払わせて頂きます」


「なるほど。依頼中に不慮の事故で死亡した場合はどうすんだ?」

 

「その場合は違約金をギルドが負担します。ギルドでは、依頼ごとに予めそういった場合に備えて、手数料を前もって差し引いています。尚、複数の依頼を同時に受注することはできません」


「そうなのかー」


「他に質問はありますか? なければこれで終了となりますが」


「ああ、もう無いよ。分かりやすい説明で助かったぜ、ありがとう。もしよければ君の名前を聞いてもいいかな?」


「私ですか? 私はアンナ・ヴァレリーと言います。気軽にアンナと呼んで下さい」


「じゃあ、アンナちゃん。これからもよろしくたのむぜ」


「こちらこそよろしくお願いしますねコータローさん。冒険者ギルドは24時間開いてますので、何か疑問がありましたら、いつでも聞きにきてください」


「了解」


「それでは、これから頑張ってください。冒険者としての成功を願っています」


アンナは綺麗に言葉を締めくくった。


「こっちこそありがとう。アンナちゃんも頑張ってくれ」


アンナにお礼と励ましの言葉をかけてカウンターから離れた。

私はファ○ナル○ンタジーをやったことはありませんがあの鳥に乗ってる夢を見たのでつい、そう書きました。


あと通貨の金額は計算が面倒くさかったので適当なので悪しからず

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