審判者
掲載日:2026/10/15
(深夜の警察署の取調室)
「もうっ…誰がこんなに爪を切り続けてるんだよ!寝たいんだぞ!」
軟らかいマットの上で彼は寝返りを打ち、枕で耳を塞ぐ。しかしそれでも、一時の安らぎさえ得られない。
やがて、爪を切る音は止んだ。彼はようやくうつらうつらと眠りに落ちる。
だが、ぼんやりとした意識の中でも、ある怨念のこもった声が問いかけてくる。
「金庫はどこだ…」
(翌朝の取調室)
「どうだ?あの金庫の場所は」
「金庫は…陸橋の下に…」
「何だって?」警官は部下に行かせながら、疑い深く聞き返す。
「私…わかりません。何も言えません」
その時、同僚の警官が耳元に近づき、ささやく。
「見つかりました」
「ご苦労さま」
そう言って警官は立ち上がり、軽く犯人の肩を叩いた。
「終わったぞ」
淡々とした一言が、彼の解放を告げる。
事件全体が終結した。というより、これ以降は警察の担当ではない。
(廊下で)
「今回のAI取調は本当に使いやすかったね」
「そうだな。VRはコストもかからず、的を絞って使えるから手間もかからない。ただ、あの男は本当に手強かった」
「うん。後でお茶しよう。私がおごる」
「やったー!」




