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転入

「うーん⋯⋯疲れたあ」

「ほんとにねー。筆記実技、魔力量測定。ぶっ通しでやるとか、疲れるよね」


学園が用意した試験会場で、試験を無事受け終わった私達は、今帰りの馬車に揺られている。ゲームのストーリーでは簡単そうだったけどいざ実際にやってみると、これが難しいし疲れるわで、最悪だった。


「転入試験、どうなってると思う?」


リルカが聞く。


「うーん。どうだろ。魔力測定はまあまあだし、筆記も空き時間に勉強してたから、だいぶとけけどなあ。実技がやっぱ不安かも。やったことなかったしね」

「あー、わかる。本当緊張する。やば、どうしよう。合否発表、私だけ落ちてたりしないかな」

「あはは、流石にないってー」


馬車の中では、転入試験の話をずっとしていた。緊張とか不安とか言っておきながら、もう合格しているのはゲームの知識で知っているため、姉に合わせているだけだった。

こういうときにために、人に合わせられるようにしといてよかったなあと思う。



「⋯⋯っやった!!私達、二人とも合格だよ!!これで、学園に通えるし寮で暮らせるよ」

「本当だ!そっか、私学園に通えるんだ……」


大げさに喜んで見せる私と、まだ現実が信じられないのか感極まっているリルカ。

試験から3日後。合否発表があり、今日がちょうどその日なのだ。合否は二人まとめて一通の手紙が届く。そこに、〝リルカ・エルトメリ、ユリア・エルトメリ共に合格〟と記されていた。


「はあ、夢を見てるみたい」「現実って信じられないかも」なんて、リルカは一人言を呟いている。


◆◇◆ ◇◆◇


翌週、私とリルカはそれぞれの学年の教室の前にいた。

教室から、担任の声が聞こえる。


「この度、我が王立ライツスター学園に転入生が来ます。皆さん、拍手で迎えましょう。では、エルトメリさん。はいってきてください」


先生がそう言うと、私はそっとドアを開け教室の中に入っていった。


「⋯⋯」


あ、やば。私どうしよう。何も言えない。口を開けているのに声が、出てこない。ずっと、口をパクパクと動かしているだけ。なんで?なんで出ないの。いやだ。いやだいやだいやだ。怖い。


「はあ、どうしたんですか。もういいです」


転入初っ端、私は先生に飽きられた。

⋯⋯私は、こうみえて、結構人前で話すのが苦手な方だ。生徒の視線が私に向く。うん、見られてる。恐怖だわ。


「では、エルトメリさん。席はあちらの一番うしろの席の窓際です」


不安感に頭を支配されながら私は、先生に促されるがまま席へ向かう。そして、席に着席する。横の子を見ようと視線を正面からずらす。


「よろしくね。ユリアちゃん。隣の席のアルネ・ビンズイオンです」


そういって、私に話しかけてきたのは、私の横に座っていた濃い赤茶色の髪に、吸い込まれるような透き通った翡翠の目をした女の子だった。


すみません!10日と11日のお昼ごろまで発熱で投稿できませんでした!!

次回は3月12日です

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