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BLUE AI  作者: 七星北斗
3/3

2.猫部長飛ぶ。


 位置的に逆光が眩しく、

視覚センサーにズレが出る。


「ニャン(どうだい、このイワシ。

立派だとは思わないかい?)」


「ワン(確かに大きい!)」


「にゃ~ご(人間は、我らの奴隷なんだ。

だからこうして、定期的な貢ぎものを

献上するのだ)」


「ワン?(人間が猫の奴隷?)」


「ニャンニャン(いずれ、この星は

我々が支配する)」


「ワンワン(信じられない…)」


「にゃーん(信じられないかい?

もうすぐ、我らの作戦が決行される)」


「ワン?(作戦って?)」


 僕は、ゴクリと唾を飲んだ。

いったい何が!?


コルの顔面ディスプレイは、

赤い表情エモーションで、

理解不能とクエスチョンが

浮かんでいた。


「ごろにゃーん(その名も、

マタタビ撃退作戦)」


「バウッ?(マタタビってなに?)」


「にゃーん(我々、唯一の弱点さ。

そのマタタビを、克服するのだよ)」


「(((^_^;)(マタタビとは、ある器官を通ることで、

人間が酔っぱらったときのような状態に近い姿に、

猫を変える薬用植物です!)」


「ワーン?(よくわからないけど?

植物って、とっても強いんだね!)」


「にゃんにゃん(あれこそ人間の最終兵器、

最後の防波堤とみた)」


「( ̄▽ ̄;)(マタタビは、

兵器ではないのですが…)」


 猫部長は、自信たっぷりに

ドヤ顔を決める。


「バウ?(あれはなんだろう?)」


 僕は、不思議な匂いに誘われ、

ベンチの下に顔を突っ込み、

小さなパックのような?物を見つける。


「わふわふ(なんだか、

とってもいい匂いがするよ♪

食べ物かな?)」


「!Σ( ̄□ ̄;)(絶対に食べてはいけません!)」


「ご、ごごろにゃ~ん(この香りは!)」


 猫部長は、ベンチから飛び立った。

一体どうしたんだろ?

 ゴロゴロ地面を転がる猫部長、

イワシは砂を被る。


「にゃわ、にゃわーん(さ、作戦失敗。

克服ならず~)」


「(^_^;(こうしてみると、

ただの猫ですね)」


 呆れ半分、こうなるだろうと、

予想通りというか。


「ワンワン(猫部長楽しそう、

僕も真似する)」


 ベルと猫部長をじっと眺め、

私もちょっと混ざってみたくなったり…

きっと気の迷いのようです。


「ごろごろにゃ~(姑息な人間め、

ベンチの下に罠を置くとは、

卑怯なり。次こそは…)」 


 マタタビは、猫を狂わせる。

猫は、人間を狂わせる。

人間は、人間を狂わせる。

そして、狂気は時に、世界を回す。


 コルとベルは、北斗を狂わせる。

そのズレを、北斗は愛してくれる。

 北斗は、コルとベルを大事にしてくれる。

だから応えたくなる。


 地面を転がる犬と猫、

今日も平和のようです。

 赤い表情エモーションを向ける場所は、

どこか遠くを見る。


「(  ̄- ̄)(任務を忘れるところでした)

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