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BLUE AI  作者: 七星北斗
1/3

~プロローグ~ 犬とAI me


 ガチャリと鍵を回し、ドアを開ける。


 無機質な玄関に「ただいま~」っと

声が響いた。「( =^ω^)お帰りなさい、北斗」

相棒のAIロボット『コル』の応答が、

居間から返ってくる。


 AIロボットの顔面ディスプレイには、

青色の表情エモーションが浮かんでいた。


「(T_T)昨日よりも、5分遅いです」


「ごめんね、電車混んでて」


 私は靴を綺麗に並べ、

コルの頭を撫でると、

表情エモーションが

少しばかり和らぐ。


 二人の間に割り込むように、

タッタッタと軽やかな音を立てる黒い影。

足元に駆け寄ってきたのは、

ブルドックのベルだ。


「バウッ!!『お帰り~』」


「ただいま~、ベル。

今日も暑いね」


 ベルの顎を撫でると、

つぶらな瞳をキラキラさせながら、

じっとこちらを見つめてくる。



 コルは、荷物を回収しながら、

どこか、羨ましそうな目つき。


「( ̄▽ ̄)北斗、

炭酸いちごミルクが冷えていますよ」


 暑さに対する労いと、

構ってほしさが、どこか見え隠れする。


「やったー、ありがと。実はね、私も

充電缶、買っといたんだ」


 炭酸ジュースにウキウキしながら、

洗濯物かごに服を突っ込む。

 居間のテーブルには、コルお手製の

暑い夏にピッタリな、麻婆茄子と素麺が

並んでいる。


 冷蔵庫から炭酸ジュースを取り出し、

表面の水滴に触れる。そのひんやりした冷たさが、

愛おしく感じる今日この頃。


「うん、冷えてる」


「(^ー^)では、乾杯しましょう」 


 今度はベルの視点が、

飲み物を捉える。物欲しげに

自分の分は?と、足元を彷徨く。


「忘れてた、ごめんね。

ベルには、よく冷えたミルクを」


 ミルクを並々に注ぎ、

容器をベルの前に差し出す。


「かんぱーい」


「(^_^)/□☆□\(^_^)乾杯」


「ワオーンッ(カンパイッ)」


 ちびちび充電缶を飲むコル、

容器をペロペロと舐めてるベル、

ごくごくっ、ジュースを飲む私。


「しみるーわぁ」


「( ̄ー ̄)ききますね、これ」


「ワンワォーン(これは、

高級ミルク!)」


 ベルは、ミルクを舐めながら、

チラチラとこちらの様子を伺う。


「ワンワン(舐めるから、もっと見て)」


 美味しそうに飲んでるね、

私もそろそろ「いただきます」。


「( ̄ー ̄)おあがりなさい、北斗」


 網戸からは、緩やかな風が入ってくる。

風鈴が微かな音を立て、涼しさを感じる。

コルも、心地良さそうに、充電缶をあおっていた。


 箸を握り、ミョウガ入りの素麺に

つゆをつけ、一気に啜る。

 つゆの甘しょっぱさ、

氷で冷えた麺の相乗効果で、

やはり素麺は、うまい。


 コルにグッドサインを送ると、

してやったりな、表情エモーションが

返ってきた。



 今年の夏も暑い。

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