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44. 天使は微笑む


「そんなに自分を卑下にしないでくれ」


俺はコリスを抱きしめた。


コリスはわけがわからないと言った様子で顔を赤くして困惑しているが、俺が抱きしめた腕を離すことはない。


「あのな」


俺は一度深呼吸をして話し出す。


「あのときの俺はひどく焦燥していた。ほんとうに世界には絶望しかないって思ってたよ。何もかもが灰色に見えてさ」


あのときの俺は世界に希望なんか見出していなかった。


ただ食べて、ただ動いて、ただ寝る。


そんな生産性も意味もない行為を繰り返し、幼いながらに生きる意味などを考えたものだ。


「でも、お前と、コリスと話す時間は輝いてた。きっと他人からしたら何気ない日常だったんだろうが、ずっと暗いところにいた俺からしたら、眩しすぎて目を背けたくなるほど眩しかったんだ」


時間が過ぎるに連れ、当時の記憶が蘇ってくる。


あのときの俺は..........楽しいと感じていたんだ。


コリスと話したり。


図書室で勉強したり。


ただただ同じ空間にいるだけで、コリスは俺の救いだった。


言うなればあの図書室は、コリスと過ごした日々は、家という名の地獄にいた俺にとっての楽園だったんだ。


俺が笑顔を失わなかったのも、今こうして笑えているのも、全部全部コリスという友がいたからあるものだ。


だからそれを悔しいだなんて思わないでほしい。救えなかっただなんて後悔しないでほしい。


あのときのコリスはちゃんと俺のことを救えていて。


俺はちゃんと今こうやって笑えていて。


コリスと過ごした時間は俺のかけがえのない時間なのだから。


「俺はコリスに救われたよ。何度も何度も。本当に数え切れないくらい」


コリスの目に、少しずつ涙が溜まっていく。


それは今までのコリスの後悔を、苦悩を表しているようだった。


「コリスのお陰で俺は今ここに立ってる。コリスのお陰でこうして心から笑えてる」


ひとつひとつ、しっかりと大切に、俺は言葉を紡いでゆく。


過去の恩人に、しっかりと伝わるように。


「私.........綾斗くんを救えた?私..........ちゃんと綾斗くんの役に立ててたかなぁ?」


コリスはポロポロとそのクリクリとした愛らしい目から涙をこぼし、嗚咽をこぼしながらもいってくる。


「役に立つだなんて、そんな道具みたいなことを言うな。お前は俺の大切な人だよ」


気恥ずかしい。


正直顔が真っ赤になりそうだ。


でも、そんなことで顔をそらしたりなんかしない。


「うん..........うん.......うん..........!」


コリスはうつむき涙を流しながら頷く。


周りの人が何事かと見てきているが、もうそんなものは視界に入らない。


好きなだけ見ればいいじゃないか。


お前らのことなんてどうでもいい。


「コリス」


俺が名を呼ぶと、コリスは顔を上げた。


「まだ昼だぞ。今日は遊ぶんだろ?そうだなぁ、カラオケでも行こうぜ!」


「.......うん!」


コリスはそれから、さっきのが嘘のように夕方まで歌い続けていた。


◆ ◆ ◆


「はー楽しかった〜!」


「うん!」


夕方6時。


この時間まで歌い続けた俺達は、赤く染まる空のもと、家に帰っていた。


コリスは、最初にあったおどおどとした印象は消えており、清々しい空気を感じる。


きっと、俺に罪悪感的なものがあったのだろう。


実際のところ、その必要はなかったわけだが。


「やべぇな。歌いすぎて喉痛いまである」


がらがらになった声に笑いながら、俺は喉をさすった。


「綾斗くん!」


コリスは急に立ち止まって、コリスにしてはかなり大きな声で俺を呼ぶ。


「どうした」


そういって振り返った俺の目には、夕焼けのせいか、はたまたどうなのかわからない顔の赤いコリスが写っていた。


「私、これからも綾斗くんのそばにいてもいい?」


コリスは少し上目遣いで心配そうな目をしながらも俺に言う。


「もちろんだよ。むしろ俺からお願いしたいくらいだ」


そうして俺は、無意識のうちにコリスの頭に手をおいた。


「今笑えてるっていってもな。あのときの嫌な気持ちが、記憶が、すべて消えたわけじゃない」


あのときから俺のことを思い続けてくれていた少女の顔が、なんだかとても愛おしい。


「いまでも思い出すことなんて頻繁にある。でも.............」


俺はコリスの頭をなでながら言った。


「コリスと過ごしていた今日の時間は、何も思い出さず心から楽しく遊べたんだ。だから.........」


コリスの恥ずかしそうな顔にまっすぐと向き合い、俺はその言葉を口にした。


「自分勝手だけどさ、これからも俺のそばで俺のことを..........その、支えてくれないか?」


俺は、流石に恥ずかしさのあまり目を背けてしまった。


コリスは驚いたような反応を見せ、固まっていたが、やがてゆっくりと口を開いた。


「うん!」

いやー小動物系って好きなんだ。

オレノカノジョモショウドウブツケイダシネ。ドヤ。

というわけでそろそろ夏休みも迫ってきたけどみんな予定はあるかい?

俺は、遊んで遊んで将棋の大会とか行くくらいしか決まってないね。

勉強?ないそれ美味しいの?


ということで(?)ブクマと評価よろ〜

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