43. 過去から舞い降りし天使
「綾斗くん。私とあったことない?」
「え?」
え?
俺は一瞬、いや十秒くらいだったかもしれない。
脳と身体がフリーズした状態でコリスを見つめていた。
俺とコリスが.........?
どこかで..........?
中野 コリス..................
うん、聞き覚えがないな。
「小学生の頃、覚えて......ない?」
小学生小学生しょうがくせい.............
あの頃のことは殆ど覚えていない。
一番つらい......記憶だったから。
それでも俺は記憶の中を探る。
俺はもうあのときの俺ではない。
好き放題言われてなにも否定せずに傷ついていただけの俺じゃない。
そうして探った記憶の中に、心当たり.........というには弱すぎるかもしれないが、ぼんやりと手に触れるものがあった。
「小学生、隣の席、図書室、女の子.........」
俺が苦しそうに記憶を掘り起こしていると、それに気づいたコリスは慌てたように言った。
「ごめんね!嫌な記憶を思い出させてしまって........」
コリスはしょぼんと顔文字みたいな顔でうつむいた。
俺はそこまで気にしていない、と言おうとしたが想像以上に答えていたのか、言葉を出す余裕がなかった。
「綾斗くん」
コリスはしばらく顔文字のままだったが、しばらくして我に返ると真剣な顔をして話し始めた。
「私は............あなたを救えなかった」
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当時の私は小学5年生。
私と綾斗くんは同じクラスだった。
正直、小学5年生まで接点という接点はなかった。
たまたま廊下で見かける程度で、第一印象は目が死んでいる人だったのを今でも覚えている。
そんなある日、席替えで私と綾斗くんは隣の席になった。
ただ、隣の席になったからと言って急に変わるものでもなく、ただただ会話の回数が0から1,2回に増えた程度である。
私の友達は、私が綾斗くんの隣になったと知るや否や
「古賀くんって不気味だしなんか怖いから近づかないほうがいいよ」
と、忠告して来た。
でも、私にはどうしてもそんなふうに思えなかった。
ミステリアスな雰囲気の彼に、私は興味を惹かれていた。
もちろん単純な興味だ。
恋心とかではない。
そんな中で、私は最初の死んだ目をした人という印象を少しずつ改めていった。
別に彼が私に何かをしてくれたわけではない。
でも、見ていればわかるのだ。
ノートを丁寧にめくって、きれいに整頓する姿。
本人も気づいていない落ちたプリントを気づかれずに拾ってあげる姿。
当時いじめを受けていた子の隠された教科書をこっそり戻してあげたりとか。
彼の行動一つ一つから優しさがにじみ出ていた。
だから私が彼に接するのも時間の問題だったのだ。
◆ ◆ ◆
それから彼に興味を持った私は、積極的に彼に話しかけていた。
友達からはやめておけと何回求められたけれど、私の見てきたことは全部本当だから怖がる必要はない。
彼は最初こそ塩対応だったものの、徐々に心をひらいてくれたのか少しずつ会話をする時間が長くなっていて、私はそれを楽しいと感じていた。
それから、彼の状況について少し聞いた。
家庭の事情でひどく焦燥していること。
家に帰りたくなくて放課後はいつも図書室で時間を潰していたこと。
あまり人を信用できないこと。
それを聞いた日から、私は彼を救いたいと思うようになった。
といっても具体的に何をするでもなく、一緒に図書室で勉強をしたり、一緒に帰ったりする、そんな踏み込みすぎず、でも離れずのスタンスで私は彼を支えた。
そんな日々はなんだかんだ約2年間続いた。
しかし、うちの小学校から中学校に上がる際、校区的に同じ中学校に行くはずだったのだが、そこを皮切りにもともと中が良くなかった両親が離婚したため、母方の実家に引っ越すことになったのだ。
そのため、校区が変わってしまい彼と同じ学校に通うことができなくなって当時は相当へこんだものだ。
きっと私は、その時からもう............
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そんなわけで、高校になり近くの高校を選んだ結果............
「綾斗くんと......一緒のクラスに......なったの」
なるほど、あのときの........
思い出した。
あのとき、オレの心を保つのに貢献してくれた人だ。
中学になっても色々なことがあったので、あまり気にかけることができなかったが、彼女に当時の俺は本当に救われた。
彼女がいなければとうにオレの心は壊れていたことだろう。
こうして様々な人にあって接してみると、あのときの俺がどれだけの人に救われていたのか実感が湧いてきた。
きっと俺が覚えていないだけでもっといるだろう。
もし気づいたら、その人にはそれ相応のお礼をしていかないとな。
するとコリスが話し出す。
「私、悔しかったんだ.........。私は綾斗くんのことをちゃんと救えなかったのに今の綾斗くんはとっても楽しそうだから」
「...............」
「でも」
と、コリスは俺の方を向き笑顔を見せる。
「それと同時に嬉しかった!あのときの綾斗くんは見てられないくらい痛々しくて..........だから今笑えてるのがとってもうれしい!」
何を言ってるんだ。
それが素直な感想だった。
悔しい?俺のことを?救えなかった?
ばかばかしい。
コリスと遥斗たちがしたことなんて大差ない。
ただタイミングなんだ。
コリスが支えてくれたのがそういう時期だったってだけ。
だから...........
「自分をそんなに卑下にしないでくれ」
俺はコリスを抱きしめた。
投稿が遅れちゃって大変申し訳無い。
忘れてたけど土曜にも模試があったんでそれでバタバタしてて(泣)
まあ、ということで今日から投稿再開!
ちなみに今週の週末ゲームのオフ会するんだぁ。
ん?相手はもちろん女子だよ?
何疑ってるの?
大丈夫だって〜ボイチャで話してたし。
両生類?僕知らない。




