36. 夏休みといえば..........
『海だ〜!!』
俺達一行は今日、海に来ている。
現在学校は絶賛夏休み。
去年は家にこもっていた日々だったのに、今年は外に出てない日はないレベルだ。
ジリジリと太陽が俺の肌を焼く。
海は日光が反射してキラキラと光り、こちらへ吹く風が気持ちいい。
あたりには人が見られるが、決して多いというわけではない。
ここは俺達の街に接しており、俺達地元民が主に使っているビーチなのである。
そのため、人がごった返す、なんてことはなく、安心して遊べる地元民憩いの場なのである。
「結!砂の城作るわよ!」
「ラジャ!灯隊長!」
灯と結は早速砂のお城を作り始めた。
服装紹介をしておくと、灯は肌の露出が多い白色のビキニ。
結は、フリルのついたピンクの水着である。
どっちももってるもん持ってるだけあって.......その.......エッッッッッッッッッッである。
てか君たちどんだけ好きなんお城...........
そんなふうに俺が呆れていると、俺の腕を引っ張る2つの存在が。
「先輩先輩!沖まで行きましょう沖まで!」
「綾斗さん。あっちに屋台があるそうなのですが行きませんか?」
我がグループの誇る元気ばかと食いしんぼうバカである。
日向はまさかの競泳水着。
こいつ、ガチで泳ぎに来てやがる。さすがスポーツマン。
夢は、スカートのようなフリルのついた、全身を覆うタイプの水着である。
露出は少なめだけど、なんかそれが逆に..........
おっと。失敬失敬。
ちなみに、日向は日焼け止めを塗るのを断固拒否していたのだが..........
『俺、日焼けしてる人ってあんま好きじゃないんだよな』
そういった途端に目の色を変えて日焼け止めを塗り始めた。
ま、俺は正直日焼けしてようがしてまいが関係ないと思うけど。
そんなわけで俺は2人に腕を引っ張られていたのだが。
「じゃあ、間を取ってお兄ちゃんは私とビーチバレーしよ?」
そこに望海が加わる。
望海は、結とほぼ同じだが、色は黄色と明るめである。
ああ、もうすでにカオスである。
どことどこの間だよ、っていうツッコミを忘れてしまうくらいには。
「ちょっと3人とも〜。綾斗くんが困ってるでしょ」
「真希さん...............!」
そこへ天使の羽をはやした天使が降りてきた。
マイエンジェル真希さんである。
真希さんは黒いマイクロビキニという、大人っぽくて破壊力がすごい水着だ。
正直鼻血ものである。
今すぐにでもその体を.........
おっといけないいけない。
そんなことを俺が考えている中、真希さんは、光を放ちながら言った。
「はあはあ、いいから出してるわね、綾斗くん。みんな、綾斗くんは今から私と岩陰で........♥」
自分で自分の方を抱くように真希さんは言う。
ごめん。
天使じゃなくて悪魔だったわ。
放ってるの、黒い光.......というかオーラだったわ。
そんな真希さんの主張を聞いてほかのアホも次々騒ぎ出す。
収集がつかなくなりそうだと感じた俺は、みんなで一個一個回るということで納得してもらえた。
なお、若干1名、岩陰を却下されて不服そうだったが。
◆ ◆ ◆
お昼時。
俺達はみんなで集まってご飯を食べる。
焼きそばだ。
定番ではあるが、いや定番だからこそこういうときに食うのが一番おいしいのだ。
とりあえず沖まで泳いでビーチバレーをしたので、ここで昼食を取れば一旦達成である。
ちょっと。
真希さん不服そうな目をしないでください。
そんな真希さんの子犬のような目を猫の心で無視して.........猫だったら何も考えずに無視しそうだな。
俺は砂場を見る。
「すげえな」
俺の視線の先にあるのは.........
「すごいわねぇ」
「写真写真!」
「こんな細かいところまで.........天才なのか?」
例のお城である。
相変わらずすごい城は、林間学校のときよりも進化しており、まるで海外の観光客のように地元の人たちが写真を取っている。
灯と結は誇らしげだ。
本当に地味な特技だね。
「それはそうと、会長は何をしてたんですか?」
そう。
もちろんこの集まりには会長もいる。
だが、さっきは一度も見かけなかったので、何をしていたのか純粋に気になった。
「いい、いや?そ、そう!屋台を散策していたんだ!」
会長は、慌てた様子を隠すこともできずに吐いた。
明らかになにか隠している。
(い、言えるわけない..........)
美玲は内心ものすごく慌てていた。
そして恥ずかしがっていた。
(綾斗の体がエロすぎて、さっきまでその.......トイレでし、おっと危ない危ない。このままでは15禁どころか18禁にすら引っかかってしまうところだった)
そんなふうに思いながらもじもじとする会長を見て綾斗は............
(お腹痛かったのかな?)
と、たいそう鈍感を発動させていたそうな。
その話はすぐに終わった。
というか会長が圧で終わらせた。
「いやー、でも結構疲れたな。これから休憩がてら日光浴でも..........」
「何言ってるんですか!次は競争ですよ!もちろん沖まで!」
「何言ってるの。ビーチバレーの続きをするの」
「やっぱり岩陰で..........うへへ」
どうやら今日、俺に安寧は訪れないらしい。




