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34. 久しぶりの真希さん回


あたりにはお上品なまるでアニメの中のような景色。


芸術性の高そうな絵画に明らかに値段がする花瓶。


上を見上げれば、とても大きくきれいなシャンデリアがあたりを照らしている。


そしてその中心にあるテーブルに座ってお茶を飲む人物。


超頭の良い天才、すなわち俺。


と、友達の親で恋人候補でもある、煌喜 真希である。


「ッ!これ美味しいですね。生チョコってやつですか?」


「ええ。この前取引先の人にもらったのよ」


どうしてこうなったのかって?


まあ理由は単純で、最近あやふやになっていた綾斗当番制だが、真希さんはしっかりと覚えていたらしく、今日は一応真希さんの日なので真希さんの家に来ているというわけである。


ちなみにだが夢は邪魔したいけど悪いということで日向とテニスに行った。


なんていい子なんだまったく(泣)


お父さんうれしいぞ〜。


とまあそんなわけで。


夢が日向に潰されないか心配しながら俺は優雅にお茶を楽しんでいるというわけである。


俺はチラッと真希さんを見る。


相変わらず俺好みの容姿をしているよなあ。


肩まで伸びた光沢のある黒髪。


少し凛とした顔立ちは、好きなものの前ではだらしなく崩れることを俺は知っている。


服は相変わらずスーツに似た格好。


本人曰く、


「おばさんがおしゃれしても意味ないでしょう?」


とのこと。


そんなことはない。


というかそれが今日の俺の目的だったりもする。


「そういえば真希さんって仕事ない日は普段何をしているんですか?」


俺はふと思った疑問を口にする。


俺は真希さんのことについてあまり知らない。


性格とかはだいぶわかってきたと思うんだけど、何が好きーとか何してるーとかはあまり知らない。


「そうねぇ。まあ、よくやるのは映画鑑賞とジグソーパズルかしら」


おおう。


なかなかに意外かもしれない。


運動とかやってそうなイメージだったんだけどごりごりインドアだったわ。


「へ〜。いいですね映画鑑賞。俺も結構好きなんですよ」


かく言う俺も意外に映画は好きだ。


わざわざ映画館に行くほどではないが、テレビで録画したりしてるやつをまあまあ見たりする。


まあ、大体アニメ系だけど。


そう俺が言うと真希さんは顔を輝かせる。


「じゃあ、今から見ない!?」


すげー。


あの真希さんが食気味に.............


レア真希さんだ。


「ええ、そうしましょう。どこで見ますか?映画館?」


時刻はまだ10時。


映画館に行くのも悪くない。


買い物もできるしね。


「いえ、ここで見ましょう?」


そういって真希さんは立ち上がる。


広い家だからリビングにはテレビがおいていないから、ある部屋に行くのだろうか。


にしても真希さんはお家鑑賞派かぁ。


なんか聞けば聞くほど意外だな。


そう思いながら、俺は真希さんの後をついていく。


ん?


なんかこの廊下妙に長くない?


そう思いながら歩いていくと突き当りにドアが。


真希さんがそれを開ける。


その先の光景を見て、俺は言葉を失った。


「え、映画館..............」


そう。


そこにあったのは。


紛れもない映画館だったのだ。


◆ ◆ ◆


「綾斗クーン」


「なんですか?」


「手繋いでもい〜い?」


「もちろんどうぞ」


「えへへ〜」


かわよ。


そんなわけで、俺と真希さんは映画館で映画を見ていた。


といっても煌喜家敷地内だけど。


家の中に映画館って........ねぇ?


曰く、夢も映画が好きらしく、可愛い娘に喜んでもらえるようにと立てたらしい。


うん。発想がわからん。


まあまあな、それこそ普通に映画館と同じ広さで同じ客席あるこの映画館で、俺と真希さんは2人きり。


当然何も起こらないはずもなく............


「綾斗くん。腕絡ませていい?」


「綾斗くん。ギューってして?」


「綾斗くん。あのセリフ耳元で囁いてくれない?」


「綾斗く〜ん♪」


真希さんの甘えん坊の暴走が収まりません。


めちゃかわいいけど。


まあいっか。かわいいし。


俺が真希さんの頭をなでてあげると、真希さんは猫なで声をあげる。


諸君、いまおばさんがそれはきついって思ったね?


でも、真希さんはまだ30代前半。


というか20代前半でも通用する美貌を持っている。


舐めてもらっては困る。


お前ら一回見てみろよ。


飛ぶぞ。


そんなわけで俺は真希さんを甘やかし続けた。

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