23. もうすぐ出発
「でもなんで俺達の班に?」
コリスが俺達の班に入りたい理由は何なのだろうかという疑問を、俺は正直にぶつけた。
するとコリスは、少しオドオドしながらもはっきりと俺の目を見ていった。
「私、ま、前々から、その......みなさんと、仲良くなりたいって、おも、てて。」
ふうむ。なるほどなるほど..........
つまり美人な灯たちと仲良くなりたいってことだな!
だったらこの古賀 綾斗。一肌脱いでやりますかぁ。
「よし!コリスとみんなの橋渡し役を、俺は全うするぜ!」
「ジトーーー..........。」
うん?なんだかコリスがじっと俺を見つめているぞ?なんか頬も膨らんでいる気がするし。本当にリスみたいだぞ?
「あんたってほんとに........。」
「まあ、これが綾ちゃんだから......」
「そういうところも魅力的だと私は思いますわよ♪」
こらこら。3人まで俺にかわいそうなものを見るような目を向けるんじゃありません。泣いちゃうよ?なんのことかはしらんけど。
そんなこんなしていると、周りではほとんど班が出来上がっていた。
友達となれて嬉しそうなやつや女の子といっしょで緊張しているやつ。逆に望んだ班じゃなくて残念そうなやつもちらほら見られる。
あと残っているのは男子とコリスのみ。
流石に男子ばかりの班にコリスを置くのも気が引けるし.......。
なによりあのあまり組、オタク集団だしなぁ。
別にオタクがダメとか軽蔑しているわけじゃないよ?でもコリスとは合わなそうだなぁって思っただけ。だから.........
「こほん。まあとにかく俺としてはコリスを歓迎するよ。みんなはどう?」
さすがに俺の一存だけでは決められないので、一応みんなに確認を取る。
「なんか強敵の予感........」
「頑張らなくちゃ......」
「私は負けませんわ...........」
なにやらブツブツ言っているみたいだが、みんなの答えはイエス。
ということで、うちの班にコリスが加わることが決定した。
◆ ◆ ◆
次の週の火曜日になった。今日は林間学校が始まる日である。
「いい天気だな。」
「そうだね。」
天気は快晴。まさに林間学校日和である。
いや林間学校日和とは........
まあ、そんな冗談はさておき、この日が来るまでの約一週間はかなり早めに物事が進んでいった。
これは、苦しいことをしているときに時間が過ぎるのが遅いのの逆バージョンだろうか。
いつもならだるいと思っていた授業がまばたきをする間に終わったり.........それはもり過ぎか。
ともかく、この一週間は今日、この日のために会ったと言っても過言ではない。
この快晴も、きっと我々の日々の努力を神々が見てくれていた証拠だろう。
周りの生徒達もすでにお祭り気分。
友達と馬鹿やっているものもいれば、浮かれていつもは落ち着いているのにはしゃいでるやつもいる。
正直俺も気を抜いたらスキップして空に飛んでいってしまいそうだ。
「ほらー。みんなバスにのれー。」
先生が生徒たちを先導していく。ここから2時間はバスの旅になる。
ただ、もうカラオケ大会が行われることが決まっているうちのクラスは、その2時間を窮屈に感じることはない。むしろ楽しみなくらいだ。
「綾斗。」
バスに乗り込もうとしていると、背中から声がかかった。灯だ。
「なんだ?」
そういうと、灯は俺の横を通り過ぎる。
その瞬間、俺は背中にゾクッとしたものを感じた。
その理由は........
『覚悟しておいてよね。』
艶めかしいような、そういう気持ちにさせるような、そんな声。
このときの俺には、これから起こる様々な出来事を知る由もなかった。
ブクマと評価まじでして!モチベ上がるからぁ。
最近英検を英語検定の略称だと知ったwww。




