2. 新しいクラス
自分にしてはちょっと長いかもです。
これからこの長さにしていくかも?
あとがきに大事なお知らせあります。
俺達の高校は、私立煌喜高等学校という。
丘の上に立っていて見晴らしが良く絶景だが、登校時に毎回通る坂道が、ちょっとネックだったりする。県内でも有名でそこそこ偏差値も高い。だから俺は、勉強についていくのが割と大変だったりする。
「お、新しいクラス貼られてるな。どれどれ........。」
遥斗が人混みをかきわけて一番にクラス分けの紙を見る。
今年はどんなクラスなんだろうか。
「おー、綾斗は俺と一緒のクラスだぜ。あっ、結の名前もある。みんな同じだな!」
どうやら俺達全員同じクラスらしい。正直結構嬉しい。あんまり友だちを作るのが得意ってわけじゃないし。からかわれるから絶対に声に出しては言わないけど。
「やった、やった!綾ちゃんと一緒だ!」
結が小声でなにか言っている。きっと3人一緒になれて、喜んでいるのだろう。かわいい奴め。
俺も前に出てクラス表を見る。見た感じ、他にも知り合いが何人かいるようだ。
ひととおりクラス表に目を通して、俺達は教室へと向かう。
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ホームルームが始まった。
担任は優しいことで有名な、アタリ先生である、山本先生だった。
優しくて、相談などを親身に聞いてくれるし、勉強の教え方もうまい。数学の先生なのだが、俺は一年のときに、残って勉強したりしてずいぶんとお世話になったものだ。
その日は朝の全校集会に学年集会、大掃除などめんどくさい行事が多々会ったが、思ったよりも時間の流れが早く、あっという間にホームルームの時間になった。
新クラス一発目のホームルーム。
皆さんお察しの通り、最初にして最大のボス。そう。自己紹介の時間である。
しかもなんと形式は、コミュ障には厳しい立って自分から行くタイプ。
あまり初対面が得意じゃない俺からしても、なかなかにきつい。今すぐ帰って布団にダイブしたい。
そうして、地獄の自己紹介が始まった。
「よう、綾斗。」
みんなが友達を作ろうと躍起になっている中、遥斗たちと時間を潰そうかと考えている俺の後方から聞こえた少しドスの聞いた声。声を聞いただけでわかる。こんな声でなおかつ俺に話しかけてくるやつといえば一人しかいないからな。
「よう、一樹。」
海道 一樹。中学からの付き合いで、幼馴染二人についで仲の良い友達。ガタイが良くて、いかにも不良ですって顔をしている。まあ実際不良みたいなもんだけど。
「今年も同じクラスだな。よろしくたのむ。」
「ああ、こちらこそ。」
こんな見た目をしているが、なかなかにいいやつである。見た目の割には。割には。
そんなこんなで海道と話をしていると........
「「やっほー(ごきげんよう)、綾斗ー(綾斗さん)。」」
「「は?」」
おーっと新クラス一発目のホームルームでもはや学園の名物であるふたりのいざこざをみるとは。運がいいのか悪いのか。
彼女らの名前は、鷹月 灯と煌喜 夢。
鷹月 灯。去年俺と同じクラス。12回あった席替えのうち、脅威の9回隣という奇跡を起こした張本人。それだけ近くにいたということもあって、今では二人で遊びに行ったりする中である。去年は色々あったが、クラス内では、明るくて気が使えるギャルとして、クラスカーストトップに位置していたのに、俺みたいな日陰者に話しかける物好きでもある。
そして煌喜 夢。俺と同じテニス部に所属している。名字を見てわかった人もいるかもしれないが、母親がこの学校の理事長をしていて、社長もしている。それもあってか、非常に可愛い容姿をしていながら、あまりモテていないし、友達も多くない。金目当てのやつが多いし、そのせいもあって軽い人間不信なのだ。ちなみに俺の想像だが、俺に対しては友達くらいは信用してくれていると思う。
「あんた何言葉かぶせてきてんのよ。このポンコツお嬢様!」
「ふん。かぶせてきたのはそっちでしょう?このビッチギャル!」
「誰がビッチギャルよ!」
「こっちのセリフですわ!」
「ぐぬぬぬ」
「ぐぬぬぬ」
見てわかる通り、こいつらは仲が悪い。喧嘩するほど仲が良いと言うなら、最高に仲が良いと言えるだろう。こいつら、顔を合わせるたびに喧嘩してるわけじゃないよな?こいつらがあって仲良くしているところを、俺は見たことがない。他人に迷惑をかけてないといいんだが。非常に心配だ。
「まあまあ、二人とも落ち着けよ......。」
「綾斗がそういうなら......。」
「綾斗さんがそういうのでしたら.....。」
こうやって二人の仲介をするのは、いつも俺の役目だ。まあ俺が言うとだいだい矛を収めてくれるのだが.....。正直、だったら最初から喧嘩しないでほしい。
そんなわけで、ぎゃあぎゃあ言っているうちに、自己紹介タイムが終了した。助かった〜。二人に少し感謝だな。
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下校時間になった。
ちなみに今一緒に帰っているのは、遥斗と結だけである。
本当は他の3人も、帰りは同じ方向なので、一緒に帰りたがっていたが、一樹はサッカー部の練習。灯はバスケ。そして夢は..........春休みの宿題である。どんまい。
そういう理由で俺達は3人で家に帰っていた。俺達の家は幼馴染であるためかなり近い。お互いの家が見えているくらいだ。え?なんでじゃあ朝一人でいってたのって?そんなの二人が起きないからに決まってるでしょ。
「なんか、俺の知り合いいっぱいいて少し安心したわ。」
「よかったな。」
「ヨカッタネ〜。」
思わず漏れた言葉は本心だったが、おい結。声と顔に一ミリもそう思ってないってかいてあるぞ。なんで。
「あ、綾斗先輩!」
そんな感じで談笑しながら帰っていると、背中から俺を呼ぶ声が。
もういっとき聞いていなかった声。
これはまたずいぶんと懐かしい声が聞こえてきたな。
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