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15. 煌喜 夢の可愛いところ


あの会議から二週間。


この二週間は、当初の予定通り基本一日一人とデートなどをして過ごしていた。なお、美玲先輩と日向は、登校や下校の時間を多くして公平性を保っていた。


今日は月曜日。今週の相手は夢である。


「あ~、学校だるいなぁ。行きたくないなぁ。」


「ふふ、私は嬉しいですよ?学校があると綾斗さんに会えますもの。」


ドキッ


急な不意打ちに心臓が高鳴る。あの1件があってみんなの好意を知ってから、妙に心臓の音がうるさくなった。みんなの言葉に、態度に、仕草にときめいてしまうのだ。


「もう、やめてくれよ........。照れるじゃないか。」


「照れてる綾斗さんも可愛いですわね。」


春の日差しを凌駕する圧倒的美少女スマイルで、俺に光を与えてくる。眩しい。


基本、担当の日はいっしょに登校して、昼ご飯食って、下校して、放課後デートをするって感じだ。


「今日の放課後はどうするつもりなんだ?」


「この一週間に一回の大切な日にとてもとても名残惜しいのですが、今日は家族でなにか大事な話があるそうで..............。」


「それは残念だな。今日も遊ぶの楽しみにしてたのに。」


「んッ!?.............綾斗さんこそ不意打ちではないですか。」


ぷくぅ、と夢は頬をふくらませる。その頬は、少し赤みを帯びておりいつも以上に魅力的に見えた。


「ポチ。」


「ぷしゅーー。」


「あはは。」


「もう!」


プンプンと怒っている素振りを見せているようだが、頬の緩みを隠せていない。本人は気づいていないようだが。とてもかわいい。


「夢のおかげで元気出たよ。今日も一日頑張れそうだ。ありがとう。」


「..........どういたしましてですわ。」


あの日以降、俺も少し変わった。俺の思ったこと、俺の好意を素直に伝えることにしたのだ。普通に考えて何人も候補がいるのは不安だからね。俺だったら他の人達を殺そうとしかねない。俺は、友達に殺人は犯してほしくないのだ。


「じゃ、学校行くか!」


「そうですわね。」


俺達は、他愛もない話をしながら教室に向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


放課後


俺と夢は一緒に帰っていた。


「今日の数学眠すぎて全部寝てたわ。」


「そんなことをしていたら成績が落ちますよ?」


「夢だけには言われたくないなw」


「そ、そんな事ありませんわ。」


うそだろ。自分でも自覚あるだろ。目が泳ぎまくってるもん。


「今度俺の家に来いよ。つきっきりで勉強会してやるよ。」


「ううぅぅ。ふたりきり。でも勉強。ふたりきり。でも勉強。でも勉強。でも..............」


あらら。夢がでも勉強botになってしまった。ちょっとおもしろそうだしからかってみよ。


「ぐすん。夢にとっては、俺より勉強をしないことのほうが大事なんだ。そうなんだ。ぐすん。」


「そ、そんなことはありませんわ!しましょう!勉強会。何ならお泊りでもいいですわよ。」


「ほんとか!」


「嘘泣き!?騙されましたわ!」


おもしろ。夢は感情表現が豊かで、見ていて面白い。ほんとに元気をもらえるな。


「じゃあ、ここらへんで。」


夢と俺の家との分かれ道。俺は別れを告げる。


「くぅ〜。今すぐ綾斗さんの家に行きたい。行きたいですが.............。はあ。仕方ありません。では、また明日お会いしましょう。」


「おう。」


そういって、俺達は分かれた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


夜7時。


「望海ー。風呂いいぞー。」


「わかったお兄ちゃん。はあはあ。」


「おいおい。嗅ぐな嗅ぐな。」


「仕方ないの。お風呂を上がったほわほわのお兄ちゃんからしか接種できない成分があるの。」


「なんかちょっとエロいんだが?」


「中毒性あるけど。」


「いやだめなやつ〜。」


とそんな兄弟の戯れ?をしている。


望海はあの1件があって以来、家でもすごいベタベタしてくるのだ。もはや開き直っている。ちなみに、最近は、この光景を何回も父さんやお義母さんに見られて、あらあらみたいな視線を向けられてすっごい恥ずかしい。嬉しくはあるが。


「ほら風呂は行って来い。」


「ハーイ。上がったらまたかがせてもらおうっと。」


「程々に.........はっ!危うく流されるところだった。」


「ちっ」


「舌打ちした。ねえ今舌打ちしたよね。」


「してないよ?」


「白々しい。」


そうして、望海はしぶしぶ洗面所に消えていった。


俺は、テレビの前のソファに座って適当にテレビを見ている。すると............


ピンポーン


と、玄関の方からチャイムが聞こえてきた。誰だろう?


俺が扉を開けると......


「こんばんわ、ですわ。綾斗さん。」


そこには、少し大きめのカバンを持った夢が立っていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


現在、俺の部屋。


「で、()()親と喧嘩したと。」


「は、はい。」


夢は申し訳無さそうに言う。夢のカバンには、パジャマや下着、制服などが入っていた。要するに今晩は泊めてほしいということだろう。


「そうか。じゃあとりあえず部屋は、望海の部屋で一緒に寝てくれ。布団があるから望海を床で寝させるか........」


「あ、あの!」


「お、おう。どした?」


「今日は私の日ですわよね?なので............」


そういうと、夢は露骨にモジモジし始める。手元で手遊びをし、顔を赤くしてうつむいている。


「あ、綾斗さんといっしょのベットで寝たいですわ!」


「へ?」


チョトマテクダサイ。イショニネル?マジデイテル?


「だ、ダメですか?」


だからさぁ。灯もそうだったけどお前らあざといよ!しかも無自覚なの質悪いよ!美少女の上目遣い+涙目とかマジでずるいよ!断れないじゃん!?


「そ、それは.........」


「ダメですか。」


やめて。シュンってしないで。可愛さも相まって罪悪感が何十倍にも膨れ上がっていくから。


「わ、わかった。わかったから!」


「ホントですか!嬉しいですわ!」


しまった。嘘泣き..............いや、最初っから泣いてはなかったわ。涙目ってだけだったわ。


「その代わり背中合わせね..........」


「はい!」


まあ、いっか。こんなことで元気になってくれるなら。


そうして、望海も混じって適当に話したりゲームしたりして、あっという間に寝る時間になった。


俺と夢はいっしょに布団に潜る。なお、望海が「その手があったか。今度夜這いして.....。うへへ。」となんか危ないことを言っていた気がするが、聞かなかったことにしよう。部屋にかぎかけようかな。


「ふふふ、なんだかこの感じ、懐かしいですわね。」


「そうだな。」


その言葉に、俺は高1の頃のことを思い出していた。



お嬢様キャラの定石。頭が高い。


ブクマとかしてください!

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