14. 俺の、そして私達の決断
※最後に大事なお知らせあります。
今の状況を説明しよう。
俺達は、俺の部屋で四角のテーブルを囲んでいる。まず、扉側に一番近い場所に俺。そして、テーブルの右には望海と日向、左には灯と夢。そして正面には結と美玲先輩というふうに座っている。なお、結と美玲先輩はどことなく嬉しそうだ。
「それでは....。」
コホンッ。と結は仕切るように咳払いをする。
「綾ちゃんには高3になるまでに誰と付き合うか決めてもらいます。」
女子組はもちろんのこと、俺も驚かない。大体予想できていたからだ。ちなみに、さっき学校から帰って来たとき、望海と美玲先輩から告白された。え?どういうふうに告白されたかって?気になる?ねえ気になる?でも.......教えな〜い。まあ、ていうのは冗談で告白の言葉はおいおい。
あ、そういえば二人に告白されたあと、日向も告白しようとしてたけど「あ、お前はいいや。聞き飽きたし。」と軽く流した。顔を真っ赤にして怒ってたなぁ。いやあ面白かった。
さて、この内容は会議によって決まったそうだ。いやなんの会議?しかも俺の意思ないし。まあいいけど。っていいんかい!あ、会議が委員会?なんていう今思いついた爆笑必須ネタは.........え?誰も笑わないって?そんな悲しいこと言うなよ。こっちだって自覚あるんだから。ぐすん。てな具合には混乱しております。はい。いくら予想していたとしても。現場からは(異常)です。
そして、ときは少し前に遡る。
◇
美玲先輩が私を散々いじったあと。
「そろそろ真剣に話さない?望海。」
「真面目に話してないのは先輩だけどね。」
灯先輩が場を収めてくれた。天使じゃん。なんか私が悪いみたいに言われるのは癪だけど。先輩のせいでしょ。100%。
「ここのみんなお兄ちゃんのことが好きってことで間違いない?」
私は、一応みんなの気持ちを確認する。みんなは、少しの迷いも見せることなく頷く。お兄ちゃんがこれだけの人に愛されているというのは素直に嬉しい。まあ、女狐に変わりはないけど。
「私、思うんです。今お兄ちゃんに、この中の誰と付き合うか決めてくれと言ったら、あの優しいお兄ちゃんのことだから、誰も傷つけないように誰とも付き合わないと思います。でも、多分一人だったらすぐではないにしろおいおい付き合ってくれるだろうし、私はお兄ちゃんの幸せを心から願ってます。だから、お兄ちゃんが私達に遠慮して、自分の幸せを逃がすのは本意ではありません。」
みんなが共感するようにうんうんと頷く。お兄ちゃんの幸せを願っているという点では、私はこの人たちを信頼している。
「だから、私は提案します。まず今日中にみんなの気持ちを伝えて、異性として意識させます。そして、1年後、お兄ちゃんの3年生の始業式の日に誰と付き合うか決めてもらう。それまで、みんなアピールをします。そうすれば、みんなきっぱり諦められるし、お兄ちゃんも納得すると思うんです。」
「いい案だと思うわ。関係の長さ的にも一年の猶予は公平だと思うしね。」
「そうですわね。一年もあれば、綾斗さんが私にメロメロになるのは時間の問題ですわ。」
「そうだな。私としても、おそらくこの中で一番意識されていないだろうしな。」
「綾ちゃんとはずっといっしょにいたし、一年くらい伸びても結果は変わらないもん。」
「この一年で先輩の自己肯定感をバク上げしてやりますよ!」
みんな異論はないようだ。
「それでは、この提案に賛成の方は拍手を。」
パチパチパチ.......
「では、只今の議会、6対0ということで可決させていただきます。解散!!」
こうして、綾斗の知らないところで1年後に答えを出させるという案が、可決されたのである。
◇
そして、現在。
俺の意思は尊重されず(いやね?いいんだけどね?異論はないんだけどね?ないんだけども........)決まった案について、俺も含めルールを設定することになったのだが...........
「じゃあ、一応デートをする日は1週間毎に変えるということで...........」
「ひとついいか?」
会長が声を上げる。
「私、望海、日向は以外は綾斗と同じクラスだろう?つまり毎日必ず会うわけだしクラス内で話せるわけだ。そして望海は家が同じ。時間公平の観点からも、私と日向を土日に多く割り当ててくれないか?」
「先輩.......。」
なるほど。筋は通っている。日向は先輩にキラキラとした視線を向けている。っていうかさ。なんかこうやってもともと好意を持っている女の子たちがさ、目の前で俺のことを取り合っている状況ってさ、なんか.......アレだよね。とても恥ずかしい。みんなに告白されてから、なんかいつもどおり接することができていない気がするし、いつもよりみんなが可愛く見えるわけで.........。いろいろやばい。
「それは了承いたしかねます。同じクラスになったの私達の意思ではありませんし。土日はデートをする絶好の日にち。あまり会えないからとそこ2日を渡してしまうのは、いささか公平ではないかと。」
まあたしかにそうだな。夢の意見も一利ある。ていうかちょっとまって。この感じだと、俺の自由時間、週に一日しかない上に土日じゃないんだけど..........。それはちょっとなぁ。まんざらでもないかなぁ。だってしかたないじゃん!みんなと遊ぶの楽しいんだもん。
「まあそこら辺は状況を見て判断しましょう。ほかになにか行っておきたいことはありますか。」
「はい。」
そう行って俺は手を挙げる。ずっと気になっていたことがあるのだ。
「正直万が一にもありえないけどさ。俺が他の子を好きになったり、誰も選ばなかったらどうするんだ?」
俺がみんなのことを好きになるとは限らない。もちろん俺はみんなのことが好きだし、みんなのことを選ぶと思うけど、万が一のときも知っておきたい。
「絶対に選んでほしい.........けどわたしたちはお兄ちゃんの幸せを願ってる。そうなったら素直に祝福するよ。私達はお兄ちゃんの意思を尊重する。」
「そうよ。綾斗。わたしたちはみんな綾斗に色んなところで助けられているの。あなたが幸せならそれが一番よ。」
「お前ら........。」
素直に嬉しい。俺の善意は俺がやりたくてやってて見返りなんて求めてない。なのにこんなに感謝されて。みんなが俺の幸せを願ってくれて。もう、ほんとに、ほんっとうに.........
「お前ら大好きだ!」
「「「「「「ッ!!?」」」」」」
みんなの顔が一斉に紅に染まる。
「俺、絶対に幸せにするから。誰を選んでも、選ばなかったとしても。みんなのこと絶対に幸せにするから!」
「ふふ、なんですかそれ。先輩。」
「振られるのに、幸せにするって.......意味わかんない。」
「でも、お兄ちゃんらしいね。」
「おい綾斗。言ったからな?言質取ったからな?」
「素晴らしい心構えですわ。」
「それでこそ綾ちゃんだよ。」
俺は、俺を大切に思ってくれている人を傷つけないし、傷つけさせない。俺がみんなの光であったように、みんなも...........
俺を照らしてくれる、太陽なのだから。
ひとまず、一章終了となります。
ここからは、ヒロインレースの日常を書いていきます。
1年後、どうなってますかねぇ。
どんくらいで完結させるかとかぜんぜん決めてないのですが、長くなっても最後までお付き合いいただけると幸いです。
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