1. 初登校
恋愛ものはじめてです!
アドバイスお願いします!。
桜が散る道。
雲のない青空。
道端に咲く花々。
きっとこの光景は、誰もが目を輝かせる。
春。新生活が始まる時期。出会いと別れの季節。
そんなまるで漫画の中みたいな光景を、一人寂しく歩いているのは俺、古賀 綾斗である。
新しく高校2年生になった俺だが、正直新しい生活にまったくと行っていいほど期待していない。
それもそうだと思う。だってそうだろ?環境が変わったくらいで、彼女ができるわけでも勉強ができるようになるわけでも運動ができるようになるわけでもない。もし新しい出会いがあっても、仲良くなるのはほんの一握りだ。そんな環境に何を期待しろというのだろうか。
「綾ちゃん!」
「よう!綾斗。」
「おう、おはようふたりとも。」
今しがた声をかけてきたのは、俺が幼稚園から交流を持っている幼馴染の甲斐 遥斗と花咲 結である。小中高と一緒だけあって、俺たちはとても仲が良い。でも最近、結と遥斗が二人きりでよく話している。ふたりができているなら全然祝福するのだが、除け者にされているみたいですこし悲しいし、はっきりいって遥斗が羨ましい。
「あ~あ、彼女欲しいなぁ。」
「!」
「ほんとそれな。やっぱ彼女作ってアオハルして〜よ〜綾斗〜。」
なんか結が急にソワソワし始めた気がする。やっぱり女子は男子のそういう話聞くのは気恥ずかしいのかもね。
「いやおまえメッチャモテるやん」
「イヤイヤ綾斗クーン。俺はモテてないって〜。」
俺はって、何か含みのある言い方だな。まるで俺がモテているみたいな。
遥斗はこうみえてもかなりのイケメンだ。性格も気さくで話しやすくて、しっかり周りを見ていて何かと気
遣ってくれる。モテる要素しかない。
けれど俺は違う。別に顔もそんなにいいと思わない。性格も普通だし。
俺がモテるだって?そんなわけないのになw。言ってて悲しくなってきた。ぴえん。
(とか思ってんだろうな〜)
(て思っているんだろうな〜)
「.......なんだよふたりとも。ジトッとした目で俺を見て。」
「べっつに〜?。」
「なんでもないよ〜綾ちゃん。」
? 解せん。
「そんなことより、クラスだよクラス。綾斗や結と一緒になれたらいいなぁ〜。」
「そうだな。一緒になれたらうれしい。」
「だってよ。結?」
「ふぇ!?そ、そうだね。ハハハ〜。」
結は少し頬を赤らめて頷く。なんでかはわからん。でも、うん。かわい。
学校が近づいてくる。
次第に人が多くなってきた。