第72話 護衛任務③ (ロードvs仮面の魔法使い)
楽しんでいってください。
俺たちは、今村が確認できるか出来ないかの、瀬戸際まで来ていた。
カレンが、ズームを使って確認しているが、今の所村に変化はないそうだ。
普通に暮らしてる村と同じ。そう感じとれるぐらいだった。でも、注意深く見ていくと、やはりおかしい点があるらしく間違いないだろうとのことだった。
「どうする?」
「今すぐに攻めてもいいと思う」
「カレンの母親に連絡を取らなくてはいけないのでは?」
「どうせ待機命令しか出さないから別に良いよ。事後報告で十分」
そんな会話をしている最中だった。俺は、瞬時に剣を構え皆を守った。
皆んな、最初何が起こったのか分からず呆然としていた。まさかの先手を打たれたのである。
仮面の魔法使いに見つかってしまったのだ。アイツは、俺たちが話し込んでるうちに、先手仕掛けてきた。
「たいそうな真似してくれるじゃねぇか!!今日ここで決着つけてやるよ」
「パワーウィップ」
「お前たち先に行け。ここは俺がなんとかする。走れ!!」
剣でガードして満を逃れた隙に、皆が走り出す。それを狙おうとするがそれを防ぐ。
「おいおい。何無視してくれてんの?」
奴は、ファイアソードを生成し剣と剣の勝負が始まった。
互いの剣と剣がぶつかり合う。時には激しく、時には優しくぶつかり合う。
奴にも譲れない何かがあるのだろう。奴の攻撃は、重く全てを賭けてぶつかり合う、それら全てを使って倒したいと伝わってくる攻撃だった。
そんな攻撃してくるんだったらこっちも対等にやらなくてはならない。敬意ってもんがあるだろ。
「心ゆくまで楽しもうぜ!!」
そして、お互い一歩も引かない状況で、本格的な戦闘が始まった。流石は、魔法の剣っていうだけはある。特殊攻撃で、火を出されたら流石に下手に近づけない。
それを理解しての攻撃、やはり奴は強い。何が何でも俺を倒したいみたいだ。そう命令されてんのか知らないけどさ、やっぱ命のやり取りって楽しいな。
「はあああああああああああああああああっ!」
クソッ!!いい一撃だったのに躱された。でも咄嗟に躱せてもな、体勢が崩れたお前には、この一撃は、無理だ。
「極力一閃!!」
モロに喰らった一撃は、本当に重たい。奴の、腹にクリティカルで決まった。
奴は、腹部を押さえてはいるが、出血が止まらない。まともに声という声が出せていない。
立てろうとするが、何度も、何度も失敗して落ちてしまう。
「ぐがあああああああああっ!!」
仮にエルフだとしても、そんな声は普通しない。それはまるで魔物みたいじゃないか......
奴は、剣を握りしめ、死んでもいいと思ったのか立ち上がってきた。
奴の目は、もう後先考えずただ目の前の獲物を一心不乱に挑む狂戦士のようだった。
俺は、それを本気で受け止める。その義務がある。そして、それすらを凌駕して圧倒的な力で捩じ伏せる。それが今の俺にとって、奴にしてやれることだ。
聖女の願いを発動させた。
その瞬間から奴は、何も出来なくなった。ただ俺に攻撃されるだけの、一方的なリンチが始まったのだ。
その結果、2分も経たないうちに奴は、死にかけである。それでも、剣を振ろうとする。でも奴は、明後日の方向に向けて斬りかかろうとしていたが、その場に倒れ込んだのであった。
俺は、すぐさま奴の元に行き、お爺ちゃんから貰った3本のうち一本のポーションをかけた。
エリナに、悲しい顔をさせるわけにもいかないからな。まだ戦いあって10分弱しか経っていない。
アイツら、上手くやれてるかな、大丈夫かな。そんな思いが溢れ出てきていた。
そうして、俺は奴を抱き抱え村の方に歩いていくのだった。
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