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【完結】ソードストーンメモリー 〜勇者ロードの物語〜  作者: 両天海道
第1章対峙と別れ ロード旅に出る
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第6話 仲間と共に旅の始まり

1章完結

 いきなり何言ってんだこいつ?と思っていたらカレンが呆れた表情で何か言いたそうにしてた。

 

「また性懲りも無く来たのかしら....偽勇者さん?」

「偽勇者ではない!!何度も言ってるだろ俺の名前はカイトだ。君たちをパーティーに誘いたい!」

「私、ロードと正式にパーティーになったから。ロードの意見に従うけど私はいやよ」

「俺もお断りしたい。せっかくの申し出だが申し訳ない」


 カイトは、人間が決めた勇者である。身長172cmの金髪のイケメンだ。

 そしてカイトは、驚きを隠せずにいた。


「なんで!俺たちと来た方がメグさんを早く救えるはずだ。なんで断る理由がある。俺が納得できる説明をしたまえ」

 

 その意見はごもっともである。でも俺はカイトとパーティーになりたいとは思っていない。


「俺はメグを助けに来てって言われたから行っている。メグがそれを求めなかったら俺はまず村から出てすらない。戦うと決めた以上俺は誰のパーティーに入るつもりはないから」

「はぁ?助けに来てって言われてなかったら行かなかったってどういうことだ!少なくとも彼女は異性として君に好意を寄せている。そんな彼女を君は見捨てる気だったのか」


 まず好意を抱かれてることすら気がついて居ないのを、察したカレンが話に割り込んできた。


「メグの言ってたこと本当だったんだ。やっぱ仲間になって良かった。メグは助けて欲しいってちゃんと伝えないと助けに来ないっていうこと。そして全くロードはメグに対して家族としての好意しか寄せてないってことも」


 カイトは、心底軽蔑したのであろう。それは表情に出ており、そのイケメン顔は、もうイケメンとは言えない顔になっていた。


「決闘をしよう!それでお前の腐った考え正してやる。それでお前達を2人ともパーティーに入ってもらうからな。明日の10時、小国エルミ側の門の外で待っている。必ず来い!」


 一方的に言い放ったカイトは、俺たちの話をそれから一才聞かず出ていってしまった。

 俺とカレンは、とりあえずギルドで報酬を受け取り、昼ごはんを食べに行くことにした。

 ギルド内は、もうどちらが勝つかで賭けが行われていて、お祭り騒ぎになっていた。


(どうすんだよ!絶対勝てないじゃん)

(なに泣き言言ってんの。いざとなれば、聖女の祈り使うしかないよ。まぁあいつにしてみたら、私を取られ、メグは攫われ、最強パーティーメンツ作れないからね)

(はぁ....戦うの嫌だな)


 そんなことをテレパシーで伝え合いながら昼ごはん食べていた。

 これからの旅用にポーションとかを見に来ていたら、バッタリと鉢合わせしたが、お互い無視を決め込んでいた。

 そして宿を取り、俺とカレンは話し合いの為俺の部屋で集まった。


「どうしようか、とりあえず決闘って言っても殺し合いはなしだからな。聖剣を使うのは無いだろう?」

「もちろんよ。レベル20に対してレベル60越えの勇者が聖剣使うってどうなのよ」

「まぁ死ぬことは無いから、いざとなれば聖女の願いを使うのは決定ね。後あいつは勇者であってもフルマックスでは無いのはありがたいわね」

 驚きの表情を浮かべつつ「マジかよ。でもレベル60超えてるのは流石にね....」


 とりあえず今日は、寝ることしてカレンは自分の部屋に戻っていた。俺は、洗浄(クリーン)と唱えベッドに横になってその日は寝た。


 朝6時頃俺は起きて、カレンと共に朝ごはんを食べに行くことにした。

 

「よく眠れた?」

「もちろん。そっちは?」

「もちろん」


 そんな会話をしつつ、朝ごはん食べ俺達はとある場所に来ていた。

 そこは、お爺ちゃんの弟子が経営している鍛治屋である。


「ジョンさん。ロードやけど訓練用の剣メンテして欲しいやけど」

「ロード、待ってたで来るの。大きくなったな!メグのこと頑張ってくれよ。お、そこの美しい女性まさかカレン様か」

「カレンと申します。ここは、たしか世界の鍛治史マックス様の弟子工房ですよね。お会い出来て光栄です。」

 カレンは驚いた表情で、「ロード、貴方マックス様とお知り合いなの?」

「俺とメグの両親が死んで、それからずっと育ててくれたんだよね。言ってなかったけ?」

「言ってないわよ」っていいながら思いっきり背中を叩かれた。

「今日の試合の為やな。噂になってたで。俺達弟子は、マックス師匠から、カイトとは関わらなって言われてるからな。師匠昔から、人間がヤラセで決めた勇者嫌いだったからな」


 そんな会話をしつつ俺は剣を預けて30分もしないうちにメンテナンスが終わって渡された。

「メンテナンス料金ってどれぐらいでしたっけ?」

「いらんいらん。ロードがこうして会いにしてくれるだけで嬉しいわ。今日の試合勝てよ!」


 その場を後にして、俺達は8時頃には、指定された場所に来ていた。ちなみに俺は、こっち方面は年に数回来るか来ないかだ。

 俺は、剣の素振りをして時が過ぎるのを待った。結局90分近く剣を振り続けて、ようやくカイト達が来た。


 カレンが「ヒール」を掛けてくれて時間になるまで、待った。

 

 ギャラリーも増え始めて10時になりカイトが口を開いた。


「ルールを説明する。ルール1 人を殺めない。ルール2 攻撃魔法禁止。ルール3 敗者は決定権に従うこと。以上までで質問はあるか?」

「質問では無いけどルールを追加したい。ルール4 負けて勝っても今後このような勝負をやる事を禁ずる。ルール5 勇者の力が発動を満たした場合使っても良いとする」

「負けても、再決闘で無かったことには出来ないと言うことだな。両方追加ということで」


 カレンが両者の中央に立って両者に合図を送る。


「決闘始め!」


 カイトは、速攻「神速」を唱え、俺を倒しにきた。

 俺は、それを剣で弾いてカウンターを狙ったが避けられた。それに対して俺は、カイトの攻撃を防ぐ為、防御の姿勢になった。

 カイトは、防御姿勢を崩す為に、より強く攻撃してきたが耐えていた。

 

 俺は、一瞬隙を突いて「加速」を唱えその場を離れた。

 カイトも同じく「神速」を唱えていたが1秒のアドバンテージは大きく出遅れた。

 

ここでカイトは考えを変えたのか、ソードスキルのソード・インパクトを放ってきた。

 その技は突き技で食らったら間違いなく俺はやられる。そこで俺は、スラッシュを発動してなんとか食い止めた。

 すかさずカイトは剣を離し、俺の体目掛けて思いっきり剣を振ってきた。

 

 流石にまずさを感じ「加速」と唱えた。でも致命傷にならなくともダメージは与えられていた。

 

 防御魔法を貼ってるとはいえこのダメージ。流石は、レベル60越えの勇者である。ここまでの出来事開始1分。

 俺は、立て直す為距離を取ろうとしたら、もう詰められていて攻撃を喰らう。

 このままではやられてしまう。1分前後でこのダメージどう足掻いても、まともに戦う事は不可能である。

 

「聖女の願い ON」言った瞬間、今まで受けたダメージが相対的に小さなダメージに変わっていくのを感じる。


 俺は、剣を構え直し、向かってくるカイトに向けて完璧な応戦を見せた。

 

 先ほどとは違う俺を見て「何を発動した、ロード」剣と剣がぶつかり合う。

 

 レベル差は20ちょっとだ。俺は俺の旅をしたいと思っているのを剣に込めて一撃を放つ。

 それを避けようとするがそうはさせない。その攻撃はスラッシュとなり発動してカイトに当たった。

 俺はすかさず詰めていく。先ほどとは形勢逆転だ。それでも勇者としての意地とプライドが彼を後押しする。そのプレッシャーは、凄まじいものだ。俺は足を止めてしまった。


「なんでなんだよ、なんで俺には、カレンもメグも仲間になってくれないんだよ。なんでお前ばっか!俺は勇者として、この世界を守りたいだけなんだよ。強い仲間を連れて魔王を倒したいだけなんだよ!」

 

 そう言い終わると、彼は立ち上がり一瞬で間合いに入られ、思いっきり切られた。

 俺は切られ、防具は大丈夫だったが、痛みはすごい。そして俺は、少し離れた場所に倒れ込んだ。

 彼は、その場で立ち尽くしていた。


「はぁ、はぁ、はぁ、やっぱ強いな。でもな俺も負けられないんだよ」

 ふらふらになりながら、立ち上がり剣を構え直し「メグは俺に助けを求めた。カレンは、一緒に戦いたいって言われた。俺も本気で、自分のパーティーで勝ちたいと思った。お前なんかの下につかないって決めてる。だから諦めて貰うぞ」

 俺は、「加速」と唱え、スラッシュを発動して勇者カイトは防御したが、一瞬の出遅れで勇者カイトを倒したのだった。


 歓声と悲鳴でギャラリー達はお祭り騒ぎ。それはたった一言でやんだ。


「そこまで。勝者ロード」


 それを聞いて今まで立てていたのが不思議なくらいだったのがふと緊張が解けその場に倒れ込んだ。

 すぐにカレンとジョンさんが近づいて来るのを感じたが、なんとか反応したいが体が動かない。


「大丈夫ロード?勝ててほんと良かった。ハイ・ヒール」

「大丈夫か?」

「はい」


 その後カイトとギルドで話し合いになった。


「本当に申し訳なかった。俺もカッとなって言いすぎた。反省してる。最後の一撃凄かった!図々しいお願いなのは俺が1番理解してる。それでも言わせてくれ、俺と定期的に修行して欲しい。」


 俺達は、その申し出にこちも強くなる為には必要な事だと思い、了承した。そして俺達は、違うパーティーでも目標は同じだってこともあり、ギルドの連中と夜まで飲み明かした。

 俺達は、自分たちのそれぞれの部屋で休みを取り明日から始まる冒険に向けて準備をした。

 冒険の準備がひと段落して、窓を開けて夜空を見ていた。明日から始まる俺達の冒険、メグは大丈夫なのか?そんな心配をしていた。


 ふと横の窓が開き「何考えてたの?」

「明日からの冒険の不安とメグは大丈夫かなって思ってた」

「魔王は、メグを嫁にしたいと言って来たんだろ。まぁ間違いなく生きてるだろうね。そこは安心じゃん。冒険は何が起きるかわからないのが楽しいのよ!」

「そうだな。弱気になったらいけない!また明日おやすみ」

「おやすみ」


 お互いに、窓を閉めベッドに入って眠った。

 今日は、朝から大忙しだ。ジョンさんに挨拶したり、食材の買い出しをしてアイテムボックスにしまって関所を越えたら出発だ。


「いよいよだね!」

「おう。次の目的地は、小国エルナ」

「小国まで順調に行って2ヶ月かかるかな。最初の村までなら1週間かな」

「そうなのか、まぁ気楽に行こうぜ」


 門を超えて俺達の旅が始まった。



お読みいただきありがとうございます。

1章完結です。

すぐ次の章というわけでは無く、1章に出て来た解説したい所などをまとめたやつ作ろうと思ってます。

その後短編1本か2本作って2章を始めたいと思います。

「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!

していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません!

ぜひよろしくお願いします!

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