最終話 冒険の終わりとあてもない旅が始まる
ソードストーンメモリー最終回です。
楽しんでいってください。
頭の方は柔らかく、体全身に温かな魔力が伝わってくる。
まだこの空間で居たい。そう思ってしまうほどの包まれ方をしている。
だけど、その眠りから解放されるかのようにしだいに、外からの声が聞こえてくるような気がする。
「――ド、ロード」
「ロード!」
「ロード!」
「ロード」
「みんなあなたを呼んでいるわよ、ロード」
何度も呼ばれる名前、そしてその声は、とても心地よい声だ。
そうして、目が少しずつあいていく。
「ここは……」
「ロード、何寝ぼけてんの? 魔王城だよ」
あ、そうだ。俺たちは魔王フェンと戦ったんだ。そして勝利した。
糸が切れるかのように倒れ込んだ。
「ロードおはよう! 膝で眠るなんて初めてだね」
「メグか。みんな、治してくれてありがとうな」
まだ寝ぼけた声で、お礼を言う。
なんとか起きようとするが、まだ全身に広がる疲れですぐには起き上がることができなかった。
「このままで大丈夫だから。みんなもまだ本当は起きちゃダメなのよ」
みんな無理して、俺のそばにきてくれていたのかと思ったら少し笑ってしまった。
こんないい仲間たちに出会えて本当に良かったと思う。俺の続けた冒険は、意味のある最高のものだった。
「本当は、寝てた方がいいんだろうけど動かないとな」
みんな少し驚いた表情をしている。
「え、どうしたの?」
メグが不思議そうにこちらの顔を覗き込んでいる。
(ここに、アンたち王都軍が来てる)
((なんで?))
みんな一斉に声を上げる。そりゃ当たり前だな、魔力が残っているのは、俺だけだ。
(感知だよ感知。それでこちらに向かって来ている反応がある)
(王都の式典に引っ張るつもりかしら、それは私とレンに任せな)
そうして、メグに支えられながら俺は立ち上がる。
「じゃあ、カレン、レン本当について来てくれてありがとうな」
カレンとレンは、涙を必死に堪えるので精一杯だった。
「マーク、ライカ本当に楽しかった。ライカは、これからもよろしくな」
「任せなさいよ。私はあなたの仲間で剣でもあり続けるわ」
マークは、ずっと泣いてた。この時が来るのがわかっていたはずなのに、涙が止まらないみたいだ。
「ロード! 杖欲しい時は言えよ、俺が最高のやつ仕立ててやる」
「その時は頼むわ」
「ロード、何か困った時は魔法会を頼れよ! 俺たち2人がなんでもやってやる」
「あぁ」
レンもマークも頼りになるいい仲間だ。
「ありがとうねロード」
そうして全員と握手していく。時に抱き合いながら泣きあった。
そうして、もう時間がない。
「聖女の願いがこれからもありますよに!! ロード大好きだよ」
突然のことで頭が真っ白になる。柔らかなものが口に当たる。
周りにいたみんなは、赤面する者、ニヤニヤする者様々だった。
「それじゃね、私もカレンたちについていくわ」
「あぁ、それじゃみんなまたな!!」
転移した。
そうして、カレン、レン、メグが魔王城に残ってアンを待つ。
その後案の定、アンが怒っている映像が全世界に流れるのであった。
そうしてどこかの国の近く。
「さてこれから何をしようかな」
勇者ロードとライカは、あてもない旅を始めるのであった。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
いかがだったでしょうか?
最後まで読んでくださった読者の方々ありがとうございました。
もうこれが投稿される頃には、新作が出てます。というか、同じ時間にでます。
作品タイトルが『剣聖少女 〜あてもない旅がしたいと願った少女の冒険譚、剣聖にもなれたので箒に乗って路銀稼ぎや旅を楽しみたいと思います〜』
これからは、剣聖少女の更新の方をしていきます。
そちらも楽しんでいっていただけたら幸いです。
最後にはなりますが、約1年間ありがとうございました。
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