第308話 仲間たちのバトン
楽しんでいってください。
「ライトニング!!」
撃ってみるも当たらない。それでもだいぶ体を無理してるような動きで避けている。
それだったら……近接戦闘で一気に詰めるのみ。
「神速式・インファイト」
「――ぐああッ! 光魔法を入れ込んでるのかよ」
そして気がついたことがある。もうフェンは、ほとんどの魔力が残っていない。
それどころか、メグを監獄から出さないためにずっと魔力を使い込んでいる。
そして、結界を解かないとダメだったのもわかる。
「魔力、さっさとメグの解放したら?」
フェンは、少しビクッとしたがすぐに素に戻る。
「それはできない。アイツにこれ以上邪魔されるのはごめんだ」
あのライトニングか。それが無ければ、心臓が破壊されることはなかったかもしれない。
それをずっと根に持ったまま、過ごしてきたのか。
「聖女の願い発動」
フェンは、まだ笑みを浮かべるだけの余裕がある。
「インフェルノ」
「目眩しか、そんな魔法無駄だ」
無駄に終わるなんて、重々承知だよ。今大切なのは、どんな攻撃も次に繋げることなんだ。
「サイレント・ライトニング」
「――どうなってんだ、いつ攻撃を仕掛けた?」
「ここに来た直後だよ。いつでも準備しておくもんなんだよ!」
神速で一気に近づき殴り飛ばす。フェンは、だいぶ私の対処に慣れてきているはずだ。
「高出力・光拳」
フェンの拳、だいぶ光魔法で痛々しくなっている。
それでもまだ足りてない。全然足りてない。
「オラァァっ!」
「そんなへなちょこ、効くかよ!」
フェンを煽りつつ殴り合いが続く。ひたすら、全力で拳を付け合わせる。衝撃が、魔王城を蝕んでいく。
それでも、己の信念を持った攻撃は、続くのだ。
それを割って入ってきたのは、大剣の攻撃だった。
「マーク!?」
「待たせたな、でもすまねぇな次が最後の一撃だ」
マークの目が虚で、ほとんど見えていないんじゃないかと、思ってしまうほどだ。
「マーク、大丈夫じゃなそうね。私も余裕がないわ」
「大丈夫だよ! ロードに繋ぐぐらい俺たちも完璧にやってやる」
マークは、フェンを真っ直ぐみる。剣を構え、神速で一気に近づき技の構えに移ったのだ。
「極・剣斬!!」
「神速式・一撃大抜刀・極!!」
フェンの技を飲み込み、マークの一撃が決まる。それと同時に、反動でマークは倒れた。
「極・剣斬」
「サイレント・ライトニング――ぐがあっ!」
何があった。どう考えても、決まってたはずなのになんで。
体の自由がほとんど効かない。
回復も全然しない。
「終わりだ、ここでもう終わりだ。これで」
「まだ終わってない、メグの扉開けちゃった貴方に、負けない」
魔力、ありったけを。
「なんだ、その魔力は。どう考てももう立てないはずだ」
「奥義神速式・五種混合・マジックブラスト正拳」
コイツが近づいてきたのが悪い。私の全てを込めた一撃だ!!
「――がああっ!」
フェンは玉座に吹き飛んだ。その影響で玉座の一部破損し、座った状態になった。
カレンは、全てを出し切り倒れ全てをロードに託すのであった。
「みんなすまねぇな、あとは任せてくれ」
そうして、倒れていった仲間たちを一人一人抱き抱え、壁際に寄せて魔王フェンの前に立ったのだ。
フェンは、今にも消えてしまいそうだ。だが、このまま放置してもただ回復されていくだけだ。
「フェン、お前に引導を渡してやる」
そして、頭の中であのフレーズが流れ出していた。
(剣に獣の魂宿る時勇者と呼ばれるのである)
髪の一部が白くなる。
フェンは、この時を待っていたと言わんばかりの顔だ。
「最終決戦だ」
最後まで読んで頂きありがとうございます。
いかがだったでしょうか?
一撃大抜刀・極、技を極めし者の技。
五種混合・マジックブラスト正拳、火、水、風、光、魔、を合わせた光線魔法。
今回、カレンだったからこそ格闘技と組み合わせて使えた。これが魔法会歴代トップの強さなのである。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!
もししていただけたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません!
ぜひよろしくお願いします!




