第306話 困惑の魔王様
楽しんでいってくください。
ライカは、攻撃どころではなくなっていた。
すぐさま地べたに緩やかに着地を済ませ、息を整えた。
カレンがいなければ、今ごろ倒されていた。そう頭に過ったが、すぐさま切り替えた。
「ライトニング!!」
「どうした!! 焦ってのか。そんな安直な攻撃当たるわけねぇだろうが」
やばい。これ攻撃喰らう。そう思った時だった。
(目を閉じろ)
「投擲・フラッシュ」
眩しい光とともに、槍は見事にフェンの体に突き刺さる。それと同時に私は、糸で体を巻きつけられ一気に下に落ちた。
「インフェルノ、愛の糸」
フェンは、地べたに落ちてきたのだ。
「――テメェーー!! 許さんぞ、何度も何度も」
完全にキレていた。その時私は、ようやくわかったのだ。
あ、あいつそういえば、レンにものすごくキレてたな。だからあの攻撃をレンに当てようとしたんだ。
おそらく最初の脱落者はレンだ。
「レン、助かったわ。聖女の願い使いなさい、1分でも長く戦いな、ロードに繋ぐために」
レンは、察したかのように笑顔を見せた。
「倒してやるから安心しな。 聖女の願い発動!!」
そこから、すぐにレンの猛攻撃がフェンに襲いかかる。それを予測しての対応が、なんとも上手いと感心される。
敵なのにあっぱれだと思ってしまう自分が、ものすごく嫌になった。
「神速式・一頭突き!!」
それを余裕な笑みで避けるフェン。
「ショットガン」
一瞬何が起こったのかわからなかった。
ただ、わかるのはレンが一撃で吹っ飛んだことである。
「まだ終わってねぇぞ! 獄炎斬」
フェンは大きく振りかぶり、止めに入った2人を吹き飛ばし、レンを斬ったのだ。
「――があぁっ……まだ、おわ、らねぇ」
フェンの体から槍が突き破ったのだ。フェンは、その場に足をついた。
血反吐を垂らしているのが、こっちからでも見えた。
「さっきのお返しだ」
その後すぐ、レンは意識を失った。
「マーク!! フェンのヘイトを向けられる?」
(その間に回収する)
マークは、それに応えるかのように、大剣を大きく振りかぶる。
フェンは耐え切れず、後に大きく吹っ飛ばされた。
「レン! 大丈夫だから安心して、絶対私が命を繋ぎ止めるから」
……
カレンが必死なって救おうとしている横で、私は何もできてない。
レンを助けようとしたのに、吹き飛ばされて壁に大穴開けただけじゃん。
「こんなんでいいわけない。私だってやるんだ」
神速で一気にフェンのところに走り込む。気配は消してない、ただ今は懐に潜り込んで斬る。
「神速式・二刀ニ閃龍の噛み砕き」
声すら出さなくなったフェン。どこか不的で嫌なや予感があった。
顔をあげたフェンを見て、私は足がすくむ。
ダメだとわかっていても、体は言うことを聞こうとはしなかった。
次の瞬間、滅多刺しをされたのだ。体を何度も突き破る刃。声も出せなくなるこの感じ、私は死を連想するしかなかった。
だがなんでだろうか。なんで心地良くなってんの私。
「なんだその笑顔は。ロード、お前の仲間たちはこんなのしかいないのか」
次の瞬間、血飛沫をあげ両者が倒れこむ。
だが、一歩手前のところで、互いに踏みとどまった。だが、両者ともども攻撃できるほどの気力も体力もなかった。
ただ、なんとかライカが離れた。
「ライカ、大丈夫じゃねだろ。その体」
ライカの体は、刺し傷だらけで出血が止まりそうにはない。
ボックスからポーションを何本も取り出しライカに掛けた。
ただ、効き目は目にはわかるほど回復したのは、血が止まったぐらいだ。
ポーションや回復を何度もし続けたことで、効き目が悪くなっているのであった。
「少し休んでろ! 俺がなんとかしてやるからよ」
ただマークも、限界が近かったのは言うまでもない話であった。
フェンは、立ちあがろうとしていた。
「さぁ、次はどいつが相手になってくれるんだ」
コイツはイカれてると、この時初めて直感したのであった。
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