第303話 激突と激突
楽しんでいってください。
フェンは、まだまだ余裕をもった表情だ。それに惑わされず、俺はやれることをやる。
「神速式・ソードインパクト」
凄まじい衝撃音が魔王城に響きわたる。だか、肝心の技は完全に防御され、ダメージはほとんどないと推測できる。
「黒龍炎斬!」
「あっつ! テメェ、神速式・極力一閃大龍斬撃」
「――ぐうう」
フェンが吹き飛ぶと同時に、大きく後退した。呼吸を浅くしつつ、周りを見る。
カレンたちがいない。俺たちが戦い合っている間に、動いたのがわかる。
「今のは効いた。ただ、こんなのでは倒れない」
次の瞬間、重たい一撃がロードを襲う。今にも悲鳴を出しそうになるが踏み止まり、カウンターを決める。
それから何度もぶつかり合っては、互いに壁に激突を繰り返していた。
しかし突然、フェンの体が爆発する。互いに何が起こったのかわからないでいると、声が聞こえた。
「サイレント・ライトニングラプチャー」
「ごめんなさい、時間かかちゃって」
ライカは、頭を下げフェンの方に向き直った。
「聖女の願い発動!!」
フェンは、この時を待っていたと言わんばかりの顔である。そして、とてつもなく高揚感に満ちていた。
「やっとか! 殺炎」
今までに比べて、比較にならないほどの炎だ。
「一閃!!」
ライカの一閃が、殺炎を瞬時に破壊。息つくに暇もなく、ライカは、極力一閃を発動したのだ。
フェンが、血を吐くほどのダメージを与えたのだ。場所は、十字傷の場所である。
「これが聖女の願いか……最高だ、最高じゃねぇかよー」
フェンのテンションに、一同びっくりして一瞬体が止まる。その隙を狙わないわけないのだ。
「炎斬!」
「聖女の願い発動! 神速式・一撃大抜刀!!」
フェンの攻撃は、その勢いに負け外壁を貫きかけるほどの威力で、吹き飛んだのだ。
「――がああっ! われの力が負けているだと」
片方だけが疲労しているなら、別にアイツがどうなろうが何も思わないのだが、そうではない。
「2人とも大丈夫か? すごい汗だぞ」
「傷が開いてる」
「治せるか? 俺たちが時間を稼ぐ」
「わからないけど、やるだけやってみるわ」
カレンは少し焦った様子だ。それほどまで深刻な状態なのだと理解した。
「レン、まだ使うなよ。俺たちは、まだいけるはずだ」
「当たり前だ」
ロードとレンは、瞬時に走り出し一気に飛び上がる。
「下剋上」
「極力一閃」
壁にめり込むように倒れているフェンに向けて、一気に攻撃をしていく。
だが、それは阻まれる。
「これって、防御魔法?」
「魔王城周辺の結界に似てないか?」
それは正解である。
「まさか!? 糸」
レンを即座に、退避させた。次の瞬間、ロードは地響きとともに地面に叩きつけられたのである。
「ロード!! クソッ、インフェルノ」
殺炎の魔力を吸い取っていたのためか、いつもより威力が高く禍々しいインフェルノが放たれたのだ。
大きな爆発音とともに、フェンに襲いかかったが完全に守られていた。
「まさか、結界を解除してしまうなんて、われながら情けない」
だが、フェンの体の傷はかなりの深傷だ。口では言ってた割には、地面に落ちてきて手を付くレベル弱っている。
「神速式・ソードインパクト!」
「ロード!? 大丈夫なのかその体で」
ロードは、手をグーにして親指を上にあげた。
「サフィーに比べたらまだいける。あの時違って、気絶してないからな」
その一言は、フェンを怒らせるには充分な言葉である。それをわかった上で、ロードは言ったのだ。
「完全に体消えるまで、殺す」
ロードはニヤリと笑っている。
「さぁここから第2ラウンドといこうじゃねか」
そうして、2人の攻撃はより激しさを増す一方であった。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
いかがだったでしょうか?
黒龍炎斬、黒龍を炎で表現をし、剣にエンチャントされた状態で放つ技。
殺炎、魔王が使う中でもトップクラスの魔法。当たれば、辺り一帯炎の海になる。
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