第297話 ライカvsソウ
楽しんでいってください。
お互い最初は見合っていた。お互いに油断ならない敵だとわかっているからだ。
お互いの呼吸音が部屋に小さく響いてた。
「二刀一閃・双剣雷閃」
「蒼風双剣・二閃」
2人の技が火花を散らす。それはなんとも鮮やかである。
「やっぱりここに来るだけのことはあるね。たった一撃で手が痺れちゃったよ」
「話してる余裕があるんだったら鍛錬にもっと励むんだったわね」
ライカは、追撃を浴びせつつ余裕を持って一度後ろに下がった。今まで色んな戦いをしてきたライカだからこそ、余裕を持って行動していた。
追撃を浴びせ続けたら、いつ反撃を喰らってもおかしくなかった。
「ライカだって余裕だね。カウンター予測してすぐに撤退するなんて」
ソウは苦笑しつつも目は笑わず、ずっと私の方に向けていた。
その後、ぶつかり離れてを何度も何度も繰り返した。そして私の方が、ジリ貧になっていくのは目に見えてわかっていく。
「やっぱり強いわね。余裕で倒したかったんだけどね」
「それはこっちのセリフだよライカ。我愛刀がここまでダメージを受けているのは見ていて辛いよ」
「そうなの、だったらそれごと斬ってあげるわよ」
瞬時に重い一撃を与える。流石の反応速度と言っても過言ではない。それが来るとわかっていたのかなのような守り。
「焦ったような一撃なんてダメだよ。送風風舞斬り!」
「――ぐっ!」
油断した。その言葉が脳裏によぎった。心の中で、自分を叱責しつつ、状況を冷静に見る。
後ろに下がってダメージを抑えたのは良かった。でもこの体勢でこの攻撃はキツい。
「斬撃」
飛ぶ斬撃。守ることで精一杯だ。
「神速」
「神速式・ソードインパクト」
ソウは、耐えきれず後ろに吹き飛んだ。
「あぁ〜いったぁ。マジか……何であの状況で突っ込んでこれる」
私は、あの攻撃をするために神速で無理矢理正面突破した。至る所から血が出ている。
それでも私は凛とした態度で答える。
「あの程度の技で私が死ぬとは思っていませんから」
私の顔から血が地面から流れ落ちたと同時に、また斬り合いが始まる。
お互いに一歩も引かない。至る所から切り傷が出来ようとも関係ない。
ただ、目の前の敵を倒すために我主人にの悲願を果たすためだけに武器は振り下ろされた。
互いに、発狂したかのような声を上げながら斬り合う。私たちは、似たもの同士だったのかもしれないと今更ながら思うのだ。
「神速式・二刀一閃双剣雷閃」
「閃舞閃突」
「これで終わりだっ!!」
刃は砕け散り、体に致命傷を与えた。
ソウは、そのまま膝から倒れる。出血がひどくどう見ても助からないのが目に見えている。
それを悟ったかのように、何とか仰向けになる。
「あんなに弱かった君に負けるなんて、でも、たのし、かった」
「私もよ」
「マオウさま、もうしわけ、ござい、ません。ご、ぶんんを、いのっており、ます。ライカ、タノシンデシネ」
ソウは、魔物同様消えていった。私は、幹部に勝った。その余韻に浸ることなくポーションを飲んだ。
扉を開けて細い廊下を進む。そうしてもう一回扉を開けその光景に私は目を疑ったのであった。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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閃舞閃突、舞を踊るかのように舞って閃光の如く全力で突きまくる技。
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