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【完結】ソードストーンメモリー 〜勇者ロードの物語〜  作者: 両天海道
第29章 魔王との戦いに向けて準備と最前線突破攻略戦
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第292話 決着と匂い袋


 楽しんでいってください。


 俺が息を整えている間に、激しい魔力の衝突が何度も繰り広げられていた。


「ライトニング・ラプチャー!」


 魔弾の撃ち合いの最中に、別の攻撃を仕掛けたのはカレンの方からだった。

 だが、アンもそれの脅威は知っているようだ。


「インフェルノ」


 激しさを増すばかりである。そこは、すごいと褒めるべきなのであるはずだが、その結界は凄まじい耐久性を誇っていた。


「影分身!?」


 至る所から、魔力の高まりを感じる。

 カレンとばかり戦っていても埒が明かないと判断したのだろう。攻撃目標がこっちに向いてきた。


「これはいくらでてきても問題ないよ」


 なんとも頼もしいセリフである。


「ライトニング・ラプチャー」


 分身1体目掛けて放つ。だが、それは今までとは違う感じである。


「これって爆発早くない?」


 俺の疑問点は正解だったのか、カレンが笑っていた。ほぼ全ての分身体は消える。

 ただ本物は、ガチガチに守っていたのだ。

 

「サイクロン」


「サイクロン」


 ライカとアンのサイクロンが正面からぶつかり合う。

 

「一刀両断」


「一頭突き」


「マジか結界…」


 3人が力一杯攻撃するのを、ただ見つめているしか出来なかった。

 俺まで入ると、作戦にならないからだ。


(準備出来た!)


 カレンの声が、全員に響き渡ると同時に3人が攻撃を辞めた。

 

「神速式・極力一閃」


 攻撃が止んだ瞬間に起きる隙を見逃さなかった。


「ーがああああ」


 そして次の瞬間、糸で全身を拘束されると同時に悲鳴が上がる。斬った傷に食い込むように糸が、きつくきつく縛るのだ。

 

「ふぅ聖拳」


 カレンの右ストレートは、最高な形で決まったのだ。糸は耐えきれず切れる。

 そのまま、結界にぶつかり地面に落ちたのだ。

 カレンは、倒れ込んだアンの方向に杖を構える。魔力が段々と集まっていくのが感じる。


「チェックメイトよ。お母さん」


 アンの顔は完全に諦めていた。その瞬間、俺たちの勝利が確定したのだ。

 5対1だったのに、結構ひどいとこまで行った不甲斐なさが残る結果となったのだ。


「師匠!」


 見知った声が、遠くの方から聞こえてくる。

 ナバラである。


「やっぱり師匠たちだったんだ。アンさんと戦ってたんだ。ずっと戦いたいって言ってたの叶ったんだ」


 ボロボロになったアンさんを見つめる表情はどこか、安心した表情だった。

 

「お母さん、なんでこんな戦い提案したの?」


「そりゃ決まってるじゃない。あなたたちの成長を見たかったのさ」


 アンは、娘に回復を受けながらそんなことを言ったのだ。その顔は、本当に満足した顔をしてた。

 終わった瞬間の諦めた顔ではない。これは、成長を喜ぶ顔であるのだと改めて実感したのだった。

 安心してか、ドッと疲れが出たのか俺たちはその場に尻もちをついたのだ。

 

「疲れた」


 俺の言葉に反応するかのように、みなそれぞれが口々に続けて言うのだ。

 本当なら、今日戻ろうと思っていた。だがこんな調子では諦めることしか出来なかった。

 正直な体に罪はない。ただ。今日はこれでいいと思えた1日なのであった。

 

 翌日、俺たちは宿を出た瞬間、あの強烈な匂いとともに深く深く沈んだ記憶が蘇ったのだ。


「ミタ何やってんだ? 待ち伏せか?」


「最初に待ち伏せが出てくるなんて酷いですよ。まぁそうですけど」


「いやあってのかよ。どうした何かようか?」


 目をきらびやかにさせ、より匂いが濃く感じるあるものを差し出してきた。


「一様聞いておく。もしかしてこれを旅に持っていけか?」


「そうです。魔王に効くか試して欲しいんです」


 そうだと思っていたが、まさか本当に言い出すとは思わなかった。

 ここで受け取らないっていう選択肢をしたら、ほぼ間違いなくこれを顔面にぶつけられるのが間違いないと直感した。


「何個ほど持っていたら良いんだ?」


 震えて言ったのは言うまでもない。


「ざっとこんだけかな」


 それは大袋がはち切れそうな勢いである。

 これを頭から被りたくない一心で、俺は承諾した。

 

「じゃあロード頑張ってね」


「応援ありがとうな」


「皆さんもくれぐれお気をつけて」


 そう言ってミタは転移してどこかに行ってしまったのだ。

 その後、ナバラたちが駆けつけてくれたが匂いで察したのだろう。ミタが来たことに1番に聞いてきた。


「師匠頑張ってください」


「任せておけ」


 そう言って俺たちは転移したのだった。



 最後まで読んで頂きありがとうございます。

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