第283話 最後の小国
楽しんでいってください。
魔物との討伐を済ませ、一休みしている最中煙が上がっている所を目撃したのだ。
「村か?」
「ここいらは、村なんてなかったはずだよ」
カレンが、少し不安げな声でそんなことを言う。
「近くまで先行してみるよ」
ライカは、気配を消して煙の近くまで走って行った。
それから数分後、ライカからの知らせがテレパシーで飛んできたのだ。
(今、魔物との戦闘中)
緊迫とした声である。
休んでいたのを止め、すぐさま走り出す。
「大丈夫か?」
ライカは、負傷した冒険者を庇いつつ戦闘に臨んでいた。
魔物は、狼系の群だ。
「負傷者頼む」
それを言い終える暇をもなく、魔物を一刀両断していく。
「はぁぁっ!!」
魔物を斬り伏せつつ、一気に制圧に動いたのであった。
ひと段落したのは、それから10分経つか経たないか前後のことである。
それだけ、魔物が多かったのだ。
冒険者の数人は、カレンに治療されすっかり元気を取り戻していた。
「助かりました。一時はどうなるかと」
「無事で良かったです。あ、俺はロードです」
「あ、申し遅れました。剣士キリングです。こっちの2人は、魔法使いのライナと剣士のガンナです」
剣士キリングは、筋肉質の高身長。ライナは、魔法使いのローブに身を包む女性、ガンナはレイピア使いな小柄の女性である。
「助けていただいて本当にありがとうございます。私たち、小国アズレンにて冒険者をしていまして」
「俺たちはそこを目指してるんだ。同行するよ」
ライナがありがたそうな目でこちら見つめて、深くお辞儀をしていた。
相当ボロボロになっているのだ。誰かに頼りたくて仕方なかったのであろう。
「まぁ、アズレンならここから1日あったら余裕で着きますので」
そう言って、ガンナが先頭で歩き始めたのだ。
このパーティの中で、最も強いのが彼女なのだろう。そういう気配を感じ取るのだ。
その後、何事もなく歩けたのが大きかったのだろう。
だいぶ早く、着いたのだ。
城壁は、激しい戦闘が伺えるほどの大きな傷がいくつも存在している。
何度も結界を破られた証拠だろう。
「ここが魔王城から最も近い小国です。それでは楽しんでくださいね」
そう言って、彼女たちは去っていった。
俺たちも、門兵たちの簡単な質問に答えつつ国の中に入ったのだ。
「街の中は、相当な守りだな」
そう口をこぼしてしまうほどの、ガチガチに頑丈に作られた建物たちが出迎えてくれたのだ。
「まるでラット爺の村だな」
マークの言った言葉に、全員頷いたのだった。
門近くで、街を眺めていると知った声が同時に聞こえたのだ。
「ロード、とうとう来たのね」
「ロードさん、ウィンデです。覚えてらっしゃいますか?」
目の前には、エリナとウィンデが走ってきたのであった。
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