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第280話 雨の決戦と騎士の少女


 楽しんでいってください。


「あ、早く、伝え…なければ」


 微かな声だが、何を言っているかはわかる。


「しっかりしろ。今すぐ、安全な所に連れていく」


 俺は、彼女を背負い、気配感知をだけを頼りにきた道を戻っていく。

 それを阻むかのように、マークが硬い地面に叩きつけれる瞬間を目撃したのだ。


「マーク!」


 返事はない。それか聞こえないのであろう。

 すぐにでも助けに行きたかったが、レンがそれを拒ませたのだ。


「ロード! 先に行け」

 

 だが、この状況では圧倒的に不利なのはレンの方だ。

 でも、その時の俺は何故だかレンの目を見て大丈夫だと確信したのだ。


「この子預けたらすぐ助けに行く!」


 俺はそれを言い残し、地面に足を取られつつ、必死に走っていく。


「ロード。その子は任せて」


 結界の手前で、カレンが出てきてくれたおかげですぐに戻ることが出来る。

 だが、それが出来るほど自然は甘くないのだ。


「さっきより、風が強くなって進めねぇ」


 装備で通常よりも重たくなっている俺を、最も簡単に軽く吹き飛ばすのだ。


 その頃、レンたちの方は苦戦を強いられていた。


「くそ、雨が邪魔過ぎる」


 火の魔法を使うことが出来ない今の状況、俺にとっては最悪なはずなのになんでだ。

 なんで顔はにやけるんだ。

 槍を力強く握り締め、トロールを見る。

 トロールの攻撃は、至ってシンプルなため簡単に避けらる。

 ただ、この状況ではそううまくは行かない。

 

「雨のせいで、視界から急に現れてびっくりする」


 マークがやられた理由はそれだろうと、勝手だがそう推察する。

 これ以上長引かせたら、マークが危ない。

 勿体ぶってる余裕なんてない。


「今の俺はお前を、俺よりも格上として認定する」


 この技は、そう示さないと使えないのだ。

 深呼吸をして、息を整える。

 

下剋上(ジャイアントキリング)


 次の瞬間、トロールは形を保てず消滅する。

 瞬間的な威力の槍の大技だ。

 条件が揃わないと使えない技だから、あまり使いたくなかった。


「マーク!」


 抱き抱えた瞬間、ロードと出来くわした。


「お! びっくりした。行くぞ」


 ロードの後を追い、走っていく。

 その時のロードは、服はびちょびちょなのは当たり前として、至る所が泥まみれであった。

 

「カレン。2人を頼む」


「わかってる。ちょっと待ってて」


 だいぶ、傷が深かったのか相当長いこと回復魔法を掛けてる。

 その間に、体を魔法で綺麗にし俺たちは、ポーションを飲んだのであった。

 ひと段落着いたのは、辺りがすっかり真っ暗になった後だ。


「とりあえずお疲れ〜」


 疲れ切った表情をしたカレンの声だ。

 

「みんなお待たせ!」


 ライカは、自分だけ何もしていないと思ったのか、簡単なスープとご飯を拵えていた。


「ありがとう。ってめっちゃ美味しい」


 食べた瞬間、安らぎを感じさせる味である。

 その美味しそうな匂い起きたのか、テントの中で物音がしたのだ。


「もう起きたの大丈夫そう?」


「助けていただきありがとうございます、私はこれで」


 カレンは、彼女が行こうとするのを止めた。


「転移使えないんでしょ。何があったの」


 彼女に食事を渡し、こっちにくるように誘導したのだ。

 彼女も観念したのか、それに大人しく従っていた。


「名前なんて言うの?」


「私は、ウィンデと申します。小国アズレンにて騎士の端くれをしています。ですが、もう陥落したと思いますけど」



 


 


 最後まで読んで頂きありがとうございます。

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