第277話 祭りと怒り
楽しんでいってください。
今日は祭り当日。この2週間で、国はすっかり祭り一色である。
この2週間、案の定魔物との交戦を何度もしてきてようやく迎えた日である。
そのせいで、俺たちのレベルも2ほど上がった。
そのため、冒険者たちは今日だけは何事もなく祭りを楽しませて欲しいと願う者たちが大勢いた。
「ロードおはよう! 今日は朝早いね」
「おはようリサ。今日は目が冴えちまってな、今は散歩中」
リサは、まだ眠そうに目を擦っているが声は元気そのものだ。
「昨日もあんだけ暴れたのに、ロードってほんとすごいわね」
「そりゃどうも。立ち話もなんだ、歩こうぜ」
そう言って、俺たちは街の中を歩いていく。朝早くから祭りの準備をしている人たちは、まだ寒さの残る中汗だくで準備をしていた。
そんな中、前方から見知った顔が汗を垂らしながら走っている。
どうやらこっちに気がついたのか、元気な声で話しかけてきた。
「ロードさんじゃねぇか。なんだ今日はリサを連れてるなんてやっぱモテるんだな」
「からかわないでください、ハンマさん。そっちは準備ですか」
「あぁ。今日は俺も料理の屋台を出そうと思ってな。ザ・男飯だけど」
「それは美味しそうです。後で食べにいきますね」
会話を楽しんだのち、また俺たちは街を歩いてく。すれ違う人たちは、皆楽しそうな顔をしている。
この祭りを皆、どれだけ楽しみにしていたかわかる。
軽い散歩を済ませ、みんなと合流し祭りの開始時刻をまった。
「ロード、何食べる?」
「俺は、ハンマさんの屋台行く予定。ライカは何食べるんだ?」
「女子3人は、はなまる食堂なんだ」
「ロード、俺たちもハンマさんのところ行くぜ」
そうして、男子組と女子組に分かれて行動することとなった。
開始の合図が街全体に響いたのだ。会場に着くや否や早速冒険者たちは、酒盛りをあちこちで始めている。
そうして俺たちは、ハンマさんの露店でご飯を頬張りつつ、見せ物を見て楽しんでいた。
だが、そんな楽しい時間はそう長くは続かないものだ。
国を守る結界が突然、悲鳴をあげているかのような衝撃を喰らったのだ。
その衝撃音は、祭りを楽しんでいた人たちにとってそれは最悪な合図であった。
「おい今の!」
「間違いない。魔物だ」
3人は、すぐさま神速を発動し城壁にやってきたのだ。
そこには、小国を取り囲むような大群が目の前には広がっていた。
結界を壊そうと躍起になって攻撃をしているのを目撃する。
怒りが湧いてくる。
「聖女の願い発動! 影分身発動」
その後、どうなったかは言うまでもない。遅れて来た2人を加え、一掃したのである。
その光景を見たのは、ほとんどいない。
祭り開始から5時間後の出来事だ。ほとんどの冒険者は、酒に酔いつぶれていたからだ。
だが実際に見た者はは言う。
「あれは鬼神だ」
「神の領域に突入した冒険者たちだ」
「あの人たちなら魔王を殺せる」
その日を境に、この小国に集団で攻めてくる魔物の数は異常なまで減っていったという。
「あんたたちほんとバケモンだよ」
「どうも。リサ、次は前線で会おうぜ」
祭りを終えた国を見届け、俺たちは最前線に向けて出発するのであった。
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