第275話 横取りされたロード
楽しんでいってください。
ケンタウロスは、限界を超えるかの勢いのあるスピードで、一気に中央の冒険者を蹂躙していく。
「え、何？ なんかすごい砂埃とともに冒険者が宙に浮いてる…」
カレンは、危険を承知な上で迎え撃つことに。
神速で一気に距離を詰めて一撃を放つ。
「正拳」
ケンタウロスは、衝撃とともに後に大きく後退する。
頭がいい。当たる直前に、ほんの少し後ろに下がってダメージを軽減させた。
「サイクロン」
より後退させるべく放つが、ことごとくハンマーで粉砕する。
「神速式・正拳」
雄叫びを上げながら、ハンマーと衝突する。ハンマーは威力を耐えられず粉砕する。
危険を察知したかのように大きく後ろに下がるが、それは意味なく首が吹き飛んでいた。
「一撃大抜刀！」
「マーク！？ ナイス！」
カレンは、驚いた声で名前を呼び賞賛の言葉をおくる。
「コイツ、ロードの斬撃に反応してさ足止めサンキュー」
「それはわかったけど、なんか周りおかしくない？」
ケンタウロスが消滅した直後、周りにいた魔物たちは怯えるかのように走り去っていく。
周りにいた冒険者たちも何が起こっているのかわからない様子である。
「コイツがリーダーだったとか？」
「その線も捨てきれないけど多分違う」
カレンは、考え込んでいる。
だが、それはある衝撃音とともに解決することになったのだ。
その音は、ケンタウロスが消滅してそれから数分経った直後、小国付近側からの衝撃音で全て解決した。
「ロード！？」
思わず名前を叫んでしまうカレン。
それは当たりである。
ロードは、後方で魔物狩りをしている最中、その名中にいた当たりを引き当てたのだ。
「極力一閃！」
技は不発に終わる。
「なんで、幹部の部下が混じってんだよ」
愚痴をこぼすかのように、言葉を吐き捨てる。
「はぁぁっ！」
剣と槍がぶつかり、火花を散らす。相手の鋭い槍捌きを避けつつ、攻撃を放つが、避けるのがうまい。
まるで情報を取るために、動いているかのようだ。
目配せで、周りに指示をしているのであろう。いいタイミングが来たと思えば、邪魔を入れてくるのだ。
「やりづれぇ」
この言葉で完結出来る。
「はーい〜困ってるようね。ソード・インパクト斬竜突き」
上空から酔っ払った声のリサの斬撃は、魔物を貫いたのだ。
「おまえな、人の魔物を横取りすんなよ」
「困ってたから助けてあげただけよ」
顔が真っ赤になった彼女に言っても無駄だと判断し、この話を終わらした。
その頃には、魔物は奥に走り去っていく。
必死に逃げる後ろ姿を見つつ、俺たちは合流したのだった。
リサはその頃には、酔って眠たくなったのかもたれかかって寝ている。
背負いつつ、俺はカレンとマークにこっぴどく叱られるのであった。
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