第270話 魔物の正体
楽しんでいってください。
竜兵団の3人は、どうやらまだ探したい様子であったが少し気がかりなこともある。
「ライデン、1回拠点帰るぞ。もしかしたらそっちに出るかも知れねぇ」
ライデンは2つ返事で了承した。焦った様子はないが、走って拠点に戻っていく。
道中、魔物の徘徊を蹴散らしつつ進んでいく。
「そんなに強い奴なのか?」
「そうだ。10名死亡、5名重症の怪我をした」
つい数日前まで170人で行動していたが、150名になったと言ってたのは、このことが原因だったのか。
もう少し早く来ていればと思ったが、仕方ないことだ。そう頭では割り切っているが、感情はそう上手くはいかないのだ。
「ロード!しっかりしなさい」
カレンが察するかのように、声をかけて来た。それは、ありがたいことだと心から思うのだ。
そうして走っているうちに、拠点に着いたのだ。
慌てて帰って来たかと思って、何かあったのではと駆け寄ってくる。
「2匹討伐した。ただ、アイツが居なかった」
その言葉で歓喜していた声が、静まり返る。
「早く副団長の無念晴らしたいっす」
団長を取り囲んでいた1人がそんなことをいう。だから、ライデンたちはあんなにも焦っていたのかと、理解したのだ。
「どんな魔物だったんだ?教えてくれ」
「あぁ、そういえばまだだったね。あれはサキュバス大戦が起きる前の話だ」
ライデンの口は重く、それから中々話そうとはしなかった。酒瓶を一気に飲み出し、ようやく口が開いたのだ。
「俺たちは、依頼を受けてここに来ていた。そして襲われたんだ、あの3匹に…」
副団長は、そのリーダー格に一撃で敗れたということらしい。それは、残虐かつ非道なやり方だったらしい。
副団長や仲間たちの死体を回収出来ないまま、数日経って現場に戻ると、何も残って居なかった。
初めてあった時、どこか楽しそうにして居たのは、やけ酒の影響であろう。
そうして俺たちと出会ったというわけか。
「話は分かった。同じキメラ種で人間体を一撃で突き破れるやつ」
十中八九ソイツの大将は、ミヤであろう。カレンを模倣して作ったで間違いないであろう。
それだけ強いのだ。おそらく、一筋縄では行かないことが明白だ。
「それ龍兵隊で無理だ。俺たちに任せてほしい」
厳しいことを突きつけるが、それが団長たちにとって最善だろう。
「待ってくれ。俺も行かせてくれ!バーンさんの無念を晴らさせてくれよ」
イクンは、涙を溢しながら懇願してくる。
「無理だ。実力が足りない」
「それだったら、俺だけ連れていってほしい。足手纏いにはならない」
「分かった。ただし無茶だけはするな」
今日は、もう遅いため明日以降となった。
その日晩、ここからそう遠くない村が壊滅したと報告が入るのであった。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
いかがだったでしょうか?
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!
もししていただけたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません!
ぜひよろしくお願いします!




