第252話 暗闇の姿見えなき声
楽しんでいってください。
魔物の数は、全部で数百単位と思って問題ないであろう。
アイツ、もしや……
「「神速!」」
全員が一斉に飛び出していく。
見た感じ、北門で出会ってきたばっかの魔物たちだ。
目は、狂っているかのようなグルグル目だ。以前と戦ったのとは、まるで違うしミヤの魔力を微小ながら感じる。
「せいぜい楽しませてくれよ」
激しい衝突音が、戦いの最中何度も何度も響き渡る。それに伴って、魔物の数は激減して行ったのであった。
その後、無事戦闘は終了した。
「お疲れ様〜」
「お疲れ様!ミヤの野郎、俺たちにレベリングさせたなぁ」
それを言って、驚くことにレンとマークとライカは気が付いて居なかった。
「あなたたち、気が付いて無かったのね。あれぐらいわかるでしょ」
カレンが呆れた顔を見せつつ、酒を飲むかのように魔力ポーションを飲んでいる。
「だってよ、北門ではよくあることだと思うじゃん」
マークの話は一理あるが、ミヤの魔力を感じた時点でそっちの可能性は、ほぼゼロである。
「でも良かったんじゃないか?俺たち全員レベル1上がったんだしさぁ」
「そりゃそうだけどさぁーミヤが手伝ってくるの嫌じゃん」
ライカは、怪訝な顔だった。
そうしているうちに、あたりはすっかりとオレンジ色に染まってきている。
カレンが結界を張った為、今日はここで野宿が決まった。
夜、皆が寝静まったころ俺1人眠れずテントから出ると、沢山の星々が光輝いている。
「綺麗だ…」
思わず口からこぼれ落ちる。
それほどまでに綺麗な景色が空に広がって居たのだ。
星を眺めつつ、寝付けるようにと酒を取り出す。
その時だった。夜であまり遠くまで見えないが、近場にある茂みで明らかに誰か居る気配を感じたのだ。
「誰だ」
皆を起こさないように、なるべく小さな声で叫ぶ。
茂みの方から、明らかに慌てて逃げるかのような音が聞こえる。
無我夢中で、剣を携え走り出す。
「はぁぁぁっ!」
剣を茂みに叩きつける。
だが、そこには何も居なかった。
「居たような気がしたんだけどなぁ」
辺りを見渡すが、誰も居ないし反応はない。
だが、警戒は怠らず結界内に戻ろうとした直後だった。
腕を強く掴まれ、女性の声でたった一言。
「助けてください!」
慌てて振り向くが、強く握られた痕が残っているだけで、そこには誰も居なかったのである。
俺は、今アイツらを起こすことは出来ない。
あの声は、緊迫した声質だ。
でも、どこの誰かかもわからない相手を、どう助けたらいいのか分からず、ただ茫然と立ち尽くすしか出来なかったのであった。
気がつくと、テントの中におり周りには皆心配そうにこちらを見ている。
「何があったの?大丈夫?」
カレンが、心底疲れた表情を見せつつ心配をしている。他のみんなを見回すが、心配な顔で見てくる。
「ロード、カレンが朝起きた時結界の外で立ち尽くしてたのよ」
あれは、やっぱり現実に起きたことなんだと改めて理解した。
「みんな心配を掛けて済まなかった。もう大丈夫だ。それよりカレン、少し聴きたいことがあるんだけど大丈夫か?」
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