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第248話 ラット爺の過去②


 楽しんでいってください。


 夜中、皆が寝静まった頃地獄の門がパリンと音を立てて始まったのである。


「今の音は…」


 寝ていた体が起き上がる。

 嫌な予感がして、魔力感知を発動させる。


「ランメル起きろ!」


「なんですか、騒々しい」


 次の瞬間だった。寝室の壁がぶち破られたのだ。


 悲鳴を上げる間もなく、奴は通り過ぎていく。


「アイツは、ウルフング」


 直感で理解した。狙われているのは孫であることを。


「待て!一閃」


 一か八か、間に合うかどうかの瀬戸際だった。だが地獄は始まったばかりである。

 次の不幸が襲い掛かったのだ。


 次の瞬間、ラットは家の外に吹き飛んでいた。


「おじいちゃん助けて!」


 叫ぶ孫を、動かせない体で見ていることしか出来なかった。

 娘や夫は、既に息絶えているのがわかりきっていた。

 

「やめろ、やめてくれ」


 叫ぶ声が、魔物の耳に届くはずない。


「マーラスから離れなさい。はぁはぁはぁ、一閃!」


 サイレントベアーキング…そいつが瞬間的に現れ妻は死に絶えたのだ。


「疾風!!」


 ウルフングは、風の重圧に耐えられず消滅。

 だが、奴だけは違ったのだ。

 魔法を気合いだけで打ち消したのだ。

 動かない体を、無理やり起こし技を放つがいつ死んでもおかしくなかった。

 せめて孫のマーラスだけでも助け出したいと思った矢先、サイレンベアーキングが3体に増えていたのだ。


「逃げろ…逃げろ」


 そんな声は、届く前にマーラスは死んでいたのだ。

 それに全く気づかず、他の住民たちも逃げ惑っていることも知らずに、ただ体が勝手に動いていたのだ。

 それから気がついた時には、夜中だった時間が朝日が照らされ始め、村人は半数以上死亡し目の前には勇者ライトが居たのだった。


「あなたの悲しみは到底わかりません。ですがあなたは、この村の英雄だと僕は思います」


 その瞬間、全てを理解した。家族が死んだことも魔物の大半を殺したのは自分だと分かったのである。


「後は任せてください。行くぞ皆んな!!」


「「おうーー!!」」


 その後、無事鎮圧したものの村は半壊状態である。

 小国及び王都から、多くの人々によって今の簡易要塞のような村になったのである。


「ラット爺はその後どうなったんですか?」


 長く話して疲れたのか、ギルド長はお茶を飲んだ。


「ひたすら魔物を狩続けました。周辺にいた魔物の生態系を変えてしまうレベルに…」


「え…」


「勇者カイトですら、あの戦い後相当酷い怪我をされておりました。ラット爺は、自分の過ちを一生を賭けて償うつもりなのです」


 俺たちは、その後ギルドを後にした。


「こんなことがあったなんてなんてね」


「北門では、これは日常茶飯事だ。それでもなお暮らし続けてるんて相当な覚悟がいるよ」


 マークとライカは、強張った表情でそんな話をしていた。

 

 そして、鐘が鳴り始めたのだ。


 最後まで読んで頂きありがとうございます。  

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