第246話 ラット爺の正体
楽しんでいってください。
ラット爺を連れて、カレンとレンは王都に戻っている。
「久々に来たのう」
目を輝かせ、あちこちを確認するように何度も首を振って見入っている。
「ロードくんには及ばんが、強い輩が多い」
仕込み剣の杖を今にも展開しそうな勢いである。そっちの方でもテンションが上がっているようだ。
「わかっていると思いますけど、ここで出さないでくださいよ」
「いや失礼だろ」
ラット爺は、笑っている。
そんなこんなで、魔法会本部の前にたどり着いた。
「待ってたわよ。おかえりカレン」
「あ、お母さん。ただいま!言ってた人連れてきたよ」
そうして、カレンの真後ろにいたラット爺が顔を出す。
その瞬間、驚きのあまり両方が声を挙げる。
「「え!?」」
「え、どうしたの知り合いだった?」
「え、あんたたちラット冒険者知らないの?」
カレンの方は、ピンと来ていない様子だったが思い出した。
「冒険者ラット。北門随一の守り人ですよね」
ラットは、キョトンとした表情でこっちを見てきた。
「なんじゃ知らんと接して来たのか?」
俺たちは同時に、うんと頷いた。
アンは、呆れた表情でこっちを見てくる始末である。カレンは、まだわからない様子だったが思い出したのか手を叩いていた。
「その様な方だとは知らず申し訳ない。でも代表になって頂きたいのですが」
ラット爺は試験を受けずに、代表となった。後から理由を聞くとこんな回答が帰ってきた。
「ラットさんは私も認めて魔法使いでもあるの。だから試験は必要ないから」
そんな言葉帰ってくるとは、正直言って思わなかった。そして、その日のうちに新たな代表として発表されたのである。
その日1日は、王都で過ごそうという話になり、ロードたちにも状況を伝えた。
ロードも快く快諾し、観光出発に行くことに。
「ほんと昔に比べて、過ごしやすい場所になったのう」
「そうなんですか、でもあの村って相当ガチガチにこもれるレベルの対策してますよね」
ラット爺は、少し黙りながら歩く。その後重い口を少しずつ開いていく。
「あの村を襲われた時にこうしようと決めたんだ」
「でも確か、カイトに助けられたとおっしゃってましたよね」
「そうじゃ。彼らが来るまで耐えていた。だがワシも歳じゃ、そう長くは耐えられなくてな……」
その後、喋ることはなかった。ただ、観光を事務的に行なっているという感じになってしまったのであった。
その頃、ロード組は村の襲われたことを調べるためギルドの方に来ていた。
「あの時のことでござますね。ギルド長私がお話しします」
ギルド長は、おとなしめな女性の方だった。
「あの時、ラットさんは家族を失っているです」
それは衝撃な始まり方だった。
俺たちは、簡単には開けてはいけない箱、パンドラの箱を開けてしまったのではないかと深く後悔の念に襲われる。
でも、気になってしまうものだ。どう言った経緯でこの村を師匠が救ったのかどうかを、どうしても聞かなければならないと思うのだ。
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