第242話 小槌
楽しんでいってください。
「おい…大丈夫…か」
苦しいながらも、レンは叫ぶが誰1人声を発することはなかった。
槍を杖代わりにし、なんとか立ち上がる。
「外に魔物がいやがる。結界貫通とは舐めた真似、しよって…」
ドアを開けるとそこには、1匹の魔物がいた。
「小槌を持った魔物?」
小槌を一度大きく振りかぶった。
「―ッッ!」
一気に体が地面に沈み込んだ。そして体全身に強烈の痛みが走る。
どうなってんだこれ?全然立ち上がれねぇ。
魔物は、ケラケラ笑いながらもう1度振るう。
「―がぁぁぁぁぁぁっ!」
先ほどとは比べ物にならない程の、痛みが襲いかかる。
近づいてきたかと思えば、小槌を顔面に思いっきりぶつけられる。
「イン、フェル、ノ」
命からがら魔法を放つが、小槌を振って消されてしまう。
「イフリート…たの、む」
決死の覚悟でイフリートを召喚する。
最初は、優勢かと思ったんだ。
ただ最も簡単に、小槌を振るだけでイフリートは地面に叩きつけられ消滅した。
「嘘だろ…もう無理じゃねか」
心は折れ掛けていた。
「ァァァァァァっ!!」
お腹を小槌で思いっきり、殴られる。
それに加えて、全身が沈み込んでいく。
「聖女の願い!」
笑いながらトドメを刺そうとした小槌を持った鬼、その一言から形勢は逆転した。
「こっからお前が攻撃出来ると思うなよ」
息が荒い中、無理矢理体を起こしたことによって出た出血を抑えつつ槍を構えた。
「一頭突き」
どうやらスピードには着いてこれるようだ。
小槌を持った手を守るように、左腕を捨てた。
悲痛な声を上げるだけで、小槌を振ることが出来ない。
「火の光線」
両足に向けて発射。
「もうこれでお前は何も出来ない。俺たちが受けた報い受けてもらうぞ。スピニングショット!!」
鬼の心臓を貫き、小槌を落として奴は消滅した。倒れそうになる体に、すぐポーションを掛ける。
「ぁぁー死ぬかと思った…ってそれより鑑定」
名前 呪いの小槌
説明 名前の通り、振った相手らを呪うアイテム。対象者に対し、疲労感、重力負荷を与えることが可能。殴って使用した場合も同じ効力が発動する。
「やっぱこれが原因だったのか」
布に包み、山小屋の中に入った。
入った時は気が付かなかったが、これの保管場所らしき置物がある。
カレンにポーションを掛け叩き起こす。
「起きて早々悪いが、これどうにかしてくれ」
「なんなのよ一体ってこれって、小槌じゃん。あの会議で紛失したとか言われてたなぁ」
「あ、そういえばそうじゃん。確か封印を解いたものがいるとかなんとか」
おそらく解いたのは人間だろう。
だがそれを、失うことなりこの付近に生息している魔物に、持っていかれたのが原因だろう。
その後カレンにより、結界を施された。
「そんなことがあったんだな。倒れててすまねぇ」
その後みんなを起こし、ご飯を食べている最中に話した。
みんな元気が戻ったようで、俺は一安心するのであった。
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