第235話 北門にとっては普通なクエスト
楽しんでいってください。
俺たちは、部屋でそれぞれやるべきことをしながら時間を潰していた。
1人で作業。それもいいのだがやはり外に出たかった。
せっかく小国に来たのに、ずっと部屋でほとぼりが冷めるまで出られないのは、本当にしんどかった。
「暇だ」
そう言葉を呟くほか無かった。
他のみんなは、何しているの?とふと思ったが聞くのは辞めた。
大抵、寝てるか、筋トレしてるか、武器のメンテしてるか、部屋の中でやれる修行してる以外ないからだ。
俺も、武器のメンテが終わってから何もしていない。
(皆さん聞こえますか?ストライカです)
(どうしたんだ?)
(ギルドの方に転移で来てはくださいませんか?)
焦った感じはないが、俺たちは部屋を出て集まってから転移をした。
ギルドの前に転移したが、周りに人っこ1人居ないのである。
不思議に思っていると、ギルドのドアが開いた。
「あ、突然お呼び立てしてしまってすみません。至急受けていただきたいクエストがありまして」
ストライカが持っていたクエスト用紙を受け取ると、そこには討伐クエストと書かれていた。
「えーとなになに、小国に迫り来る魔物を討伐せよってマジかよ」
いや、めっちゃ焦ってても問題ねぇ案件だよな。
「ストライカ、めっちゃ緊急を要するクエストじゃん!!」
ストライカや周りに居たギルドスタッフたちは、疑問の顔で見てくる。
北門ではしょっちゅうあるってことかと、この時初めて理解した。
「とりあえずこれ受けるわ。今すぐ行くわよ!」
カレンが咄嗟に言う。
そして、門の近くまで行くと大勢の冒険者たちが集まっている。
俺たちに気がついてか、全員の視線がこっちに向いた。皆口々に、英雄だの、勇者だの、好き勝手なことを言う。
前方付近に居た男が、ダッシュで駆け寄ってくる。
「お〜皆様今回のクエスト受注ありがとうございます。あ、申し遅れました、指揮官のソウカンと申します」
手厚く歓迎を受けたのち、俺たちは城壁の上から眺めていた。
「目視で確認出来るだけで、数種類の魔物群だ」
「それだけじゃないよ。感知でそれ以上にいるよ」
マークとライカは、そんなことを言いながら完全にやる気満々で、武器を構えていた。
「遠距離の攻撃は、我々にお任せください」
そう意気込むのは、この小国の魔法会小国支部長だ。
「名前は確かライガだよね。私がここの指揮するから」
まぁ、それは当然のことであろう。
だが、ライガは口をポカーンとさせて開いた口が塞がる様子はない。
そうこうしていると、下で待機していたソウカンが進軍命令を出した見たいだった。
「そしたら俺たちも行くか!」
「「了解!!」」
一気に魔物のいる場所まで一っ飛び。上空から奇襲攻撃。
「さぁひと暴れでもしますか」
その瞬間、魔物たちは恐怖のあまりいっせいに逃げ出したのであった。
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