第232話 青年強くなる
楽しんでいってください。
誰も助けてくれない。
もう、何もかもどうでも良くなりそうだ。体の自由は効かないし、どうせ痛みで動けはしない。
げらげらと笑いが込み上げてくる。それは、すぐに素に戻る。
「早よ殺れよ。何ビビっての」
ヒドラは、言われたことを理解したのか徐に高く尻尾を上げる。
次の瞬間、自分の尻尾ごと地面に叩きつけた。コイツが大層バカで良かったと、心から思う。
鼻で笑い、瞬時に近づく。
「加速式・ソードインパクト」
ヒドラは、勢いに耐えることができず空洞にまた大きな穴を開けた。
「ふぅーふぅー、一閃ーー!!」
ヒドラは消滅し勝った。
興奮冷め終わらず、勝利の雄叫びを上げたのである。
「やれば出来るじゃねぇか」
上から目線だけど、この人が勝たしてくれたのも事実である。
「すまねぇな、助けてやらなくて」
謝られて少し動揺をしてしまった。
さっきまで、勝手に絶望して何もかも嫌なことだと思っていたのが嘘だったかのように思えたのである。
「い、いえ、ロードさんは強くしたいと思ったんですよね」
恐る恐る聞いたためか、声が震えている。
「あぁ、もちろんだ。最前線で戦いたいならもっと強くなれ」
「はい!」
それから回復をしてもらい、また洞窟の中を探索していく。そんなことをしているうちに、とうとう出口が見えたのだ。
だが、真っ暗である。
日中に入ったはずの洞窟、気づけばもうすっかりと夜更けである。
「今日はここで野宿だな。カレンよろしく」
その言葉聞いてか、指を鳴らして結界を張る。その結界はどう見ても、小国を護る結界以上だと判別できる。
え、魔力切れになるのではと思う。
「もしかして魔力切れ心配してる?それなら問題ないよ、こんなの誤差みたいなもんだから」
カレンさんは、笑いながらそう答えるがドン引きだったのは言うまでもない。
そして、通常干し肉や硬いパンが一般的なはずが普通にあったかいスープやステーキ肉が出てきて絶句する。
「まぁ、そりゃそうよね。このパーティのトップと補佐は強いからね」
これで説明になっている??ってツッコミたくなったがグッと堪えた。
そうして、安心安全な夜を迎えたのであった。
俺はいつもはビクビクして、ほとんど一睡も出来てないと同義なのに、今日は安心しきってたのか爆睡をかます。
「す、すみません、長いこと寝てしまって」
「別に構わないよ。それよりそろそろ朝ごはん出来るから待ってて」
瞬間的に思う。
ストライカは、こんな生活をしてしまったらもう元には戻れないのではと……
「じゃあ、朝ごはんも食べたことだし小国デロスロースに向かうとしますか!」
「「了解!!」」
最後まで読んで頂きありがとうございます。
いかがだったでしょうか?
あと数話でこの章は完結予定です。
あまりまとめる要素がないため、引き続き更新の可能性大です。
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