第225話 人喰い魔物
楽しんでいってください。
マークは、ヤツを見ている。
「まさか北門きて初戦闘が、ライアットベアーになるとはな」
ライアットベアー―暴動クマとも言われている気性の荒い魔物。
その特徴は、顔の真ん中に雷みたいな白い模様があること。全身の黒い毛皮は、高級防寒着、献上品などといった使い道がある。
白い毛皮は、大変貴重な品とされており王都国王に捧げるのが一般的とされている。
神速で一気に詰めて終わらしてやる。そう意気込んだ。
「はぁぁぁっ!神速式・一撃大抜刀!」
それは、座っていたライアットベアーに直撃する。
「マジか…!?なんで?なんで耐えられる?」
「オマエ、ハ、ダレダ。イマノ、ヨカッタゾ」
突然の出来事のあまり、世界が凍ったかのように脳の処理が止まっていた。
今、コイツ喋ったのか?
俺は、恐怖心の余り大きく飛び下がった。
「ハナ、レ、ナクテモ、イイノニ。ナマ、エ、オシエロ」
「何言ってやがんだ!お前なんで喋れるんだ」
恐怖心のあまり、後に下がったまま震えた声でしゃべる。上からじゃなくて、近くに見ると分かる。
コイツ人間食べてるだろ、そう脳裏に浮かび上がったのだ。
「ナンデ?、ドウデモイイ、ソンナコト」
あーコイツとは、心から軽蔑する。
ここでコイツを倒さなければ、おそらくコイツは人間の味を知っている。
容赦なく村や冒険者や小国を襲う。
「お前なんか名前を教える義理はねぇ。聖女の願い発動」
案の定、教えないって分かった瞬間攻撃してきやがった。だが、そんなノロマの攻撃俺には届かねぇ。
「神速式・一撃大抜刀!」
ヤツの片腕が宙を舞う。
「グァァァァツ!ウデ、ウデガ」
「ノロマよ、教えてやるよ。お前に対して命を掛けて戦った冒険者の痛み、村人たちの無念を我刃を持って味わうがいい」
「スウヒキ、タベタダケ、デ、ナニガ、ワルイ。ソイツラガ、コウゲキ、シタカラ!」
これ以上、ヤツの言葉を聞きたくない。飛び上がって斬ろう。そうすれば、もうヤツと戦わなくて済むんだ。
「これ以上何も言うな。これで終わらしてやる、神速式・一刀両断!!」
次の瞬間、ヤツは頭から真っ二つになって消滅した。
「お疲れさん!村人は、7名死亡、23名は各地で保護された」
「マーク、今は休みなさい。ここは私たちがやっておくわ」
マークは、何も言わなかった。ただ、地面に座り込んだのである。
ロードは、後悔していた。俺がマークの代わりに戦っていれば、あんな思いをしなくて済んだのだ。
そんな時、背中に軽く衝撃が走ったのだ。
「なにロードが暗い顔してんのよ。マークが自分で選んだ選択でしょ、それを否定しないであげて」
「ライカ…そうかもしれないな」
ライカが居なかったら、ずっとマーク以上に引きずっていたかもしれないと思った。
「人間を食べて、人語を話せるようになるなんてね。レア種所の話じゃない」
ありえない出来事、そんな顔しているカレン。
「人間の魔法が変に作用したとか?」
「レン、それはあり得るかもだけど信じられないわ」
「とりあえず、解決はした。まず死んでいった冒険者や村人たちの為に墓立てようぜ。しっかり供養してやろう」
そして、お墓を建て俺たちは村を後にしたのだった。
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