第222話 カレンの朝散歩
楽しんでいってください。
私が目覚めたのは、いつもより早いかった。
ただ何をするとかではないが、カレンはベッドから起き上がる。
ここ数日間、王都会議という仕事をしていて体はくたくたなはずだと思っていた。
それとは裏腹に、体の調子はとても良く今にでも散歩に行けそうな気がした。
だが、辺りはまだ暗い状態。今歩いたところで、朝日を見る以前に帰ってきてしまう恐れがある。
「体動かしたいのよね」ボソッと呟く。
まだ皆んな寝ているのは間違いない。起こさないように慎重に玄関のドア開けた。
ロードには気付かれることはないけれど、他の3人は敏感なタイプである。
廊下は真っ暗である。そのため明かりは、自分の魔法で生成した小さな明かり。転けないように慎重に歩いて行く。階段も他のご迷惑にならないように降りていった。
外に出ると、東で感じた寒さが王都にも襲来しているのを感じる寒さである。
「あ〜〜寒い。なんで私体動かしたいなんか思ったんだろう」
後悔しかない声が、夜中の王都に小さく響いている。
さっと歩いたら帰ろう!そう決心する。そしてまた暖かなベッドでもう一眠りをしよう思うのである。
そしてその辺を歩くだけの散歩が始まった。
ここはいつも大勢の人が行き交ってるのに、夜中は人っ子1人いやしない。
怖さとかそういう恐怖心はないが、心細いとは思いながら歩いていく。
「え、待ってカレンじゃん!おーい」
前方の方から見知った声が暗い王都に響き渡る。そして猛ダッシュで走ってくる彼女のシルエットが、ハッキリして名前を呼んだ。
「リサじゃん。今帰り?」
「うんそうだよ、ハイこれプレゼント!昨日誕生日だったでしょ、私仕事で会いに行けなくてごめんね」
「いいよいいよ。止まってても寒いだけだし、歩きながら話さない?」
「いいよ!」
それから歩きながら、世間話をしたり近況報告を語り合ったりと、想定よりもだいぶ長く喋っていた。
空は、だんだんと明るさを取り戻していく。それはつまり、カレンの二度寝は頓挫したということなのだ。
だが、私には後悔なんて一切無かった。
仲の良い友達からプレゼントを貰ったのだ。それを貰っておいて後悔があるなんて思ったら、私が私を嫌いなる。
「カレン、話楽しかったよ!あったかいもの食べるんだよ」
「私もよ。リサもあったかくして過ごすのよ」
そして2人は、それぞれのやるべきことに向かって歩き出す。
(カレン、どこに居るんだ?まさか仕事行ったのか?)
ロードが珍しく、まだ朝日が登りきっていないというのに起きている。
しかも心配してテレパシーまで送ってきているのだ。
(ただの散歩してただけだよ。少しびっくりしたじゃない。ロードがこんなに早く起きてるの珍し)
(寒いんだから早く戻ってこいよ。あったかいご飯でも食べに行こうぜ)
そう言ってテレパシーは切断された。
ロードが心配してるんだし、少し早歩きで帰ることにした。
宿屋の玄関を開けた先に、皆んなが私を待っていた。
「「おかえり!」」
「ただいま!すぐ準備してくるから待ってて」
そう言って階段を駆け上り部屋に入る。
その瞬間、テレパシーが飛んできたのだ。
(カレン、今日中に北門出発できるかしら?ちょっと緊急案件なの)
(緊急案件?何が起こったのよ)
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