第219話 調子に乗った代償
楽しんでいってください。
その後、ヤツらが現れることなく迎えた王都会議当日である。
移動は、馬車で行われ王都の街を抜け魔法学園とは、反対方向にあるお城に向かう。
護衛に付いてる連中が一緒に出来るのは、お城正門前までである。
そのため、ルフは朝から大泣きである。今生の別れでもあるまいが、せっかく護衛についてくれたのにあんまりだと、ひとの話を一切聞こうとはしない。
「ルフ、そろそろ着くぞ。いい加減その手を離してくれ。全力で握られると流石にレベル差あっても痛いんだ」
「嫌だ〜!ロードも一緒に行くの。だって会議なんてつまんないもん。お父さん毎回愚痴ってたしー」
なんとも言えない空気が馬車内を包み込む。
「ルフ!いい加減にせんか。ロードさんも困っておるじゃろ」
「元はあんたたちが私にあんな酷いことしたのも原因があるじゃん」
早く降りたいと思うロードなのであった。
そんな馬車内でそんな出来事を知っているはずのないカレンは、会議に向けた最終チェックを指揮していた。
「先日の1件も加えてくれてる?」
「ハイもちろんです。こちらのチェックもお願いします」
ただでさえ、大量の議題案が出ている中今だに要望が増え続けており、二徹した上でこの会議に参加しようとしているのだ。
「カレン大丈夫か。寝てないんだろ、ここは俺に任して10分でも寝てこい」
「そうしたいのは山々なのよ。でも、私が承認しなきゃいけない案件だから任せられないの。お母さんもこれに関しては、一切援助しないって言われてるし」
明らかに疲れ切った顔で書類に目を通す姿は、美女と言われているカレンの面影は一切無かった。
「ご報告します。たった今ドワーフ族の長ルフ氏が、駄々を捏ね始めて正門に続く一本道のまえで、通れなくしておるとの情報が入ってきております。」
「」
「マジかよ!?ロードは何やってんだ」
「交戦を始めた模様です」
会議のため大勢の魔法会が準備に忙しくしている時に、新たな揉め事が発生したかのように思えたのか、皆静まり帰っていた。
そんな時だった。窓ガラスが割れ吹っ飛んできた少女がいたのだ。
「ルフ!?大丈夫か」
「あ、なんだここ会議室だったのか。俺の勝ちってことでいいな」
「くそ負けた。私ドワーフ族の中でも武術は得意の方なのに。絶対飛ばされないと思ったのに」
次の瞬間、ロードは窓脇から地上数十メートルの高さからカレンに吹き飛ばされたのであった。
そう時間も経たない内に、地面が悲鳴を上げるかのようにして、大きな音を立てたのである。
「ろ、ロード!!」
「明日こんなことやってみろルフ。予算無くなると思えよ」
カレンのどすの利いた声が、部屋内に響き渡る。完全に調子に乗っていたことを反省してか、今日の会議の間一切喋らないどころか、休憩時間中も一切動かなかったとレンは、言っていたのであった。
「ロード、大丈夫か」
「やるんだったらもう少し本気で来いよな。全然ピンピンしてるよ」
「疲れてるんだから仕方ないでしょ。あんたもバカやってないでアレみんなで探しに行くわよ」
すぐに立ち上がり、正門近くの野原から街に戻っていく。
そして、夕方別人になったのではと驚くレベルのロードが、ルフの目の前に現れるのであった。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
いかがだったでしょうか?
会議内容に付きましては、本編で所々で書いていきます。これは、あくまでもロード視点のお話と考えて頂いたら結構です。




