第217話 聞き込みと不気味さ
楽しんでいってください。
外に繰り出し、辺りを歩き始めた。
行き交う人々は、楽しそうな顔をしていても皆どこか不安げで誰もがより壁を作っているように感じた。
ヤツにとって、それは分かっていたことのはずだ。なぜヤツはわざわざ、あんな言葉を発させたか歩きながら考えてもわからない。
「師匠、そんな怖い顔してたら話聞けませんよ」
ナバラの不安そうな声で考えるのを辞めた。今考えたところでしょうがないのだから。
「すまない。考え事してたんだけど、いくらやっても不毛だと思って辞めたよ。早速聞き込みでも行きますか!」
「何か手がかりが見つかるといいですね」
結果、数時間色々な人に話を聞き続け得られた情報は、何も無かった。
ただの無駄足である。
そうして、また夜がきてしまう。また犯行が行われるのでは無いかと、頭によぎってしまうのだ。
辺りは、夕暮れどきに差し掛かってきている。そろそろ帰らなければ行けない時間になっていく。
そんな時だった。帰路に向かって歩いているとナバラのテレパシーが急に始まった。
(師匠。もちろんお気づきだと思われますが、私たち数人につけられてますね)
(あ、あそうだな)
全く気が付かなかった。それは心に隠しつつ話を続ける。
(裏通りに広い場所あるか?そこで正体を見たい)
(でしたらこっちです。気づかれていると悟られないように移動しましょう)
そして悟られないように、慎重に裏通りに入っていく。そして目的の空き地に来ていた。
「こそこそ隠れてないで出てきたらどうなの。何時間も追い回して何がしたいの」
「「……」」
ただ静かな時が流れていく。ただ裏通りを入ってからか、魔力感知に追ってくるものを感知できている。
それは今もなお俺たちの近くに居る。
「あ、そう言う魂胆なのね。だったらこっちから遠慮なく行こうかしら。それか命令は追跡だけで、攻撃指示は出てないのかしら」
また静かな時が流れようとしているが、ただそれは終わったのだ。
ただ1つの反応がこっちに飛んできているのがわかる。
「はぁ…はぁ…はぁ…た、助けてくれ。体が言うことを効かないんだ。なんならここ数日の記憶が、一切無いんだ」
「マジか…ヤツの操りを自力で半分解除してるのか?」
目の前に現れた男は、痩せ型の160センチ程の男である。ここ最近、風呂などに入った様子が無いほどに匂ってきている。
それどころか、今すぐにでも何か食べないと行けないと思ってしまうほどの、大きな腹の音が聞こえてくる。
「体の自由が効かないって言ったわね。私、解放使えるわ。そっちに行くからジッとしてて」
恐る恐る近づくナバラに何かあった時では遅いと思った俺は、いつでも攻撃できるように構えを取る。
彼の肩に触れる。
「解放」
呪文を唱えたその時だった。目の前の男が、背中から一気に地面に激突する。
「いただけないな。僕の呪文を自力で解いたり、解かせたりするなんて」
「ナバラに指一本触れさせねぇよ!どきやがれ!!!」
ナバラとその男の間に割って入るかのように、剣を地面に叩きつけた。
その衝撃で、ヤツだけは後に下がった。
「あ〜〜〜怖い怖い。君は確か昨日、僕の計画を邪魔をしてくれた子だね。まさかこんな所で会えるなんて運命かな」
顔面は、仮面で覆い被さって見えない。そして何よりこの不気味さ、コイツ只者ではないと直感させたのであった。
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