第216話 添い寝と手がかり探し開始
楽しんでいってください。
ドワーフ族が泊まっている宿屋に戻ってきたのは、朝方の頃であった。
真っ暗だったはずが、清々しい朝を迎えると同時に切り刻まれたはずのドアを開け、その玄関先からの記憶がなかった。
起きたのは、それから約半日後の昼先のことであった。
玄関で寝ていたはずが、ふかふかのベッドの上で寝ている。それどころか、腕を取り合うかのようにしてルフとナバラが左右で寝ていたのである。
「動けない…」
そう小声で言うが全くもって2人は起きようとはしなかったのである。
それも当たり前かもしれない。2人の寝息はここきよいほどの音色を放っている。
起きたと言っても、まだまだ脳は動きが鈍くまだ眠たい状態である。
気を抜くと夢の中に堕落していく一方であった。
それを打ち破るかのような一撃が、ドアが木っ端微塵になると同時に教えてくれたのだ。
「ロード居るよね…あっ、失礼しました」
「ちょっと待って!これは何かの誤解なんだ信じてくれよカレン。だって俺、起きる前の記憶は朝方ここの玄関で寝落ちした瞬間なんだよ。後ずさりしないでくれよ」
誤解を解くのにそれから10分近く掛かったが信じてくれたので心の中でホッとした。
その間、2人は一切起きることなく先ほどの心地よい音色を続けていた。
「2人とも起きてくれ。カレンがまた俺のことを睨んでくる前にさぁ」
「「う、うーん、あと5分だけ」」
「さっさと起きろ!」
カレンのドスの聞いた声が部屋中に響き渡る。
それに反応するかのように飛び起きるナバラとまだ眠たそうに瞼を擦るルフの姿がそこにはあった。
「あ、おはようロード〜朝起きたら玄関で死んでるように眠ってたから上まで運んだんだ」
「おはようございます師匠。昨晩はお疲れだったようで、癒されましたか?」
「うん、おはよう。運んでくれてありがとな。うん癒されたよ」
ナバラは、嬉しそうな表情を浮かべているが横目では今にでも噴火しそうなカレンが仁王立ちをしている。
「カレン、用事があってここを訪ねてきたんだろう?」
大体カレンが王都でわざわざ会いにくると言ったら大抵用事である。
嫌な予感しかしないが、ここで聞かなかったら何をされるか分かった物では無いのだ。
「えぇそうよ。あの夜中の件だけど、多分今日も発生するわ。あの賞金首が2人だけ寄越して終わりってことはないからね」
「それは分かったんだが、このまま下っ端捕まえても意味ないんじゃないの?大元捕まえない限り無理だろ」
「そうしたいのは山々だけど、誰も奴の顔を知らないのよ」
誰も知らない。覚えてないもしくは、顔を隠していたののを考えられる。
恐ろしく慎重的に慎重的に行動をしているし、中々尻尾を捕まえせてもらえてないのだろう。
「取り敢えず分かった。王都会議が終わるまでの間任しておいてくれ!」
「そこは頼りにしてるんだからしっかり頼むわよ。王都の中でロードが1番強いんだから」
そう言い残して、カレンは部屋を後にした。
もちろん、扉は直した状態でだ。
「俺は、一回街中を見て回るよ。何か情報があるかもしれないからな」
「分かった!夜までには戻ってきてね」
「私も微力ながらお手伝いをします」
ルフは、本当はいきたかっただろうが先ほどの添い寝事件もあって、仕事がてんこ盛りに積まれた状態でほぼ軟禁状態になったのは言うまでもない。
そうして、師弟コンビで王都に繰り出すのであった。
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