第215話 実行犯と賞金首
楽しんでいってください。
捕らえた2人は、大人しく抵抗もせずに糸に絡められていた。
「何をやったか説明してもらうか」
深夜の王都の一角でドスの聞いた声が周辺に明かりを灯させる。
「「……」」
「無言かよ。さっさと吐いてくれた方が楽だと思うぜ。お前らがアルタの宿屋を襲撃したんだろ。その金品は、その時に盗んだものだろ」
服の間から金品が見えている。どれも誰がみても高級品間違いなしの一品の数々を、服の中に隠すとは持ち主に返す前に洗浄案件だ。
突然1人の男がとち狂ったように叫び出したのだ。
「我々は偉大なるお方の信奉者!その名をペーシャトル」
ペーシャトル…、どこかで見た覚えがあるんだよな、どこだっけ?
そんなことを考えていると、辺りが段々と人の気配が大きくなっていることを感知した。
「皆のもの突撃だー!!」
「ちょい待て!俺を捕まえるんじゃねぇぞ。俺はコイツらを捕まえたんだからな。そしてSランク冒険者のロードだ」
話をちゃんと聞いてくれたのか、後の2人は改めて捕まったのだ。
そしてカレンが慌てた様子で、息を上らせながら走ってきた。
「遅かったな、犯人なら捕まえておいたぞ」
「あぁありがとう。あなた達、誰に雇われたのか今すぐ吐きなさい。どの小国が何処に泊まっているかなんで知っていたの!」
ここまでキレているカレンは久しぶりに見た。おふざけで怒ってるんじゃない。この怒り方は、魔法会としての怒りであるとすぐに分かった。
だが、ここまで来て口を閉ざした犯人たち。
「コイツらの黒幕は、ペーシャトルだと思うぜ。そう叫んでたよ」
「ペーシャトル、また厄介な賞金首じゃないの。人の心を盗み、自分の物として扱う魔法を使う犯罪者よ」
人の心を盗む……それはおそらく操ったりするよりもっと難しく、レア種に認定されている基本魔法の1つ。
そんな時だった。カレンの強烈なビンタが2人に襲った。
「え、ここは何処だ?ってなんだよ糸で体が身動きが取れねぇ」
「痛ってなぁ。ここもしかしてここ王都か」
2人は、何も覚えていなかったような立ち振る舞いを見せた。
「そこの2人、今日横の方とは初めてお会いされましたか?」
「えーと、確か数週間前のバイトの説明会だったかな。それより糸を炊いてくれない?」
「俺もそんな感じがするよ。なんか知らないけど記憶が曖昧なんだ」
案の定、2人は操られていた。これがやつの得意戦法らしい。自分の手は汚さず、人に全てやらせる。
そして奪ってきた金品を奪い取り、自分の懐にしまってるらしい。
そんな男が狙ったのがこの王都会議である。
「みんな今すぐ警戒態勢を固めて!奴が来ている可能性がある」
カレンが指示を出し、辺りは騒然とし出す。俺と実行犯は、何が何だかわからない状況になっていく。
魔法会、王都警備が総力を上げて一斉に逮捕に向け動き出したのだ。
取り残された俺と実行犯は、とりあえず実行犯を連れ魔法会本部に歩いて行くのだった。
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