第213話 警護の話
楽しんでいってください。
膝から崩れ落ちたロード。
「顔だと思ってたでしょ。甘いわよロード、さぁ入って」
ロードは、這いつくばりながらなんとか部屋に入った。私は、ロードに手を貸し立ち上がらせた。お礼を言いつつ、案内されるがまま椅子に座る。
「あぁ、すまねぇありがとう。カレン、もう外がだいぶ騒がしいみたいだな」
「もう、何カ国の小国のお偉いさん方も到着しているからね。魔法会も警備に人員を取られているわ」
殴られたことによって頭は冴えている。
「俺やマークやライカにも手伝って欲しいのか?」
カレンの顔を見てすぐにわかる。合っているみたいだ。
「魔法会としての依頼になるわ。報酬も弾む」
魔法会からの直接依頼ねぇ…おそらく、この仕事はギルドを通すよりも相当高い金額で仕事をすることになるのか。
お偉いさん方の警護ねぇ、正直言って2つ返事で返せる話ではないと直感的に思う。
「即答は出来ないか。2人は即答したけどどうして?」
「いや単なるあれだよアレ。気分がノラねぇってかあんまし興味ないんだよ」
予想以上の困惑とした返答に呆れて何も言えなかった。だが、もう1度深く考えている様子である。それから数分の沈黙から破ったのは、ロードであった。
「やるよ。その仕事任せてくれ」
ロードは、覚悟が決まった感じでそう答えたのだ。
「ありがとう!助かるわ〜とりあえず、今来ているのがエルフ族、ドワーフ族、ヴィストラ、エオリカ、クラスターとか色々来てるけど、何処の警護やってくれる?」
エオリカはライカが行ってそうなんだよなぁ。クラスターは確かレンの友達が軍隊長務めてた所だろ?エルフ族は、どう考えても警護いらなそうだが…。
「ドワーフ族にするわ」
だって横にいるのルフだし、それで違う所選ぶってのも変だしそれ一択だよなぁ。
「やったー!!ロード、私の警護についてくれるの?嬉しいー」
ルフは、犬みたいに興奮しているのが目に見えてわかる。そして、ルフは俺の腕を力強くガッチリ掴み離してくれそうにはなかった。
ルフは、俺を引っ張り出して魔法会を飛び出して行った。
「ちょちょちょ、待って待って待って!!」
結局、魔法会の本部がある大通りを俺の大声とともに駆け抜けていく。
「何あれ?」
「ロードとルフじゃん。まぁ、後で本人に話聞こうぜ」
そんなことを呑気に話しつつマークとライカは魔法会本部に入って行った。
カレンの仕事部屋に行くと、今さっきまで2人のお客がいたのが見てわかる。
「あの2人と会った?」
「あったけど、ロードが完全に下になってたな」
「やっぱりね。2人とも警護の件よろしくね」
「「了解!」」
マークとライカは、カレンに差し入れを入れつつレンの元に向かっていく。
「レン、入るわよ」
「あぁ、どうぞ」
細々しい声がドアの向こうから聞こえてくる。ライカたちは、すぐさまドア開け駆け寄るとそこには膨大な資料の束に埋もれるレンの姿があったのだ。
「ちょ、ちょっと大丈夫?」
「いやどう考えても大丈夫じゃねぇだろ」
レンをマークが担ぎ上げ、屋上に運んで陽の光を浴びせる。いや昨日飲みすぎたのもあるかもだけど、ここまで疲れ切ったレンを見るのが初めてだった2人にとっては何が正解なのか分からなかったのである。
「よっしゃ、回復した!そういえば聞いたぜ、警護の件ありがとうな!」
そう言ってすぐに自室に戻るレンを見て、頭を抱える2人なのでした。
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