第207話 銭湯での一幕 〜恋バナを添えて〜
楽しんでいってください。
「お前ら、珍しい組み合わせしてんなぁ」
ロードが呑気な声でそんなことを言うのだ。それと打って変わってナバラは、犬みたいに興奮した様子で飛びついたのであった。
「師匠ー!会いたかった!」
「はい、ヨシヨシ。思いっきり締め付けていて痛いんだが」
それを聞くなりすぐさま、降りて謝っていた。相当会えたのが嬉しかったのだろう。
心から笑っていた。
「もしかしてお前らも銭湯か?」
マークの問いにいすぐさま首を縦に振った。そして、ロードが一括で全員分を払い脱衣所にきたのであった。
ここのお風呂には、王都のいる間相当お世話になっている場所だ。
そうして服を脱ぎ、風呂場に来たのであった。
「あぁ〜染み渡る〜」
ロードの腑抜けた声が、銭湯内に響き渡る。とてもリラックスしていた。
「そいえばマークは、あの子たちと何してんだ?」
「クエストだよ。偶然会って成り行きで同行してた。そういうロードは何してんだよ。俺たちほっといてさぁ」
「墓参りだよ。師匠のな…」
ロードは少し寂しげに言うが、どことなく楽しそうに聞こえた。
「そうか。じっくり話せたか」
「あぁ、バッチリだ」
ロードと再開した時、泣いてた後があったから心配してんだが、どうやらもう大丈夫みたいだ。
そんな会話をしていると壁を跨いだ女性グループたちも盛り上がっているのか、楽しそうな会話が聞こえてきた。
「死の泥沼に行くなんて…言ってくれたら良かったのに私も行きたかった」
「でもそっちは、かき氷食べたりショッピングしてたんでしょ、そっちも良いじゃん」
「そしたらまたみんなでやれば良いんじゃない?」
ライカの一言で、みんな納得した感じになっていた。
そして話は、恋バナに移り変わっていった。
「ねぇねぇ、みんなって好きな人とか居ないの?」
先ほどまで楽しげな会話から、静まり返る。
「えーとね、私レンさんが好きだよ」
マミが先手を打つかのように打ち明けた。
それに続いていく他の魔法使いたちである。マークは、そんなことを聞くライカに呆れてはいるものの、そりゃそうだろなって思っている。
「ナバラちゃんとライカさんは誰か好きな人がいるの?」
「決まってるじゃない!師匠に決まってんじゃん!」
ナバラが絶対に男湯まで聞こえるであろう声で言うのだ。まぁ、当の本人は先ほどから常連客のお爺様たちと話で盛り上がってて聞いては居なかった。
「ライカさんも師匠のこと好きなのわかってるからね」
「な、な、なな、なんの、ことかしら」
明らかに動揺しまくってるライカに、思わず1人吹いてしまった。
「負けないからね!」
「私も負ける気なんてないよ」
そんなことも梅雨知らず、このアホはそこじゃねぇよとツッコミたくなる一言を言い放った。
「え、2人勝負するの!?俺の教え子とライカか。剣と双剣、楽しい組み手が見れそうだな」
目をキラキラさせてそんなことを言うのだ。内心頭を抱えたが、こいつは何一つ悪気があっていったわけではないのだ。
ただ単純に鈍感。
そこからのロードは、2人の組み手が楽しみなのか鼻歌混じりで、銭湯を楽しんでいた。
その頃には、女湯の方は静かになっていたのだった。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
いかがだったでしょうか?
なんで静かになってたんでしょうね(すっとぼけ)
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