第199話 墓地団地
楽しんでいってください。
仲間たちと別れ、王都の端っこの方ににある墓地団地に来ていた。
そこには、我が師匠カイトのお墓がある。最初は、わからなかったらどうしようなんて考えていたが、そんな心配はすぐに吹き飛んだ。
一際大きいお墓が束になってある。
「あれかな?」
そう口をこぼす。
そこに辿り着くや否や、立て札に目をやる。
歴代の王様やその家族、選ばれし勇者とその仲間と書かれてあった。
一際新しい、墓石に目をやるとライデンと書かれてあったのだ。
持ってきていた花を取りだす。そして手を合わせた。
(師匠、お久しぶりです。ロードです。東門の旅を終えて王都に戻ってきました)
話したいことがいっぱいあったはずなのに、言葉が出なくなる。涙まで出てくる始末である。
(ロード、久しぶりだな)
聞き覚えのある声が流れ込む。辺りを見渡すが俺しかいない。
師匠の声、聞こえた気がするんだけどなぁ。気のせいかと思いその場を後にしようとした直後のことだった。
(帰るな帰るな)
まただ、また師匠の声が聞こえてくる。師匠は死んだはずなのにどうして?
辺りを見渡すが、やはり何もない。
(魔眼を使え)
魔眼を使え…って言われてもなぁ、あまり気乗りはしないが発動させる。
墓地の前には、師匠が居た。
思わず大きく後ろに下がり剣を構える。
「ここ王都の中だよな。なんで魔物がいる?」
「師匠を魔物と間違えるなんて失礼だぞ!まぁ、疑うのも無理はないか…」
少し落胆を見せた師匠?はキメ顔で再度こっちに目線をくれた。
怪しさ満点すぎて、どう対処したらいいか正直言って全くわからなかった。
これでもし、本当に師匠の幽霊だったらどうしたらいいんだ?頭がオーバーヒートしかけていた。
「ロードを来るのを待っていたんだ。魔王と戦った時のこと組み手で見せてやりたくてな」
「俺を待っていた?仮にそうだとしても、正直言って信じられません」
「そうか」
次の瞬間、重い一撃が剣に伝わった。この威力、この剣技、どう考えても師匠の技であった。
「信じてくれたみたいだな。ここでは目立つから着いてこいよ」
そう言って剣を納め歩いていく。一様いつでも攻撃に移れるよう、閉まった剣に手をかけておく。
そうして歩くこと10分経った頃だろうか。
たどり着いたのは、先ほどあった師匠と同じぐらいの塔であった。
そこに手を触れると塔が後ろに下がったのである。そこの下には、階段があり下っていく。
そして塔は、ゆっくりと元の場所に戻っていた。
正直言って聞きたいことが山積みだ。口を開こうとした直後のことだった。
階段を降り終えると辺りが明るくなる。そして目の前には、荒く整備された闘技場の舞台らしきものが現れたのだ。
「え、なんだここ」
正直言って驚いている。王都の墓地団地にこんな施設があったことが信じられないのだ。
「ようこそ!勇者の間へ」
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