第197話 ロードvsカレン③
楽しんでいってください。
20章完結です。
お互い全力でぶつかった。それを試合開始から1時間近く続けても勝負が付かなかった。
お互い全身血まみれだ。
ぶつかり合っている中で、慌ただしいアナウンスが流れているのを耳にした。
俺たちの試合を見ていて体調不良が出てくるといった非常事態があったのだ。
その際、お互いにそっちの方に意識を向けてしまう場面があった。
第3ラウンドなんて言っているが、お互い全くといっていいほどいい見せ場なんてない状況が続く。
そんな中、観客たちからは野次が飛んでくる始末であった。そんなことに普段なら気にせず試合を続けているだろうが、今回はばかりは、気になってしかたなかった。
その為、お互いミスの連発が出てきていた。このままだと強制終了のまま強制送還待ったなしである。
「アレ使おうぜ。そっちの方が早く終わらせる」
「終わるのはロードでしょ」
((聖女の願い発動!))
先ほどまでの戦闘と違って、どう考えても重症者が出していいスピードを遥に超える戦いが始めたのだ。
観客は、野次を飛ばすのすら忘れて口をポカーンと開けた状態で見ていた。
(アイツらバカかよ)
(それには同感)
(え、何やってのアイツら?)
レンは呆れ、マークは頷き、フーミルは観客と同じ状態だった。
自分があれやりたかったなぁと思うライカは、応援を続けていた。
「極力一閃・竜斬撃!」
「インフェルノ」
「竜斬撃・乱舞」
「アクアスピナー」
お互いの剣技と魔法をぶつけ合う2人、それから5分後のことだった。
2人とも限界なんてとうに超えていたのだ。それに加えてドーピングである。
体が言うことを聞くはずがないのだ。
空中で戦っていた2人であったが、唐突に技を出す瞬間に落ちてきたのだ。
この世の叫びとは思えないほどの悲痛な叫びを添えて……
「このまま立てないのであれば、両者引き分け優勝と致します!」
そんな声が聞こえたはずだが、全くもって立てれる気力なんて湧くはずもなかった。
だが、立たないといけない、そう心が叫んでいる。血反吐を吐きながら立とうとするが、腕に力が入らず何度も倒れ込む。
カレンの方をチラッと見ると、同じ光景だったのは言うまでもない。
「負けるもんかー!」
「こっちが勝つの!」
気合いと根性だけで立つ2人。お互いに構えを取る。動くたびに血反吐が出てくる状態の2人。
ほとんど意識が朦朧として、感覚で互いの位置を把握し合う。
「「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」」
「神速式・正拳!」
「神速式・極力一閃!」
先に倒れたのは、カレンの方だった。
正確には、技を放つ直前に気を失い倒れたのだ。その際、極力一閃も当たらなかった。
「そこは、打ってくれよ……」
そんな声が、聞こえたと思った時にはロードも倒れて結果は、ギリギリの所でロードに決まったのだ。
そうして団体戦は、幕を閉じたのであった。
そうして目覚めた時には、時すでに遅く王都のいつもの部屋で寝ていたのであった。
完全に、アンに嵌められたのであった。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
いかがだったでしょうか?
20章の最後は、アンに強制送還させらたオチになりました。粘った方だが、フーミルは金に釣られ裏切られ、レン、マーク、ライカの3人は冒険者生命を終わらされる条件を叩き付けられしかたなかったのだった。
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