第191話 レンvsライカ②
楽しんでいってください。
お互いにだいぶ消耗が激しい戦闘が続いていた。2人とも一歩も引かないためだ。
それでも勝負をつけるには、圧倒的な決定打が足りないと誰しもがわかっていた。
お互いを仲間として知り尽くしている2人。どんな攻撃もあと少しのところで、深くは入らなかった。
「はぁ…はぁ…はぁ…そろそろ諦めてよ」
「はぁ…はぁ…そっちの方が息上がってるのによく言うぜ。お前こそ倒れろよ」
そんな会話が何回も挟まれる。そうでもしないと一切休めないからだ。
休める暇なんてほんの数秒あるかどうかだ。
それでもその数秒は、彼女らにとっては必要不可欠な休息タイムなのだ。
2人の状態は、いつ倒れてもおかしくなほどである。ライカは、何ヶ所も斬られ、刺されている。その為出血が多く、今すぐに倒れてもおかしく無いレベルである。
レンは、何ヶ所も斬り傷がある。それは、どこも軽症では済まされないレベルである。
その為、こちらも出血多量ですぐにでも倒れるべきな状態なのである。
「これってさ、どちらが勝っても絶対無理じゃない?」
「試合、無理だろうな。あれどうやっても一撃で終わりそうなんだけど?」
「だよね。私もそう思ってる」
ロードとカレンがそんな会話をしていると、観客の歓声が一際大きくなる。
ライカの攻撃が、モロにレンに直撃したみたいだった。
ライカの最大の武器である、気配消しが大きな致命傷を与えたのだ。
「油断したな…加速式・スピニングショット」
倒れる瞬間、油断し切っていたところをライカは狙われたのだ。
槍を回転させた状態で放つ突き技みたいだ。
あれは、痛いじゃ済まされないだろうなと思うロードであったが、ライカにとってはそれは好都合でもあったのだ。
ライカは、刺さった槍自ら引き抜いたのだ。そうして力を振り絞って、槍を投げ捨てたのだ。
レンは、完全に槍の方に目線が行っていた。その1秒あるか無いかの瀬戸際、ライカの独壇場であった。
「終わり。スラッシュ」
1本の剣筋がレンに刻まれたのであった。
「ーーぁぁ」
「勝者ライカ!直ちに救護班お願いします」
歓声が上がると同時に、緊迫の雰囲気となったのだ。
ライカもその言葉と共に、倒れ込む。
倒れ込んだ直後には、俺とカレンがすぐさま舞台うえにあがる。
「レン、ライカ大丈夫か?聞こえるか?」
「ーぁぁ、ロード……わた…し、勝ったよ。次は、…カレンだよね…わたしかつよ」
「あぁ、勝ったな!期待してるから今は、休もう」
「レンの方もライカの方も、ポーションかけといたよ。後は任せて。ハイヒール・エデン」
2人ともが、辛そうな表情していたのが少し和らいだ気がする。
そうして、出血は治り傷が閉じていく。それを30分も続けると2人は次第に目を開けたのであった。
カレンがホッとした表情を浮かべ、ロードもホッとしたのだった。
カレンにポーションを渡す。
「お疲れ様!さっき運営側と話し合った結果、今日はここまでとして明日続きやることが決まったよ」
「あ、そうなの。分かったわ、それだったら転移するわよ」
「「は〜い」」
そうして団体戦が異例な形で明日に持ち越しになったのだ。観客たちも、そりゃそうだと納得してくれた。
「最高な試合だったぞ!」
「また明日楽しみにしているわ」
そんな観客たちの歓声に包まれながら、ロードたちは宿に戻るのだった。
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