第182話 目覚めと出発
楽しんでいってください。
19章完結です。
あの戦いから数日経った夕暮れ時、カレンは目覚めたのだ。
宿屋の扉を力強く開け、すぐに客室のある2階に階段で駆け上がる。
ノックもせずに勢いよくカレンの元に走っていた。
「あ、ロード!」
「カレン大丈夫か?」
「ほんと慌ただしいわね〜ロード。数日眠った分回復してるわ」
ホッとした表情で見つめてくるリーダーの顔を見てなんだかこっちまでホッとしてしまった。
ロードは、随分と慌てていたみたいだ。呼吸も荒く相当走ってきたのだろう。
起きた瞬間、ライカは慌てて皆んなにテレパシー送ってるし、なんなら私にまで届いていた。
また、大きな音が1階から聞こえ段々と気かづいてくるのがわかる。
「起きたんだって!大丈夫か?」
「体調は大丈夫ですか?」
「目覚めたんですね。ほんと良かった」
マーク、レン、ミークルの3人が部屋に入ってきた。3人も相当走ってきたのが目に見えてわかる。
「えぇもう大丈夫よ。数日のうちに小国出られるわよ」
そんなことを言ったら皆、難しい顔をしていた。寝ていた私では、全く見当が付かない。
「どうしたの、何かあったの?」
「ちょっとまだここから出られそうにないんだ。あのお貴族に話を持ちかけられていているんだ」
お貴族って、あのバッチのあれかしら?
「話ってなによ」
ロードが、何かを言おうとした瞬間開いた扉の方からノックする音が聞こえた。
そちらの方にいるのは、短髪の金髪のおじさん。ラングルス卿であった。
「まずはカレンさん、体調の回復おめでとうございます。あなた方には、今度開催される武道会に出て頂きたいのです」
全くと言って良いほど話が見えない。だが、何となくは想像できなくもない。
おそらく、あのバッチはその武道会の商品でなのだろう。バッチだけはどうしても、必要だった。
「そういうこと。あらが立ったもの達が出たらそりゃ大盛り上がりするでしょうね。そしてバッチは、私たちのところに来るってわけ?」
「さすがは、魔法会トップ様でございます。それを私に返還してし欲しいのです。もちろん無償で返せとは言いません。ロードさんが払った金額をお返しします」
だから私の意見が聞きたかったのか。そりゃぁ勝手には決められることでもない。
ラングルス卿は、おそらく西の闘技場、東の闘技場の真似事がしたいのだろうね。
あそこの2つの小国は、随分と金回りがいいからね。ここは風の小国、それ以外の目立ったものはない。
強いて言えば、ドワーフ族がここに多くの品物を置いているというのが強みだろうか。
「私たちは、お断りします。でしょロード?」
「あぁ。この国をもっと有名にするんだったら魔物に対抗が余裕出来るぐらいの強さを手に入れることだな」
ラングルス卿は諦めた表情を見せていた。思惑通りに行かないことに内心自分に呆れていたかもね。
「それと1つ、ミークルは強いぞ。絶対に大きい戦力になるぞ」
「そうかもな。屋敷の警備をどれだけ強化してもダメだったからな。俺は少し焦っていたかも知れないな。君たちの意見参考にさせて頂く」
そう言ってラングルス卿は、部屋を出ていった。
その数日後、腕に自信がある奴らが集まって選考会が開かれていた。
それは、現在の兵士たちも平等に参加させ1から軍を作り直すことなったのだ。
もちろん軍隊長は、ミークルである。
他の人を寄せ付けない圧倒的な魔法。体の身のこなし。そして、義賊として育っていた素早い判断力などが評価され選ばれたのだ。
俺たちは、それを見守って小国を後にするのだった。
その際、新たに出来た軍や住民達に見送られた。
「皆さんありがとうございました。またいつか会いましょう!」
「じゃあな。そのバッチ似合ってるぜ」
ミークルは、深々と頭を下げてもう一度お礼を言うのであった。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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今回は、そのまま20章突入します。
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