第174話 マークvsキン決着へ
楽しんでいってください。
マークが握りしめていた大剣を中心に大規模な結界が張られた。
「なんだこれ…!?」
「ワシの方が聞きたいんじゃが。なんていう硬さだじゃ」
マークは剣を杖にしてなんとか立ち上がる。
剣を杖にしていないと、上手く立てていなかった。目は虚で立っているのが精一杯に見えるほどである。
だが、マークの目は死んでいなかった。
「あの鍛治師とんでもねぇな。神速式・一刀両断」
次の瞬間、地面にクレーターが出来上がる。キンが落ちて来たのだ。
「そうこなくっちゃなぁ。一撃インパクト」
レンに向かって飛び上がっていくのと同時に、レンは一直線に大剣を振り翳しながら降りてきて、空中で激しくぶつかる。
「なんちゅう底力じゃ。さっきの虚ろの目はなんだったんじゃ」
「こんな所で足踏みしてる場合じゃねんだ。俺は魔王を倒すだ!」
先ほどよりも、速い一撃が飛んでくる。それを完璧に受け止めひたすら攻撃をしていく。
数えきれないほどの傷が、両者に刻まれる。
「聖女の願い」そう呟くのであった。
待っていたと言わんばかりに、パンプアップし体の筋肉が膨れ上がる。
聖女の願いでもまだ負けているのをマークは理解している。それでもビビっていたあの時とは違うことを証明するかのように、立ち向かう姿はその場にいた誰もが見入ってしまうほどである。
「頑張れ!」など声援を力に変えるかのように、次第に奇跡を起こすかの如く、マークの攻撃はキンにより深傷を負わすことになった。
だが、それと同時にほぼ限界に近かった体に拍車をかけることとなる。
全身からの出血、この戦いが長く続かないことを予言する形となったのだ。
「攻撃受けすぎたな。それがここでの敗因だ」
「なに言ってやがる。まだ勝負は終わってねぇぞ」
「そろそろ奴らが帰ってくる。思ったよりも速いが仕方ないことだ」
ロードとレンのことか。確かにキンは、ロードが来るのを本気で嫌がっている。
この状態を見たロードがどんな行動に出るか手に取るようにわかっちまう。
ここでもうひと頑張り見せなきゃ漢が終わっちまうよ。
「ここで殺す気はなかったが、そんなに死にたいのならお望み通り殺してやる」
マークが構えたのを見てそう言い放つキン。
「死なない。ただお前に今日1番の深傷味合わせるだけだ!」
マークは一度鞘に収める。
キンは、大剣を一度大きく振りかぶる。血を払ったのだ。
「これで沈めてやる。一撃の太刀・極」
スッとマークの目の前に現れる。大きく振りかぶる姿を見て叫んでしまった。
「マーク!!」
「神速式・一撃大抜刀!」
キンの攻撃が届く前に、マークの渾身の一撃がキンに多大なる一撃を与えたのだ。
その場に倒れ込みそうになった所で、後に大きく下がる。
「この戦いでここまで強くなるとは……」
撤退しようとした直後であった。
「これ以上の戦いはやらせんぞ、2人とも。後は魔王城で決着を着けろ」
マークとキンの中心に現れたのはロードだった。
誰が見てもわかる。ただでさえキレていたのに、それ以上に怒りが籠った声でキレている。
「これ以上は手出しはせん。マークに伝えておいてくれたら助かるのう。今度は本当の死合いをしようとな」
そう言い残して、キンは消えたのであった。
「マークよく頑張ったなぁ。友として仲間として嬉しい限りだ。今はゆっくり休め」
そう言い終えた直後、マークはロードに持たれかかる形で気を失ったのであった。
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