第171話 ドワーフ族の女性との出会い
楽しんでいってください。
18章開幕です。
ロード一行が、村を出て数週間掛けてまた次の村に向かっている最中であった。
「次の村、あまり滞在は出来なそうね」
「どうしたんだ、急に?」
「もう少し進んだ先にあるのは、ドワーフ族の暮らす村があるのよ」
「待て待て、この雪の地方に?嘘だろ!?」
マークが驚くのも無理がない。ここは、ほとんど雪が降り続けていく地方だからだ。
それに比べてドワーフは、常に工房に籠りっきだ。ほぼ製錬に時間を使いあまり寒い地方に住んでいるとは考えにくかったのだ。
そんな事よりもロード一行には、最も重要なことがあった。
それは、ロード一行が使っている武器や防具は全てレックス及びその関係者が拵えたものであるからである。
「何より問題なのが、レックスさんの武器や防具を使っている事なんだよね。ドワーフ族は元族長を除いてレックスさんのことが心の底から軽蔑しているからね」
「元族長?」
「うん。前の族長はめっちゃ仲良かったのよ。でもね、他の人たちは、自分たちよりなんで人間の方がって思ってたのよね」
ロードはそうなのかと言わんばかりに軽く頷いていた。そして見えてくるのが、村である。
その前に気になったのが、1人のドワーフ族と見られる女性が薄着一枚でポツンと立っていた。
「お、おい!大丈夫か!?結界用意してくれ」
「いや大丈夫で、ってあああああーー。その武器もしかしてレックス様の作品では?」
急に近くで叫ばれて耳が痛いが、それより彼女今レックス様って言わなかったか?
「あぁ、そうだが?急にどうした?」
「私、レックス様の大ファンでしてって申し遅れました。ドワーフ族のルフと申します」
「俺はロード、右にいるのが魔法使いのカレン、大剣使いのマーク、左にいるのが槍使いのレン、双剣使いのライカだ。よろしく!」
彼女は、背丈が小さい割にとても大きな声でしゃべる子だ。だが、流石はドワーフといった所だろうか?細マッチョの体型である。
だが疑問が残る。
「なんでルフはこんな所に居るんだ?」
ルフは、俺の剣を目を輝かせ楽しげに見ていたのを辞めた。
「罰を受けているのです。夕方頃から明け方までここで立っているの。私が族長の娘だから…」
ロードの殺気が村の方に向けられた。
ルフは、おじいちゃんと仲良かった族長の娘ってだけでこんな仕打ちを受けている。
ロードの逆鱗に触れるには、十分すぎる程のものだった。
村人の何名かが、村から出てくる。
「そこで何している。さっさとこちらに来なさい」
「冒険者ですか。宿をすぐに用意しますのでこちらに」
「まずは、殺気を治めてはいただけませんんか」
曲がった正義感でこっちに来いと言ってる奴が1人、冒険者だと思って優しそに接してるのが1人、そしてその2人を従えてそうな長老が1人か。
「まずは、この子を村に入れたいのだが」
「何を言っているんだ。その子は罰を受けているんだ。部外者が黙っていろ!」
無意識に剣に手を掛けようとしたのを、ルフが必死にしがみついて止めていた。
「大丈夫ですから、大丈夫ですから」
「でも俺たちは、その村には入らねぇな。だってよ、俺たちの武器や防具は全部、オメェらが嫌いな奴が作った物だからなぁ」
「レックスが作った物ですか……。それでもいいからこちらに来てほしい。助けてほしいだ、冒険者様」
カレンから聞いてた話が違うので、少し困惑したがルフがテレパシーで話しかけてきた。
(今、村で疫病が流行っています。ポーションの数が圧倒的に足りず、雪かきに来ていただいてた魔法会の方々も倒れてしまっているのです。どうか、私のことは気にせず助けてあげてください)
ロードは、ルフを抱き抱え村のほうに近づいていくのだった。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
いかがだったでしょうか?
18章では、ドワーフ族が登場しましたね。まぁ印象は最悪スタートですけど、これからもよろしくお願いします。
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