第153話 決着
楽しんでいってください。
15章完結です
メグが回復してくれたおかげで、サフィーの寿命までは戦えそうだ。
でも、流暢にしている暇なんてない。
「ハイジャンプ・極力一閃」
「雷の剣・乱舞」
わざわざ逃げ場のない空中でまどろっこしいことしたところで、おまえは勝ち目なんてない。
乱舞ごと斬り伏せた。
着地を済ませ、倒れ落ちたサフィーに目をやるとまだ立てそうになかった。
先ほどの一撃がそれほど効いたのだろう。声すら出せず倒れ込んでいた。
「立て。そんな所で終わるやつじゃないだろ」
「「てめぇ無茶苦茶だ。さっきまでとは比べ間にならない強さだ」」
フラッとなりながら立っているが、相当無理しているように見える。
サフィーの体は、見た目以上にボロボロだ。刺され、斬られ、貫かれたその体は寿命以前にもう限界のはずだと俺は思っている。
だが、サフィーは闘志は一切消えていない。今からやっても俺に勝つとそう言わんばかりの目をしていた。
「「雹雷豪雹」」
「無駄なことを……。加速式・一閃」
サフィーのあの技をただひたすらに突き抜け斬りに行く。だんだんと顔色が変わるサフィーを見つめながら、ただ自分の技を信じ駆け抜けていく。
「はぁぁぁぁぁっ!!」
「結晶盾」
サフィーの慌てて出したような盾では、紙を切るかのように盾もろとも斬った。
「クロススラッシュ」
続けて攻撃していく。
「雷」
瞬間的に避ける。サフィーは驚きの顔を見せてはいたが諦めた表情はしていなかった。
どう考えてもまだ終わってねぇという顔だった。
「雷砲」
避けた瞬間だから、瞬時には避けられない。加速式、神速式ともにこの状況では間に合わせることは出来ない。
「影渡り」
あっぶねぇー。どう考えても当たる一歩手前だった。なんなら少し掠ったか?
はぁ……はぁ……はぁ……さっきの行動で力を使いすぎた。視界がぼやてくる。
この状態発動時の体の負担は相当大きいものだ。それに加えて、加速式、神速式の体をぶっ壊して戦う戦法でメグの回復では、限界が近づいて来ている。
サフィーは、苦虫が潰れたような顔をしながらこっちを睨んでいる。
「「ロード、さっきはよくも避けたな。決まったと思ったのにね。でも相当苦しそうねぇ」」
「それはお互い様だろ!だかなサフィー、おまえは最期の青空でも眺めとけよ」
次の瞬間には、全身全霊の一撃が当たり合った。
半径数メートルは白銀世界。
俺の体は一部が凍傷した。
そこからは、意地と意地のぶつかり合いが始まった。お互い一歩も引かない状況が続く。
何度も何度もぶつかり合う中で、お互いが全力以上の何かをぶちまけていた。
「はぁぁぁぁぁっ!!」
「「おらぁぁぁぁっ!!」」
ぶつかり合って互いが立たなくなる。本当の勇者と言っても、ほぼ死にかけで出したような力で圧倒できるわけがない。
本当は、圧倒したかったがサフィーはアルタも超える強さを持っていると俺は思う。
いや、違うな。サフィーの強さを最大限にまで引き出したのは、俺たち全員の攻撃があったからだ。
だからこそ、90分しかないその命を最大に燃やしに燃やした結果がこれだ。
あー、もっとサフィーと戦いたかったなぁー。もうお別れだ。
ふらふらになりながらも、剣を杖にしてまでもなんとかして立つがサフィーは、限界を迎えたみたいだ。
立ってはいるが、もう魔法も武術も何も出来る力なんて残ってなかった。
ただ真っ直ぐコチラを見つめていた。
「これが最期だ。とくと味わうがいい。神速式・ソード・インパクト!!」
サフィーの心臓目掛けて一直線に突き刺した。体は、原形を保てず爆散する。
「「勇者なんて嫌いだ……。でもロード、楽しかったなぁ」」
最期、サフィーは微笑みながら消滅した。
「あぁ、楽しかったなぁ。地獄でもどこでもまた会えたら3人だけで戦おう」
そう言い終えた瞬間、膝から崩れ落ち血を吐きながら倒れたのであった……。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
いかがだったでしょうか?
15章完結しました!!
多分過去1解説の所が長いと思います。
16章では、この戦いの後日談をメインとした話になると思います。
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