143話 共闘と多大なる一撃
楽しんでいってください。
「漆黒の弾丸」
その瞬間俺たちを囲んでいたサンダーウルフ達は消えていった。
そして何よりその声は聞き覚えがあった。
「ミヤ!!なんであんたらがここに……」
「助けてもらっておいてその言い草は何かしら」
別の意味で戦闘が勃発しそうな勢いの2人。お互いに睨み合っていた。
「なんであなたたちがそっちの味方してんのよ。普通に考ええて攻撃する側でしょ!」
「それは、死にゆくサリーとニックには関係ないでしょ」
一気に魔力量が跳ね上がるサリーとニック。電撃攻撃がアイツらの方に飛んでいく。それを後追いするかのように、氷の援護が飛んでいった。
一気に始まる戦闘。俺たちは置いてけぼりを喰う。
バチバチに始まった中心いる俺たち。幹部と雷と氷の魔物の戦い、俺たちが見たことない幹部がそこにはいた。
「何勝手に始めてんだよ。幹部ども引っ込んでやがれ!俺たちとアイツらとの戦いなんだよ」
「俺たちは止まらなぞ。止めてもいいが、その時はお前たちが死ぬだけだからな」
ラングの一言は俺たちにブレーキをかけた。確かにそうだ。今の俺たちがアイツらと戦いながら、サリーとニックの相手は無理がある。
それぞれが攻撃している間を通り抜け、俺たちもこの戦いに参戦したのだ。
サリーとニックの始末を最優先として戦い始めたのだった。
「大人しくしとけば良いものを。そうだよね、姉さん」
「まぁいいじゃない。どうせどちらとも殺すんだし」
彼女らの余裕ぶっこいたその言動は、怒りという感情にもってこいのガソリンだった。
サリーの方は、俺、カレン、ライカ、ミヤ、ソウ。
ニックの方は、レン、マーク、ラング、大剣使いの筋肉爺さんが相手をしていた。
サリーの攻撃は電撃での攻撃がメイン、その尋常じゃない速さの雷を自在に操ってくため、カレン、ミヤの同時に的確に魔法を放って対処している状態だ。
それをうざっと言いたげな表情の中、俺たちの攻撃を全て躱しきっていた。
「はぁ…はぁ…はぁ…当たらねぇ」
「僕が思うに、あなた達が遅すぎるのがいけないと思うけど」
「はぁ!?私には言ってもいいけどロードにも言うなんて許さないわよ」
「あなた達何喧嘩してるの!!今は協力して戦いなさい」
ソウの言ってるのも一理ある。コイツらよりも俺たちは圧倒的に遅い。それは、正直に言って仕方ない面でもある。
元々俺たち人間と魔物では、根本的に違うのだから。
だが、このままではお互いに消耗しあって負けるのが目に見えている。
本当はやりたくないという気持ちが勝っている。でもこの状況を打開するにはこれしかないと思う。
「ミヤ、共闘しよう」
「……」
「鳩が豆鉄砲を食ったような表情するなよな」
「そうですわね。こんな所で負けるなんて真っ平ごめんですわ」
俺は、徐に走り出した。何か考えのことがあってのことではない。ただ、考えるよりも先に体が走り出していた。
それを汲み取って、ミヤが後ろから援護射撃を開始した。サリーにとって危険度からしたら、ミヤである。俺なんか眼中にもないはずだ。
ミヤからの攻撃、サリーは必ず避けていた。雷は、光と闇に弱い。
それとも、ミヤの闇魔法と雷魔法は両者ともにダメージがいく。そんな考えも出来るであろう。
この場に置いて真っ先に消したいがダメージを喰らいたくない相手は、サリーにとってはカレン、ミヤになるのだろう。
それは、氷魔法を使うニックも同じだろう。少し違う点があるとすれば、それは火魔法の使い手であるレンが加わる。
「サンダーストライク」
真正面から闇魔法に構わず飛び込んできた。とてつもなく痛そうなのが顔に出ている。
次の瞬間、結界を突き破りサリーの拳が俺に届きそうになる。
「神速式・極力一閃」
紙一重とはまさにこのような状況のことを言うのではなかろうか。俺に一撃が届く前にサリーの体に多大なるダメージを与えたからだ。
反動のダメージと斬った時の電撃をモロに喰らったが、この攻撃は今の俺たちにとって最高の一撃となったのだった。
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