第137話 組み手(ロードvsマーク)
楽しんでいってください。
今日も今日とて俺たちは、平原を歩いていた。何もなく心地よい風が体に突き抜けていく。
思わず「気持ちいいー!」と声が出てしまうぐらいとても気持ちよかった。
冒険者として色々な場所を見てきたけど、やっぱり草原は故郷を感じることが出来るから、何処よりも好きである。
ドリルモグラと戦って数日、ほとんどの魔物と出くわない。それは、今の俺たちにとっては良いことなんだろうか。気持ちよさを感じるのはいいが、そこのあたりのこともしっかり考えないと行けないと改めて思った。
あの主サイズを1人で余裕で倒せるようにならなければならない。それは、魔王討伐にも繋がってからである。今の俺たちは、アイツを倒すのに5人全員の力合わせて戦った。
パーティ戦としては、うまく出来ていただろう。もっと楽に倒せるようになって、一人一人の負担を減らしていくのも大事なことだと思った。
「何、暗い顔してんのさ」
「ドリルモグラをもう少し、負担を減らして倒せたんじゃないかなって思って」
「ドリルモグラね。アイツ強かった……。私たちの攻撃止められてたしね」
「アイツな。一刀両断を頭のドリルで止めたときは、流石に焦ったなぁ」
「イフリートの攻撃もそうだけど、投擲も最初皮膚に止められてたからもっと強くなりたいって思ったよ」
みんな、やっぱりドリルモグラには同じ印象を持ってるんだなぁと思った。
「じゃあ、ここらで一回みんなで組み手しようよ」
カレンの一言で、俺とレンはビクッと体が反応した。そう体が反応するのも当たり前だ。
カレンとの打撃をモロに喰らうのだから。ちょー痛い。吹っ飛ぶレベルで痛い。それを何発も何発も至る所に殴られていたから、組み手に思わず体が反応したのだった。
それは誰にも気づかれてはいないようだ。正直ホッとした。
「防御結界張るわ。そして組み合わせだけど、勝手に決めさせてもらいました。ロードvsマーク、私vsライカ、私レンがシード枠で」
そう言い終わる頃には、後に大きい空間の防御結界が出来ていた。
「訓練用の剣だけど、誤って私たちならテンション上がって殺しかねないから、不殺の魔法掛けておくわ」
そうして、1回戦第1試合。ロードvsマークが始まったのだった。
速攻で決めてやる、そう心に決め走り出す。マークは大剣を構えいつでも準備良さそうだ。
どのステータスでも負けてる。それでも攻撃しなきゃ何も始まらない!!その勢いのまま走り続けた。
「クロススラッシュ!!」
そう来てくれたか!ありがたすぎる。1回目の攻撃時点で弾いた。
「クッソ」なんて声が聞こえるが関係ない。ただ真っ直ぐに狙いを定めてソード・インパクト発動!!
「神速!!」
当たる瞬間に逃げられたか……。特に問題ない。そのまま次の攻撃に生かすまでだ!
瞬時に逃げた場所に目をやる。
「神速、一閃」
「大回転斬り」
2つの剣がぶつかり、両者一歩も引かない体勢が生まれた。
お互い、剣の勢いは殺され純粋の力勝負。攻撃力、筋肉量においてマークの方が高い。
普通に考えたら勝つのは、マークだと思う。でもなぁ、俺は負けらねぇんだよーー!!
「攻撃力上昇」
剣を弾き飛ばした。その衝撃で体勢を崩すマークに剣を向ける。今度こそ、決まれ。それしか考えられない。
「ソード・インパクト!!」
その攻撃は、基本の防御魔法しか扱えないマークにとって耐えられるものでは無かった。
防御魔法を貫き、体に当たる。その衝撃は、全身に伝わり吹き飛ばす。
結界まで吹き飛び、気絶したのだった。
圧倒的なロードに対して、観戦していた私たちは拍手するほかなかった。
1回戦、私の予想ではもう少し長いはずだったのに完全に当てが外れた気分だった。
「マーク、大丈夫か?」
「気絶しているだけよ。ロード2回戦シードね」
そう聞いて、2つの意味でホッとしたと同時にこの組み手での成果を改めて考えられるのは、ありがたいと思ったのであった。
カレンvsライカの試合が刻一刻と始まろうとしていたのであった。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
いかがだったでしょうか?
シードに関しては、完全のカレンの思いつきだけの発言です。
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